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潜入捜査官ハサウェイ『聖人画』 ⑧

2017年05月15日 | 潜入捜査官ハサウェイ『聖人画』
潜入捜査官ハサウェイ『聖人画』の続きです
読んでいない方はカテゴリー「潜入捜査官ハサウェイ『聖人画』」で読めます→こちら

「オックスフォードミステリー ルイス警部」はAXNミステリーで放送しているドラマです→こちら
ホームページにキャストの説明がないのでざっと説明しておきます。
ジェームズ・ハサウェイ:このファンフィクの主人公。オックスフォード署ではルイス警部とバディを組んでいる、30代後半の長身でハンサムな刑事。かつて神父を目指して勉強していた。
ロバート・ルイス警部:ハサウェイのバディで上司。定年を間近に控えたベテラン刑事で熱血漢。
以上を頭に入れながらお読みください。

 



 ハサウェイは翌日ルイスに電話した。ルイスは出ない。潜入捜査に入る前、ルイスに任務を受けるかどうか相談したときのことを思い出した。彼は怒っていた。
「潜入捜査は極秘事項じゃないか!知っている人間がいては意味がないんだぞ。私が知っていてはまずいだろう。まったく・・・」
ハサウェイはしょんぼりと聞いている。
「潜入捜査の期間は電話してきてもとらないからな。」
きっとルイスは今でも相談したことを怒っているのだ。
 ハサウェイはメールを打った。潜入捜査に関することではないことをわかってもらえれば返事が来るだろう。とりあえずはオックスフォ-ドの殺人事件の死体発見時の様子を教えてほしい、もしかしたら役立つ情報があるかもしれないからと。

 ルイスから返事が来た。死体は頭部を切断されそれを手に持っているような格好で見つかったという。
 やはり・・・ハサウェイは首を切り落とされたあともそれを拾って説教をしながら歩いたと伝えられるサン・ドニ(パリのディオニュシウス)を思い出して鼓動が早くなる。
 緊張しながらルイスに電話した。
「警部、殺人事件のことを直接会って話したいんですが。」
「そうだな、こっちも何も情報が無くて困ってるところだしな。」
「じゃあ、明日。」
「新しい情報が入ったら資料として持っていくよ。」
いつもならパブで一杯やりながら話すところなのだろうが、今は人目につきたくはない。二人は町の境界辺りの人気のない場所で会うことにした。

 翌日ハサウェイは教会での仕事を早めに切り上げて私服で出かけた。車で家を出るときには誰にも見られていないことを確認して出発した。待ち合わせ場所まで車で行く。落ち合ったらルイスの車に乗り換えさらに移動してから話した方がいいだろう、そう計画していた。
 待ち合わせ場所にルイスは来ておらず、いつものように煙草を吸いながら待っていると携帯が鳴った。
「私だルイスだ。事件の新情報が寄せられてね、そっちを先に確認しなきゃいけない。今日は会えなくなった。どっちみち話は新情報を確認してからの方がいいだろう。」
一方的に話して電話は切れた。しかたない。ハサウェイは久しぶりにルイスに会えることでうきうきしていたけれど諦めるしかなかった。吸っていた煙草を道に捨てると車に乗り込んだ。帰り道を運転しながら新しい情報について考える。解決につながる情報だといいが…すっかり刑事の自分に戻って考えていて、それは居心地のいいことだった。

 ハサウェイは誰にも見られていないと確認して家を出た。しかし見ていた者はいる。ここ数日ちょっと離れた物陰から双眼鏡で彼を監視しているのだ。誰か?問う必要もないだろう、あのロビン青年だ。ロビンは聖セバスティアヌスの話をした日以来教会に絵を描きには行っていない。その代りずっとハサウェイを監視している。彼の行動をひとつ残らず知っている。そんな中で私服で車に乗って出かけた彼に興味を持たないわけがない。今まで彼が私服でいるところも車を使うところも見ていないのだから例外中の例外だ。どこに行くのか?何をするのか?誰かと会うのか?後を追わなければ!
 ロビンは自動車を持っていなかったからしかたなく自転車で追った。途中までは一本道だが途中で道が二つに分かれる。そこから先はどっちに行ったのかわからない。そこで分かれ道の近くの荒れた生垣の陰に自転車と一緒に身を隠して帰ってくるのを待つことにした。何時間でも待つつもりだ。今までにも彼は数時間、十時間以上身を潜めて対象を待ったことがある。
 意外にも30分もしないでハサウェイは帰ってきた。この時間で戻ってくるということは目的地がさほど遠くなくて、用事が短時間で済むことだったか、あるいは何かでキャンセルになったかだ。近くなら何かわかるかもしれない、そう考えてハサウェイが来た道を辿った。
 舗装していない道にはタイヤの跡が残っている。新しいものかどうかわからないがそれを見ながら自転車で進むと、靴の跡とタバコの吸い殻が落ちているのに気が付いた。ロビンはそれを見て微笑んだ。ハサウェイ神父が誰も見ていないところでは煙草を吸い、吸い殻をそのまま捨てることがあるのを見たことがあるからだ。
ここが待ち合わせ場所か。
予想以上の収穫だった。しばらくその周りを丁寧に観察し、少し離れたところに隠れるのに良さそうな感じの生垣があるのを見つけ満足して帰ることにした。

 帰り道、ロビンは鼻歌を歌いながら自転車を走らせるのだった。








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