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定年まであと10年 教育費「かけ過ぎ貧乏」にご用心 家計再生コンサルタント 横山光昭

2017年04月05日 21時53分19秒 | 市場動向チェックメモ
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定年まであと10年 教育費「かけ過ぎ貧乏」にご用心
家計再生コンサルタント 横山光昭
2017/4/5

PIXTA
 「今からでも老後資金をつくれるでしょうか」と相談に来たのはパート主婦のUさん(49)。会社員の夫(50)は、あと10年で定年を迎えます。末のお子さんが独立して少し貯蓄ができるようになったため、効果的に上手にためていくにはどうしたらいいのかという相談です。

■子どもや孫にも残したい

 Uさんには、すでに家庭を持っている長男(27)、2年前に独立した長女(24)、今年独立する次男(23)の3人の子どもがいます。

 「自分たちの老後だけでなく、長女や次男の結婚資金や将来、孫にかかるお金も一部出せるぐらいお金をためたいです」というUさんご夫婦。現在の貯蓄額は150万円です。今まで子ども3人を大学に通わせ、末っ子は浪人したので予備校にも通わせました。

 子どもの教育費にお金がかかるばかりで、思うように貯蓄ができていません。年間130万円ほどボーナスが出るので、大半をためていたそうですが、子どもの奨学金の一括返済に充ててしまい、あっという間に貯蓄を減らしました。「親の都合で申し込ませた奨学金なのだから」と、返還はUさんご夫婦でしていたそうです。

 そんなUさんご夫婦の貯蓄を順調に増やしていくにはどうしらいいのでしょうか。方法を検討しようと、これまでつけていた数年分の家計簿を見せていただきました。

 確かにお子さんが大学に通っている間は収支ギリギリの家計でした。お子さん2人が同時に大学に通う時期もあり、その時期はやりくりがきつく、教育ローンを利用していたこともわかりました。

 全体的な収入は以前も変わりなく、夫婦共働きで手取り収入は合計42万円。夫の収入が上がらないときは奥さんが仕事を増やして収入を上げるなどして、バランスをとっていたそうです。

 子どもが全員独立したため、いまでは毎月5~6万円の余剰ができるようになりました。我慢して切り詰める生活をしてきたので、今後は自分たちも生活を楽しみたいという気持ちがあり、その費用にはボーナスを充てたいそうです。だから、まずは月々の収支をしっかりと管理し、老後資金づくりに励みたいということでした。

■小さな節約をコツコツ

 現状の家計を見ると、今までやりくりを頑張ってきただけあり、食費が高めではあるものの、他はよく節約されています。食費を削減し、水道光熱費、通信費を少し削ることを目指し、生活の仕方を工夫することにしました。



 食費は子どもが独立し2人になったので、つい面倒くさくなり、外食や総菜などをよく利用するようになっていたそうです。ご夫婦共それを自覚していましたので、もう少し自炊の比率を高めるようにしました。

 ネットで生活用品を買う機会も多いそうですが、送料を無料にしたいため、つい買いすぎてしまうそう。宅配してもらったほうが便利な重たいものの買い物は、月1度にまとめるなどしました。

 水道光熱費は水道の使い方を見直しました。流しっぱなしにしないという最低限の取り組みはもちろん、入浴よりもシャワー浴が多いそうなので節水シャワーヘッドを導入し、水道代とガス代を削りました。通信費は格安スマートフォンに切り替えました。固定電話やインターネット回線の料金も含め、支出が半減しました。

 この3つの費目で3万5000円の削減です。収入や生活のペースは今後も変わらないと仮定したところ、毎月の収入から8万円、ボーナスから年間70万円貯蓄できることになりました。つまり、60歳までに1600万円以上の蓄えができます。

 ただ、夫の退職金の見込み額は1000万円前後。定年時に住宅ローンは完済の予定なので生活費は下がる見込みですが、定年後に再就職したとしても医療費や住宅の改修費なども考えるとギリギリです。

 そこで、お子さんが遊びに来たときにご夫婦の老後のお金の話などを話題にしたそうです。すると子どもたちは、「友人は奨学金を自分で返しているし、それが当たり前だと思う。自分たちはすべて親が返してくれたのだから、せめて教育ローンの返済は援助させてほしい」と、3人がそれぞれ毎月1万円返済を負担してくれることになりました。

 そのため、Uさんご夫婦の毎月の支出はさらに3万円減り、毎月11万円の余剰が出るようになりました。ボーナスも合わせて順調にためれば60歳までに2000万円を超える貯蓄ができる見込みです。今後は資産運用の勉強をして預貯金と並行し、来年に始まる「積み立てNISA(少額投資非課税制度)」にも取り組んでみたいと考えているようです。

■教育費と老後資金準備が重なる

 特に浪費をしているわけではなく堅実を心掛けている家庭でも、教育費の支出負担は大きく、定年が見えてきてから焦ってしまう姿をよく見かけます。Uさんご夫婦はお子さんが巣立ってから10年の猶予がありますが、晩婚化・晩産化の影響で教育費がかかる時期に老後資金をためなくてはいけないケースも少なくなく、現代の家計の大きな問題になっています。

 Uさんのように子どもの教育費は全部親が負担するのが当然と考えている方もいますし、教育費負担が一番重たい時期と、自分の収入が最も高くなる時期が重なることによって、ついつい過大な教育費をかけてしまう人もいます。

 寿命が延びているいま、老後生活も長くなり、老後資金の必要額が増えています。そこに親や自分たちの介護が加わると、さらに家計は逼迫します。将来を見据え、時には子どもも巻き込みながら、リタイア後の自分たちの生活資金をきちんとつくってほしいと思います。それが老後、子どもや周囲に迷惑をかけないことになるのです。

「もうかる家計のつくり方」は隔週水曜更新です。次回は2017年4月19日付の予定です。

横山光昭
 マイエフピー代表取締役、家計再生コンサルタント、ファイナンシャルプランナー。お金の使い方そのものを改善する独自のプログラムで、これまで1万人以上の赤字家計を再生。書籍・雑誌の執筆や講演も多く手掛け、「はじめての人のための3000円投資生活」(アスコム)は40万部を超え、著書累計は205万部。
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