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[FT]逃亡中の中国人富豪、ツイートで共産党大会かく乱

2017年10月19日 08時17分56秒 | 市場動向チェックメモ
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO22393770Y7A011C1000000/?n_cid=DF150220104320

[FT]逃亡中の中国人富豪、ツイートで共産党大会かく乱
(1/2ページ)2017/10/19 6:30日本経済新聞 電子版

Financial Times

 中国共産党内で起きることは中国共産党内にとどまると考える人がいたとすれば、米ニューヨークに身を隠す決意の固い批判者がその考えが間違っていることを証明した。

 今週開催される5年に1度の共産党大会では、2期目に入る習近平・総書記(国家主席)をにどの最高幹部が仕えるか、ひいては誰が次世代の指導部の候補になるかが明らかになる。通常であれば、堅苦しい儀式と仰々しいスローガンに覆い隠されたプロセスだ。

郭氏はツイッターを通じて王岐山氏を批判してきたが、その狙いは定かではない

 そこへ、ツイッターを駆使する今年の政治ドラマのスター、郭文貴氏が登場する。中国人実業家で米国に逃亡中の郭氏はこの数カ月、50万人のフォロワーに、中国の汚職と容赦ない政治を垣間見る機会を与えてきた。

■王岐山氏の批判、証拠不足や矛盾も

 中国の演出された政治は、国民が参加したり詮索したりするようには設計されていない。だが、郭氏の断固たる攻撃は、中国で2番目に大きな権力を持つ政治家、王岐山氏の評判に疑いを差しはさみ、中国政府が成功したと主張している反腐敗運動の誠意に疑問を投げかけた。

 「人口14億人の国で、私の声だけが際立っている。私が与えた最大のインパクトは、中国人が異なる声を聞けるようにすることだ」と郭氏は言う。

 その声は、反腐敗運動の調査員は人からお金を巻き上げたり、拘束中の女性に性的暴行を加えたりしており、政治家は隠し子をつくり、海外の信託基金や住宅に富を蓄えていると訴えてきた。

 郭氏は、政治とビジネスが入り混じる中国の暗部のインサイダーとして、また、国の治安部隊と組んで仕事をする不動産デベロッパーとして過ごした長年の経験から、そのような知識を得たと話している。

 米フェイスブックや米ユーチューブは時折、郭氏の投稿を遮断することがあるものの、ソーシャルメディアは同氏に検閲されない発言の場を与えてきた。欧米のジャーナリストは、郭氏の主張の一部に見られる矛盾や証拠不足にいら立っている。一方の郭氏は、そうしたジャーナリストにいら立っていると断言している。

 「もしアヒルを見たら、当然、それはアヒルだ! だからと言って、私がアヒルを見たら、アヒルだという証拠を見せろと聞かれるわけじゃない。証拠がなければ、アヒルはいないのか」。ジャーナリストは中国政府よりも自分を疑ってかかるとこぼしながら、郭氏はこう言う。「だからソーシャルメディアが伝統的なメディアを葬り去るのだ」

 郭氏の一番の標的は、習氏のムチとして、同氏に代わって反腐敗運動を指揮した王氏だった。王氏は20年にわたり、中国のヒエラルキーにおいて米ウォール街との主たる接点を務めてきた。今年の党大会をへて、何らかの高い役職に就く可能性がある。

 金融業界の多くの関係者が王氏を支持しているなか、郭氏は矢継ぎ早に批判を繰り出し、王氏と姻戚関係にある複数の人間が、全世界で1460億ドルの資産を支配下に置き、航空事業から金融まで幅広く手がける複合企業、海航集団の株式を間接的に保有することで不当な利益を得てきたと訴え始めた。一連の嫌疑について王氏は公に発言しておらず、本紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は郭氏の主張の多くを裏付けることができなかった。

■絡め取られる米国機関

 証明できるか否かは別として、郭氏のツイートの効果はリアルだった。海航集団の真の所有構造を探るFTなどの調査は、規制当局が審査に乗り出すきっかけになった。

 陰謀論者は郭氏の動機に疑問を投げかける。同氏は、王氏が実行する反腐敗運動から圧力を受けている治安機関のために行動しているのか。それとも実は習氏の手先で、力を持ちすぎたパートナーを退任に追い込むために動いているのか――。

 米国では、郭氏は海外の反体制派と対中タカ派を自分の味方に呼び込んだ。一方、海航集団や、郭氏が攻撃した王氏の元ビジネスパートナーや仲間が起こした裁判は、米国の法廷制度で順次審理されている。

 米ダートマス大学で中国史を教えるパメラ・カイル・クロスリー氏は「危険なのは、重要な米国機関が米国民とは何の関係もない政治的な思惑に巻き込まれてしまうことだ」と指摘する。さらに、中国人の当事者は米国のメディアと裁判所のお墨付きを得ようとするかもしれないが、「危険が及ぶのは、そこへ組み込まれてゆがめられてしまう米国機関だ」と付け加える。

 郭氏は中国の大手証券会社の経営権をめぐって争った後、何年も前に中国を離れ、今年1月に突如、表舞台へ躍り出るまで、静かに隠とん生活を送っていた。今では、ニューヨークの隠れ家でぴんぴんしていることを示すために、ソーシャルメディアへの投稿に自分が運動している動画を織り交ぜる。だが、郭氏の現実は、本人が進んで認める以上に危ういのかもしれない。

 同氏は米国への亡命を申請しており、資金は枯渇しつつある。郭氏の最大の試練は、共産党大会が終わったときに、中国の派閥闘争の休戦を生き残れるかどうか、だ。

By Lucy Hornby in Beijing

(2017年10月18日付 英フィナンシャル・タイムズ紙 https://www.ft.com/)

(c) The Financial Times Limited 2017. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.
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