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習近平派が牛耳る「一帯一路」と「北京大改造」

2017年08月09日 11時08分15秒 | 市場動向チェックメモ
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO19766740Y7A800C1000000/?dg=1

習近平派が牛耳る「一帯一路」と「北京大改造」
(1/2ページ)2017/8/9 6:30日本経済新聞 電子版
中国

中沢克二(なかざわ・かつじ) 1987年日本経済新聞社入社。98年から3年間、北京駐在。首相官邸キャップ、政治部次長、東日本大震災特別取材班総括デスクなど歴任。2012年から中国総局長として北京へ。現在、編集委員兼論説委員。14年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞

 中国が総力を挙げる「一帯一路」。海と陸で欧州、アフリカまでつなぐ経済ベルトづくりを通じて、中国の影響力を広げてゆく「新シルクロード経済帯」構想である。今後、長い間、天文学的な数字の巨費を投じる一大国家プロジェクトの要のポストが、いま次々と入れ替わっている。

 「一帯一路を核とする大きな国家プロジェクトの司令部は、あっという間に習近平国家主席の側近らで占められた。彼らの出身地は浙江省と福建省に偏っている。“浙江閥”と“福建閥”の勢いはすごい」。中国の経済関係者が指摘する。

 「一帯一路」の総合計画や国際協力を仕切るのは、かつて社会主義計画経済の司令塔だった国家発展改革委員会。トップは2月に抜てきされた習近平側近の何立峰(62)である。前任は前首相、温家宝(74)の人脈だったが、習近平派への衣替えが一気に進む。

■「浙江閥」に加え「福建閥」台頭

 習と何立峰の親密さを示す32年前の物語がある。まだ30代前半だった習は、当時としては異例の若さで副市長として福建省アモイ市に赴いた。出迎えた職員は目の前の習が余りに若いため、新任の副市長だとは夢にも思わなかった。そこで習本人に「習副市長はまだ来ないのですか」と尋ねたという。

 習は、元副首相の習仲勲を父に持つ「紅二代」(高級幹部の子弟)だ。いきなりやってきた若すぎる副市長が“落下傘人事”と見られたことも響いて、当初は年長の部下が多い役所で手持ち無沙汰だった。そんな習の気晴らしはバスケットボール。市の秘書職で2歳下だった何立峰もバスケ好きで、2人は年の近さもあって意気投合し、休憩時間にバスケを楽しんで親交を深めた。

「一帯一路」の要を担う国家発展改革委トップは「福建閥」の何立峰氏

 スポーツは時に身を助ける。何立峰の場合、バスケが将来を切り開いたといえる。ありがちなゴルフやテニスではなく、米国のスポーツであるバスケというのが面白い。

 習はアモイに赴いて2年後、軍の国民的な歌手、彭麗媛と再婚し、新婚生活を始めた。17年近く過ごした福建省で出世の階段を登っただけに思い入れは深い。この9月、ロシア大統領のプーチン、インド首相のモディらがやってくるBRICS首脳会議をアモイで開く裏には、習の想いがある。

 アモイを代表する観光地のコロンス島は2017年、世界遺産に登録された。福岡県の「神宿る島」宗像・沖ノ島と同時の承認だ。コロンス島は西洋風家屋から常にピアノの音が響く風流な地である。「習主席は故郷アモイのコロンス島を推すため、一筆添えてくれたんだ」。現地の人々は、うわさし合う。

 「一帯一路」に絡む習側近は、もう一人いる。中国の命脈に関わる対米貿易摩擦の処理を担う商務省のトップも習派が制した。浙江省トップだった習を副省長として支えた鐘山(61)だ。こちらは「浙江閥」。失脚した孫政才(53)の後任として重慶市トップに座った陳敏爾(56)と同じグループだ。

対米貿易問題を仕切る商務相には「浙江閥」から鐘山氏を起用

 習側近の新任閣僚、何立峰と鐘山は4月、フロリダにいた。米大統領、トランプの別荘「マール・ア・ラーゴ」の米中首脳会談で、2人は習の横に並んだ。いまトランプは、フロリダで習が約束した北朝鮮への圧力が功を奏しないため、再び貿易で中国を攻める構えである。「米中貿易戦争は百害あって一利なし」。鐘山は訴えるが、さすがのトランプも中国に甘い顔は見せにくい。正念場である。

 中国のマクロ経済政策の司令塔としては、中央財経指導小組弁公室主任の劉鶴(65)が知られる。「この人は私にとって重要だ」。習がこう言ってはばからない知恵袋だ。国家発展改革委トップの何立峰、商務相の鐘山は今後、重鎮の劉鶴が描く画に沿って動く。

