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中国人部下のやる気を出す組織とは 水野コンサルタンシーホールディングス社長 水野真澄

2016年09月15日 23時32分24秒 | 市場動向チェックメモ
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO07231740U6A910C1000000/?n_cid=DSTPCS019

中国人部下のやる気を出す組織とは
水野コンサルタンシーホールディングス社長 水野真澄
(1/2ページ)2016/9/15 6:30日本経済新聞 電子版
中国 香港

 起業独立して8年が経過した。自分の会社をつくって一番良かったのは、部下を子会社の社長にできることだ。現在私の会社は6カ所・8拠点、ほとんどの組織で部下が一部を出資し、総経理(社長)となっている。この仕組みがなければ、今ほど円滑に組織を運営できなかった。今回は、中国人部下や幹部のやる気を引き出すために、私が心がけていることをお伝えする。

■地位が人を変える

 私が総合商社の中でコンサルティングを開始したのは15年前のこと。香港現地法人の新規事業として立ち上げた後に、香港・上海に会社を新設してもらい、そこの社長を務めた。ただ、社長といっても大企業の一組織であるため、与えられた権限には限りがある。特に困ったのは人事政策で、本社社員以外を董事(取締役)や総経理のポストに付けることは認められなかったため、現地採用社員のポストは限られてしまう。これが部下のモチベーションに影響した。

フィンテック関連企業の北京オフィスで働く人々(写真は本文と関係ありません)=ロイター

 その後、5人の部下と一緒に起業独立した。そのとき、最初に考えたのは、「彼らに長く会社に留まってもらうためにはどうしたらよいか」だ。結論として、「自分の会社」という意識を持ってもらうことだと考えて、彼らを子会社の総経理とし、まずは10%の出資を認めた。一人ひとりに城を持たせるような形である。

 それが思った以上の効果を生んだ。副総経理から総経理になったことで、彼らの立ち位置が大きく変わったのだ。副総経理のころは、他の従業員と一緒に、董事・総経理である私に対峙する場面もあったが、総経理になった途端、完全に私の側に立つようになった。彼らが社員の意見を調整し、生じた問題を極力解決し、最終決裁だけ私に仰ぐ。

 各地の総経理が各拠点の社員をまとめてくれるため、労務対応に割く私の労力が大きく軽減した。結果、短期間で8拠点を構築し、それらを管理運営することが可能になった。ポジションがこれほど人を変えるというのは、私にとってうれしい発見であった。

 中国人の部下は使いにくいという日本人は多いが、私はそうは思わない。中国で働いた年数も、一緒に働いた部下の数も多いため、私自身が中国の企業風土に慣れた面もあるのは確かだが、「使いにくい」という考えには違和感がある。

■信賞必罰の組織づくり

 中国人の社員と働き始めたころは、それまで日本人と働いていたときと比べて勝手が違い、戸惑うこともあったし、自分自身の意識の切り替えが必要だった。

 まず、能力の面でもやる気の面でも、中国人の場合は差が大きい。舌を巻くほど優秀な人間、驚くほど仕事に前向きな人間もいれば、あきれるほど働かない人間もいる。ある程度均質に働き、クオリティーのブレが少ない日本人とは違うところだ。この点は、採用時、契約更新時には人材の見極めが必要だ。

 優秀なはずの人間が徐々にやる気をなくし、数年後には全く働かなくなることもある。理由は千差万別としても、信賞必罰が徹底されていない(努力が報われない)という理由が多いのではないか。

 中国人の性格という面もあるし、日系企業は中国では外資企業であり人材の流動性が高いという面もあるだろうが、私が一緒に働いてきた中国人の部下の多くは、報酬や地位に対する要求がはっきりしている。そのため、信賞必罰を徹底した方がやる気を出すし、その逆もまた真なりだ。

 私が現地の幹部社員を子会社の総経理にしたのはそのためで、頑張ればその組織のトップになれることを、まず示したかったからである。また、あえて個別の会社とした。中国に複数拠点を持っているため「一つの現地法人とその支店」という構成で組織を集約することも可能だったが、各拠点の損益採算を明確にし、それを各地の総経理に配当という形で明確に反映させるのが目的だ。

 総経理が頑張り、その組織が利益を出せば、配当額が増えるし、それを原資として彼らの出資比率を引き上げることも認めている。逆に、損を出せば、部下も追加出資か自分の出資比率の引き下げを選択しなくてはならない。シビアではあるが、メリハリのある管理ができていると思う。

 一方、私が何らかの経費(交際費や旅費など)を子会社に負担させる場合、間接的に彼らの配当を削ることになるので、部下に頭を下げて負担をお願いしている。これも、公私を分けるための良い距離感の保ち方だと割り切っている。

■報酬に納得するとよく働く

 中国人の部下は、報酬面の要求をはっきり口に出すことが多い。毎年の人事評価、昇給額の決定のとき「自分はこれだけの給与が欲しい、それに見合った実力がある」と、はっきりと主張する。いつもの聞き分けの良い態度とは違うので、最初は戸惑った。ただ、カンカンガクガクの議論の末に条件が妥結すると、1年間は本当によく働く。日本人の部下と比べて、上司に絶対服従という場合が多い。

 反対に、日本人の部下は、たとえこちらから聞いても、なにも要求を言わずに黙々と働いてくれる。それで安心していると、「何も分かってくれない」と言い残して辞めてしまうことがあった。どちらが良いという問題ではなかろう。

 いずれにしても、自分一人で仕事はできない。社員あっての会社である。経営者の考えをしっかり社員に伝えるのは当然だが、経営者も社員の気持ち、価値観、考え方をしっかりと理解した上で、やる気にさせるような仕組みをつくっていく必要がある。


水野真澄(みずの・ますみ)大手商社の丸紅に20年あまり勤務し、同社財務部や経理部、香港・中国本土の現地法人、コンサルティング子会社の代表取締役社長などを歴任。2008年に水野コンサルタンシーホールディングス設立。日本企業の中国・東南アジアビジネスにコンサルティングやソリューション業務を提供している。広州市投資促進センターのシンクタンクメンバーで、香港貿易発展局のアドバイザー。
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