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欧州の大型加速器 ヒッグス粒子の次に狙う大発見 編集委員 吉川和輝

2016年09月19日 22時16分45秒 | 市場動向チェックメモ
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO07235720U6A910C1000000/?dg=1

欧州の大型加速器 ヒッグス粒子の次に狙う大発見
編集委員 吉川和輝
(1/2ページ)2016/9/19 6:30日本経済新聞 電子版

 スイス・ジュネーブ近郊にある欧州合同原子核研究機関(CERN)の素粒子実験施設「LHC」で注目されていた未知の新粒子は、今年の追加実験の結果、その可能性がほぼ消えた。ただLHC自体は計画を上回るペースで実験データを取得しており、「超対称性粒子」や「暗黒物質」「重力を伝える粒子」といった研究者が当初から想定している新粒子発見への期待が高まる。今後1~2年はLHCが生み出す結果から目が離せない。

■注目の「新粒子」、証拠得られず

 8月上旬に米シカゴで開かれた素粒子物理学の学会「ICHEP2016」に詰めかけた研究者や報道関係者から落胆の声が漏れた。CERNは昨年12月、質量750ギガ(ギガは10億)電子ボルトという極めて重い新粒子が加速器実験によって生まれたことを示唆する実験データを明らかにしていた。だが同学会では「数多く集めた2016年のデータからは(新粒子を示す)データは現れず、統計的な変動であったようだ」と発表。新粒子の存在を事実上否定した。

 素粒子物理学では、12年に万物に質量を与える「ヒッグス粒子」がLHC実験で発見され、現在の標準理論に含まれる17種類の素粒子がすべて確認された。この理論で説明できないとみられるこの新粒子の正体をめぐっては、暫定データの発表以降、理論物理学者らが大量の論文を発表するなど、大きな関心を集めていた。

8月上旬にATLAS実験グループが開いた実験結果の説明会(東京大学)

 だがLHC実験に参加する研究者は冷静だ。実験グループの一つ「ATLAS」の日本共同代表である浅井祥仁東京大学教授は「素粒子実験では、最初これはと思う実験結果がデータがたまると消えてしまうのはよくあることだ」と話す。研究者たちの関心は、もともとLHCでの発見を想定していた「本来の新粒子」の探索に向かっている。

 LHCは昨年5月、加速器の陽子同士の衝突エネルギーをそれまでの2倍近い約13テラ(テラは1兆)電子ボルトに引き上げて約2年ぶりに再稼働。今年は5月から7月中旬までに、昨年1年分の4倍に相当する、衝突回数約1300兆回分のデータを得た。衝突の効率を示す指標である「ルミノシティー」は設計値を20%超える性能が出ている。今年は10月まで予定される運転で衝突回数は「順調にいけば4千兆回近くまでいくかもしれない」(浅井教授)という。

■新たな挑戦 解析結果を12月に発表

 発見を目指す新粒子の第1候補は「超対称性粒子」だ。素粒子の標準理論に含まれる17種類の素粒子に、スピンと呼ばれる値が2分の1ずつずれたパートナーの素粒子がそれぞれ存在するという理論がある。もし超対称性粒子が存在すれば、重力を除く自然界の力を統一的に説明する「大統一理論」につながる。また、超対称性粒子は暗黒物質の候補でもある。

LHCで新粒子の発見を狙うATLAS検出器(CERN提供)

 陽子同士を衝突させるLHCでは、陽子内の素粒子クォークや、クォークを結びつけるグルーオンという素粒子が反応して、それぞれの超対称性粒子ができることを想定。これらがさらに別の超対称性粒子や標準理論の粒子に崩壊するパターンを手掛かりに、粒子生成のシグナルを探している。

 超対称性粒子とならんで発見を狙っているのは「余剰次元」が実在することを示す新しい現象だ。余剰次元があって空間が4次元になっているとすると、重力を伝える素粒子である「グラビトン」(重力子)が生じる場合がある。また、衝突実験によって微小なブラックホールが生じた後、それがすぐに壊れてたくさんの粒子が生成することがある。余剰次元があると、重力が他の力と比べて非常に小さいことが説明できる。余剰次元の代表的な理論として「大きな余剰次元モデル」「ランドール・サンドラム模型」などが提唱されている。

 一方、12年に発見されたヒッグス粒子をさらに詳しく調べる実験も進む。今回の実験では質量125ギガ電子ボルトのヒッグス粒子をより高い確からしさで観測することに今年成功した。さらに標準理論を超える理論では、ヒッグス粒子が1種類ではなく、複数あると考えている。実験では数100ギガ~1000ギガ電子ボルトの範囲で2番目のヒッグス粒子を探したが、手掛かりとなるデータは得られなかった。

 超対称性粒子や重力子についての発見のシグナルについて、浅井教授は「気になるデータが出ているが、まだ統計的にはっきりしたことが言える段階ではない」という。また、新しいヒッグス粒子の探索については「今後のデータ量の増加で発見は十分期待できる」と話す。

 CERNは年内のデータの解析結果を12月に発表する予定だ。ヒッグス粒子の発見で沸いたLHCで今度は何が姿を現すか、結果が待たれる。
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