■北京大改造と雄安新区「千年の大計」

 「一帯一路」と並んで、もう一つの巨費を投じる注目プロジェクトは、大気汚染と人口増でパンク寸前の北京の大改造だ。ばらばらだった北京、天津、河北省を三位一体で開発し、バランスのとれた人口、産業の再配置を目指す。すでに北京市の核となる政府機能は中心部から東の通州地区に移った。

 次の焦点は北京から150キロも離れた河北省の農業地帯、雄安地区に一からつくる新たな開発区である。「雄安新区は千年の大計である」。習自らもこう大風呂敷を広げた。現地では、習の老齢の母親、斉心の出身地近くであることが選定の決め手になった、といううわさまで出ている。

 この5月、雄安新区の予定地を訪れた。広大なトウモロコシ畑と湿地帯、そして小さな町があるだけだ。毛皮加工が有名で、軒先にはピンクに着色した毛皮がぶら下がる。すでに地価高騰の兆しから土地取引は禁止されたが、ここが10年、20年後に摩天楼に一変するとは想像もつかない。

 中国には、単なる原っぱだった上海浦東地区を摩天楼に変えて新空港を整備し、ディズニーランドまで引っ張ってきた実績がある。とはいえ、高度成長期はもう終わった。巨費を投じる新都市づくりには、大きなリスクも伴う。鳴り物入りだった河北省の曹妃甸地区開発は、すでに問題が生じている。

 雄安新区に絡んで、北京中心から南50キロに超大型の新国際空港を建設する計画も着々と進む。19年末の完成・運用を目指す。現在の首都空港は第3ターミナルまで拡張したが、すでに満杯で便の遅れも深刻だ。2300万人の人口を抱える首都として、もう一つ空港を持つのは理にかなう。

浙江・福建両閥の顔を持つ蔡奇・北京市党委員会書記は、朝日まぶしい人民大会堂で引っ張りだこだった(3月全人代で、当時は北京市長)

 「北京大改造」の中心は、5月に北京市トップに就いた蔡奇(61)だ。まだ中央委員候補ですらない。蔡奇もまた福建省の出身。1990年代末に福建省から浙江省に異動し、同じく福建省から浙江省トップに赴いた習を現地で待ち受けた。蔡奇が「福建閥」「浙江閥」の2つの顔を持つ由縁だ。

 習は、珍しく人前で蔡奇の人柄を褒めたことさえある。きたる共産党大会で「三段跳び」の党政治局入りは確実だ。河北省の保養地に要人が集う「北戴河会議」が始まったとみられる8月3日、蔡奇は北京で動いた。会議で「習近平総書記の重要思想」に繰り返し言及したのだ。党大会で習近平思想を党規約に書き込むための露払い役である。慎重派の機先を制する手でもあった。

 北京で蔡奇とコンビを組むのは、代理市長の陳吉寧(53)だ。首都の市長としては極めて若い。環境保護相からの横滑りである。習の出身校、清華大学の学長という経歴からわかるように明らかな習派だ。首都ナンバーワン、ツーを身内で固めた豪腕人事には、党内から驚きのまなざしが向けられている。

■「お友達人事」にただよう危うさ

 「北京、天津、河北に投ずる巨費を自派(習近平派)で動かしたいと考えるのは当然だ」。元官僚はこう見る。一連の「お友達人事は」は、習の権力基盤固めに必要な権限の再編と関係が深い。長老とそれに連なる官僚の影響力が強い北京、隣に位置する直轄市の天津をいったん解体し、新都市「雄安新区」をつくる河北省と一体で開発。自派の人材を配すれば、全権限が習の周辺に集まる。

 従来、北京官界には電子・機械部門に人脈を張る元国家主席の江沢民(90)、国家発展改革委を仕切った前首相、温家宝の影響力が強かった。しかも天津は地元出身の温家宝、現最高指導部メンバー、張高麗の金城湯池だ。巨大利権を習派が牛耳る第一歩が、首都大改造と雄安新区建設である。

 「身内で固める人事からは基盤の弱さも見える。組織的登用の術(すべ)がないから、知り合いを配置せざるをえない」。中国の政治学者の指摘だ。これもまた真実である。習は十分な準備を経てトップに就いたわけではない。07年秋の党大会前、急浮上して「ポスト胡錦濤」の地位を固めた。

 習は最高指導部メンバー入りに先立ち、上海市トップに就いたが、わずか半年間だった。その前の5年間は浙江省トップ、さらに前の17年間弱は福建省で過ごした。習は「紅二代」とはいえ、共産主義青年団のような組織的バックを持たず、浙江や福建の人脈に頼るのは致し方ない。

 「一帯一路」「北京大改造」は習の目玉政策だけに、絶対に失敗が許されない。上から下まで担当者が受けるプレッシャーは計り知れない。各部門で経験が浅い習派の人材が司令塔として本当に機能するのか。誇り高き官僚らとの間に軋轢(あつれき)を生まないのか。興味は尽きない。(敬称略)
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