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レスター前監督、信じがたい絶頂からの転落 サッカージャーナリスト 森昌利

2017年03月13日 09時30分33秒 | 市場動向チェックメモ
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO13977190S7A310C1000000/?n_cid=DSTPCS005

レスター前監督、信じがたい絶頂からの転落
サッカージャーナリスト 森昌利
(1/3ページ)2017/3/13 6:31

 昨季、イングランド・プレミアリーグで奇跡の優勝を果たしたレスターのクラウディオ・ラニエリ監督が先月、成績不振のため解任された。

 英メディアは総じてこの解任を悲劇として報じた。その原因はマンチェスター・ユナイテッドのモウリーニョ監督が発したメッセージだったと思う。

 「イングランドのチャンピオンとなり、国際サッカー連盟(FIFA)最優秀監督賞に輝いた男が解任された。クラウディオ、それが昨今のサッカー界というものだ。友よ、ほほ笑み続けろ。君が歴史に刻んだ業績は誰にも消すことはできないのだから」

レスターのラニエリ監督は先月、成績不振のため解任された=ロイター

 闘将らしい、男気あふれるメッセージだった。自らも一昨季にプレミアリーグを制覇しながら、昨季の成績不振でチェルシー監督を解任されていた。同業者としての同情を含みつつ、巧妙に自分を擁護したようにも受け取れるが、このメッセージが公表されると、ネット上で賛美の嵐が巻き起こった。男気に弱いイングランドのサッカーファンがこの言葉を全面的に支持したのだ。

 このように世論が一方に傾くと、メディアもラニエリ批判はしづらい。それに、このイタリア人老将はレスター監督に就任して以来、一貫して報道陣に紳士的かつ親切な対応をして人気があった。

 会見に訪れた記者には一人ひとりと握手をした。奇跡の優勝に近づき、報道陣の数が膨れ上がっても、時間が許す限り握手をした。記者団の質問には、それほど流ちょうではない英語を懸命に操り、誠意を持って答えた。時折、織りまぜるユーモアも好評で、もちろん勝ち続けたこともあり、昨季の会見はいつも和やかだった。

 メディアを通じて「善人イメージ」をつくりあげていたこともあり、英国中が解任を嘆いた。

■人気の裏には心ない決断も

 ところがその一方で、チーム内ではかなり心ない決断もしていた。たとえばアルゼンチン人FWウジョアに対する処遇だ。残留争いに巻き込まれていた1月30日。出場機会が激減していたウジョアが自身のツイッターでラニエリ監督を痛烈に批判した。

 「すべてのレスターファンに対する敬意は変わらないが、ラニエリとクラブに裏切られたと痛感している。今後、彼らのためにプレーすることはありえない」

 昨夏、ナイジェリア代表のFWムサをCSKAモスクワから獲得した際、ラニエリ監督はウジョアに「これ以上、FWを補強することはない」と断言していたという。しかし、間もなくアルジェリア代表のFWスリマニをクラブ史上最高額の移籍金3000万ポンド(約42億円)で獲得した。

 あまりにもあっさりと約束をほごにされ、ウジョアはラニエリ監督に詰め寄り、移籍を訴えた。ラニエリ監督は「1月に400万ポンド(約5億6000万円)以上のオファーがあれば移籍を承諾する」と応じた。

 ウジョアはスカイスポーツの取材に「自分が知る限り、約束の額以上のオファーがあるのに、移籍が考慮されない」と言い放った。

 実際、1月の移籍期間終了間際にサンダーランドから700万ポンド(9億8000万円)のオファーが届いたという。しかし、レスターはプレミアリーグのクラブにウジョアは売れないとし、移籍を破談にした。

 確かに国内のクラブでウジョアに活躍されたら目も当てられない。しかも移籍先が残留争いのライバルとなるサンダーランドとなればなおさらだ。

レスターのサポーターはラニエリ氏のことを忘れないという=AP

 しかし、ウジョアを放出しなかった本当の理由は、今冬に開催されたアフリカ選手権の影響だろう。スリマニ、マレズらが出場し、攻撃陣が手薄になることから、ラニエリ監督はウジョアとの約束をもほごにしたわけだ。

 チーム事情を優先するのは監督として当然だが、約束を2度も破られ、飼い殺し同然の扱いを受けることになったウジョアはたまらない。この問題はラニエリ監督の善人イメージを大きく傷つけるものになった。

