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サウジ副皇太子が会いたかった意外な人物  編集委員 松尾博文

2016年09月19日 19時32分42秒 | 市場動向チェックメモ
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO07293520V10C16A9000000/?dg=1

サウジ副皇太子が会いたかった意外な人物  編集委員 松尾博文
(1/2ページ)2016/9/19 3:30日本経済新聞 電子版

 サウジアラビアの実力者、ムハンマド・ビン・サルマン副皇太子が日本を訪れた。副皇太子が主導する経済・社会改革への日本への協力を求めるためだ。分刻みの滞在をたどっていくと、これまでの日本・サウジ関係には登場しない意外な人物が現れる。

 「改革を語る姿は自信にあふれていた」。ムハンマド副皇太子に会った経済人が語る。副皇太子は日本に着いた8月31日に31歳の誕生日を迎えたばかりだ。しかし、父であるサルマン国王の下で、外交・安全保障から経済、石油に至る広範な権限を一手に握る。

会談を前にサウジアラビアのムハンマド副皇太子と握手する安倍晋三首相(1日午後、首相官邸)

 若き実力者が世界最大の原油輸出国をどこに導こうとしているのか。世界が注視するなかでの来日は米欧への訪問に続くもの。外相や情報相のほか、財務相やエネルギー産業鉱物資源相、経済企画相ら、ほとんどの経済閣僚を引き連れ、総勢500人が航空機13機でやってきた。

 副皇太子が4月に発表した経済改革構想「ビジョン2030」は、石油頼みの構造からの転換を掲げる。国営石油会社サウジアラムコの株式を上場し、得た資金を産業の育成や雇用の創出に振り向ける。そのためには海外からの投資や技術の導入が不可欠だ。異例の大訪問団は、その一翼を日本に担ってもらいたいとの強い期待の表れだ。

 副皇太子は9月3日までの滞在中、安倍晋三首相や稲田朋美防衛相らとの会談のほか、経済界の関係者と精力的に会った。

 サウジ要人と経済人の面会は従来、石油や商社、重電・プラントなどの企業の指定席だった。今回も住友化学の米倉弘昌相談役やJXホールディングスの木村康会長、経済産業省系の一般財団法人、中東協力センターの会長を務める日立製作所の中西宏明会長ら、おなじみの顔ぶれが会っている。

松尾博文(まつお・ひろふみ)89年日本経済新聞社入社。エネルギーや商社、機械・プラントなどの業界や経済産業省、外務省などを取材。イラン、エジプト、アラブ首長国連邦(UAE)の3カ国に駐在した。現在は編集委員兼論説委員。エネルギー問題、インフラ輸出、中東・アフリカ情勢などを担当。

 だが今回、サウジの変化を際立たせたのは、“サウジ銘柄”以外の関係者との会談だ。副皇太子はみずほフィナンシャルグループの佐藤康博社長など、3メガ銀のトップや、東京証券取引所の関係者にも会い、日本の投資家や株式市場への期待をにじませた。

 それだけではない。意外な人物が副皇太子に会っている。

■臆測を呼ぶソフトバンク・孫社長との会談

 ソフトバンクグループの孫正義社長だ。サウジ国営通信は、ラフなジャケット姿の孫社長が9月3日に、滞在先となった迎賓館で副皇太子と談笑する写真を配信した。同通信は「ビジョン2030への協力とサウジへの投資を話し合った」と伝える。

 これに先立つ1日夜、都内ホテルに孫社長の姿があった。待っていたのは副皇太子の側近で、サウジの石油政策を取り仕切るファリハ・エネルギー相や政府系ファンド、公共投資ファンド(PIF)の幹部らだ。サウジ側の関係者によると、孫社長は約30分、持ち込んだ資料を使ってプレゼンテーションを実施したという。

 中身は明らかではない。「太陽光発電だ」「いや、ロボットだ」。様々な臆測が飛ぶ。だが、副皇太子は6月に訪米した際、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)や、アップルのティム・クックCEOらに会った。デジタル分野への関心は強い。

 セガサミーホールディングスの首脳らはサウジ娯楽庁の高官らと会い、「エンターテインメント分野の協力について意見を交換した」(広報担当者)。セガサミーは当初、サウジ側の要望で副皇太子との面談が予定されていたが、変更になった。

 娯楽庁という不思議な名称の政府組織はビジョン2030の発表に伴って設置された。ビジョンでは30年までに家計支出に占める文化・娯楽活動への支出を2.9%から6%に高める目標を掲げる。

来日したサルマン副皇太子が滞在先の迎賓館で会談したのはソフトバンクグループの孫正義社長だった

 娯楽庁のアハマド・ハティーブ長官は都内でのセミナーで「サウジ国民が海外で使っている娯楽関係の支出を国内に落としてもらう。そのためにはテーマパークや美術館、博物館を整備する」と語った。

 セガサミーは傘下のグループ会社が屋内型テーマパーク事業を展開する。中東の夏は暑い。屋外のアミューズメント施設には課題も多い。同社はサウジの隣国、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで屋内型施設を運営している。サウジはこうした施設の進出に期待している可能性が高い。

 日本とサウジ両国が副皇太子との面談を調整しながら、最終的に実現しなかった企業がもう1つある。

■「ワンピース」の根強いファンだった

 東映アニメーションは「ワンピース」や「ドラゴンボール」などの人気アニメをつくっている。副皇太子は日本のアニメ好きとして知られ、中でもワンピースの根強いファンだという。東映アニメーションによれば、副皇太子の滞在中、同社の役員が副皇太子の側近や投資部門の高官に会い、「様々な事業の提案を受けた」(経営戦略部)。

 サウジは世界最大の原油輸出国であると同時に、国内にイスラム教の聖地メッカを抱える。イスラム教の規範を重視する宗教勢力や保守層の存在は大きい。ビジョン2030が打ち出す娯楽産業の育成や労働力としての女性の活用は抵抗を受ける可能性がある。そもそも、潤沢な石油収入を元手に、福祉や教育を国が丸抱えしてきた構造の転換は容易ではない。

 1991年の湾岸戦争後、サウジ人がホテルの受付で働き始めたことがニュースになった。それまではこうした職務は外国人の仕事と受け止められていた。03年のイラク戦争後、首都リヤドでもサウジ人のタクシー運転手を見かけるようになった。女性用の下着や化粧品の販売員が女性で当然となるのは10年代に入ってからだ。

 隣国イエメン内戦への軍事介入や、イランとの断交など、副皇太子が主導する外交・安全保障政策には危うさが漂う。しかし、サウジがかつての石油漬けの国家に戻ることはない。ムハンマド改革が目指すのはいわば、「普通の国」になることだ。

 大胆な改革に踏み出せるのは、副皇太子の若さと集中する権限のためだ。しかし、改革はまだ、「絵」にすぎない。実現を危ぶむ見方も少なくない。サウジの行方は世界経済の安定や、日本の石油の安定調達を左右する。日本もサウジとの関係を今までの発想に縛られない、新たな段階に広げる必要がある。
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