ハンガリーでは「二人のエルジェーベト」が今でも愛されてます。
「エルジェーベト」は英語の「エリザベス」にあたるハンガリー語名。
ちなみに「ジョン」は「ヤーノシュ」、「マシュー」は「マーチャーシュ」、「ピーター」は「ペーテル」、「アンドリュー」は「アンドラーシュ」、「ルイス」は「ラヨシュ」といった感じになります。
さて、「二人のエルジェーベト」の一人は、ハンガリーのアンドラーシュ王の娘でドイツの貴族にとついだ13世紀の「エルジェーベト」。
彼女は幼くして許婚としてとつぎますが、信仰篤く、貴族の身でありながら街中に出ていって貧しい人たちに施しをしたり、困っている人たちを助けていました。しかし夫ルートヴィッヒの家族はそれを好ましく思いません。夫が生きている間は彼が彼女をかばっていましたが、ルートヴィッヒが戦死すると、その後釜を狙った親族よってにエルジェーベトは追放され、子どもたちと一緒に路頭の生活を送ります。以前助けた人たちも領主の怒りに触れるのを恐れて彼女を助けようとしませんでしたが、ローマ教皇が仲介に入り、ルートヴィッヒとエルジェーベトの子が後継ぎと正式に認められます。それを見届けたエルジェーベトは、宮廷生活を好まず城から出て修道女として過ごし、持っている財産を投げ打って病院を立て、そこで自ら身寄りのない病人の世話をしました。しかし波乱万丈な人生の心労がたたって24歳という若さで亡くなります。
もう一人の「エルジェーベト」はオーストリア・ハンガリー帝国の最後の皇帝フランツ・ヨーゼフの后である19世紀の「エルジェーベト」。
ドイツ語では「エリザベート」。
彼女はその美貌でも有名ですが、同時に「じゃじゃ馬」で、当時としては型破りな生き方をした女性としても有名です。こちらはハンガリー人じゃなくてオーストリア人ですが、彼女はハンガリーをとても愛していて、それまで勉強嫌いでどんな言葉も身につけなかったにも関わらずハンガリー語をマスターしたり、グゥドゥッルーという街に自分の宮殿があり、ウィーンの宮廷生活を嫌ってよくハンガリーに滞在していました。また、皇后の身でありながらハンガリー独立闘争の士とのロマンスがあったりと、故ダイアナ妃とも似た感じのする女性です。貴族的特権生活を嫌い、弱い立場の人達に同情していた彼女は、皮肉にも訪問先のジュネーヴで無政府主義者のイタリア人に暗殺されてしまいます。
ハンガリーという国自体が「ヨーロッパの中のアジアの孤島」といわれているいわば「異端児」です。
なので、自分の身分に固執しない型破りな生き方をする人間が愛されるのかもしれませんね。
ちなみにブダペシュトにかかっている橋の一つに真っ白な橋があるんですが、この橋が「エルジェーベト橋」。
後者の「エルジェーベト」にちなんで命名されています。以前はその名に恥じないとても美しい橋だったみたいですが、現在の橋はシンプルすぎてちょっと味気なし(>_<)
■ (多分)かんたんなハンガリー語講座♪
・ Jo napot kivanok. (ヨー ナポット キヴァーノク) : こんにちわ。 (キヴァーノク無しでもOK。つけるとより丁寧。)
ちなみに「jo (ヨー)」は日本語と同じで「良い」という意味!
・ Viszontlatasra. (ヴィソントラーターシュラ) : さようなら。
・ Koszonom szepen. (クスヌム セーペン) : どうもありがとうございます。(クスヌムだけでもOK。)
・ Szivesen. (スィヴェシェン) : どういたしまして。
・ Japan vagyok. (ヤパーン ヴァジョク) : 私は日本人です。
・ Nem beszel magyarul. (ネム ベセール マジャルル): 私はハンガリー語は話せません。.
・ Szeretlek! (セレトレク): 愛してます!
(ハンガリー語のアクセントは常に単語の最初の母音にあります。)
海外を旅するときは、少なくとも簡単な挨拶は現地の言葉で覚えていきましょー!
全然相手の接し方も変わってくるし、お邪魔させてもらってる側のマナーだし、そこから生まれてくる楽しさもあるんで!
taddy
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