■非情な起用法に選手の信頼は…

 以前からラニエリ監督の選手起用法には非情なところがあり、岡崎慎司も首をひねることがあった。

 たとえば昨年9月14日に行われた、レスターにとっては歴史的な欧州チャンピオンズリーグ(CL)初戦での岡崎の処遇。昨季の優勝メンバーの一人である岡崎に対し、ラニエリ監督は無情にもベンチ外の決断を下した。

 雑草精神にあふれる岡崎も、この扱いに関しては「まさかのベンチ外。外れたとわかった瞬間は本当に落胆した」と語り、ショックの大きさを隠さなかった。しかも監督からベンチ外の説明は一切なかったという。

 選手に「この監督は非情なところもある」と思わせるのは悪いことばかりではない。そうした厳しさが規律を生み、選手と監督のなれ合いを防ぎ、危機感を与える。

 しかし、それも物事がうまくいっているときの話だろう。結果が出ないと信頼を失うこともある。

 2月8日に行われたイングランド協会(FA)カップ4回戦再戦の直後、岡崎は開口一番、「試合に出たかった」と語ると、珍しくラニエリ監督に対する不信感をあらわにした。

 「まあ、(どの監督も)こういうことをするんすよ、オレには。これはシュツットガルト(ドイツ)以来ですけれど、自分の使い方が定まっていないということ。この前の試合のリベンジをさせてくれないのって、そう思った」

 2週間前の1月27日、4回戦の初戦で岡崎は先発し、2度の決定機を外していた。ゴールに限りなく近づきながら決めきれず、引き分けで終わった試合の悔しさを再戦で晴らそうと気合を入れていた。しかし、ラニエリ監督は岡崎にチャンスを与えなかった。

 普段は好々爺(こうこうや)を演じるラニエリ監督の選手起用は意外に非情だ。それにもともと、「ティンカーマン」とあだ名された人でもある。

 ティンカーマンとは、英国で腕の悪い修理工を意味する俗語だ。しかもこの修理工は、それほどひどい故障ではないのに、手をこまねいてますます状況をひどくする類いでもある。

 サッカーの監督が「ティンカーマン」と呼ばれた場合、それほどチーム状況が悪いわけではないのに、意味不明な選手起用や戦術を次々と繰り出し、どんどん状況を悪くする人を指す。

「世界一の監督」があっさり解任され、レスターのサポーターは退屈を感じる暇がない=AP

 昨季はラニエリ監督がティンカーマンになる場面がなかった。しかし、チームの守りの要だったMFカンテがチェルシーに移籍すると、チームをいじり、結果的に「ミラクル・レスター」が崩壊した。

 目まぐるしく先発メンバーを変え、フォーメーションも変えると、昨季はわずか3敗しかしなかった王者が、25節の段階で14敗を喫した。

 特に年明け後がひどかった。新年初戦となったミドルズブラ戦を0-0で引き分けてから6試合連続の無得点で5連敗。FAカップ5回戦では3部リーグのミルウォールに敗れた。もう今季は1勝もできないのではないか。このミルウォール戦はそのくらいの絶望感が漂う敗戦だった。

■主力選手とオーナーが会合か

 ラニエリ監督は欧州CL決勝トーナメントのセビリア戦で敗れた翌日、解任された。クラブは選手にかん口令を敷き、必死に否定したが、報道によると一部の主力選手とオーナーがラニエリ監督の処遇に関する会合を持ったという。

 どんな話し合いがあったのか、それは想像の域を出ないが、クラブ関係者によると、今季のラニエリ監督の起用法は行き当たりばったりのものが多く、選手は混乱し、不満が膨らんでいたらしい。

 昨季はベンチスタートに甘んじながらも、全力を出し続けたウジョアに対する処遇も悪評だったという。こうしてラニエリ監督は急激に求心力を失った。

 奇跡の優勝からはまだ9カ月。レスターサポーターの歓喜の中心にいたときは、このまま永久監督となるのではないかと誰もが感じた。

 しかも、ポルトガル代表を欧州選手権王者に押し上げたサントス監督や、レアル・マドリード(スペイン)を欧州王者として輝かせたジダン監督を押しのけ、最優秀監督賞を獲得した。そのラニエリ監督が、名将の誉れから一気にティンカーマンに逆戻りし、あっという間にレスターから切られてしまった。

 信じがたい転落ではあるが、それもまた、観客が常にドラマを求めるプレミアリーグらしいとも思う。奇跡の優勝からわずか1年での残留争い。「世界一の監督」があっさり解任され、レスターサポーターが退屈を感じる暇はない。
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