kzunoguchi

趣味の範囲で…園芸・沖釣り・漢方・医食同源の投稿をします…業務はCX・225指数・FX Pro. …

総務省vs通信大手、「0円」で第2ラウンド ジャーナリスト 石川 温

2016年10月17日 09時10分15秒 | 市場動向チェックメモ
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO08355560U6A011C1000000/?dg=1

総務省vs通信大手、「0円」で第2ラウンド
ジャーナリスト 石川 温
(1/3ページ)2016/10/17 6:30日本経済新聞 電子版

 総務省でスマートフォン(スマホ)の「実質0円」販売やSIMロック解除を見直す有識者会議「モバイルサービスの提供条件・端末に関するフォローアップ会合」が始まった。安倍晋三首相の鶴の一声で始まった昨年の「携帯電話料金値下げタスクフォース」で、年末に各携帯電話会社(キャリア)に販売方法の是正を求めたものの、相変わらず一部で「0円」販売が横行。改めて、キャリアの動向を検証する場をもうけて実効性を高めたい考えのようだ。

総務省の度重なる指導にもかかわらず、店頭では「0円販売」が復活している

 10月13日の第1回会合で印象的だったのは、新たに公正取引委員会が議論の場に参加していた点だ。同席した公取委事務総局の木尾修文経済取引局総務課経済調査室長は「端末と通信は別の商品である。(実質0円販売などで)その端末が著しく販売価格が下回るなら不当廉売が成立する可能性がある」と、現在のスマホ販売体制について問題を厳しく指摘した。総務省としては、昨年のタスクフォースを経てガイドラインとして各キャリアに販売の是正を要請したものの、状況が一向に改善しないことから公取委を担ぎ出して「不当廉売」という言葉をちらつかせて脅しにかかった格好だ。

■ガイドラインによる指導の限界

 総務省が各キャリアに直接ガイドラインを渡して指導したにもかかわらず、いまだに「実質0円」や数万円の高額キャッシュバックが横行しているのはなぜだろう。実は現行のガイドラインでは、「端末販売を条件としないもの」であれば販売代理店が補助を出して奨励金を積むことは可能となっているからだ。

 例えば「週末限定」や「ヘビーユーザー向けの大容量プランへの加入」といった特定の条件付きであれば、販売代理店が奨励金を支払って割り引くことができる。この抜け道を利用し、ガイドラインの規制対象外である販売代理店が独自にやっていることと称して、iPhone6sのような一世代前の機種で実質負担が0円以下になるケースが横行していた。

13日に総務省で開催された第1回のモバイルサービスの提供条件・端末に関するフォローアップ会合

 改善するように総務省がキャリアに対して指導しても「販売代理店がやっていることですから」と言い逃れできたわけだ。こうした状況に対して、有識者会議の構成員である野村総合研究所の北俊一プリンシパルは「値引き販売は販売代理店による代理戦争に移行している」と警鐘を鳴らす。

 また現在は、携帯電話と固定インターネットのセット販売を提供する際に、キャリアからの割引は規制されている。その一方で、ケーブルテレビなど固定事業を営む会社からの割引については許されている。これを利用して、主にKDDIがケーブルテレビ会社と組んで、こうした割引を提供している状況もあるようだ。

 ただし、こうした「抜け道」を利用する割引については、キャリアごとに温度差がある。NTTドコモは、他社が販売代理店を利用して実質0円以下の販売していることを指摘し「抜け道をふさぐべきだ」としている。一方、ケーブルテレビ会社を使った割引については、ソフトバンクが「規制すべきだ」と指摘してきた。

会合で挨拶する高市早苗総務大臣

 なお、有識者会議に先駆けた10月7日には、各キャリアが既存ユーザー向けに配布した端末割引クーポンに対して、総務相から行政指導が入っている。今回は、NTTドコモが自社のクレジットカードの一部契約者(新規契約や年間の利用決済額の多いゴールド保有者)に対して配布した端末割引クーポンも指導の対象となっていた。NTTドコモ側は有識者会議で「ガイドラインの趣旨に反するものではない」と主張し不満を漏らしていたが、結局は「総務省による指導を真摯に受け止め適切に対応する」とした。

 抜け道こそあったもの、ガイドラインで総務省が「端末購入を条件とした割引」という言葉を使ったことで、ありとあらゆる端末割引が規制の対象となってしまった。このことで、各キャリアがユーザーのためによかれと思って実施してきたサービスについても、やり玉に挙げられることになった。総務省だけではとても気づかないような隠れた端末割引に関しても、別のキャリアから総務省に密告されて廃止に追い込まれるといった事態も発生している。各キャリアが規制を何とかかいくぐってユーザーを集めようと知恵を絞る一方で、他社の割引には目を光らせて総務省に告げ口して足の引っ張り合いをするという、ユーザー不在の醜い競争に現場ではなってしまっているのだ。

■進まぬSIMロック解除に苛立ち

 今回の有識者会議でもう一つ議論になりそうなのが「SIMロック解除」だ。

 総務省の調べでは、2016年度第1四半期(4~6月)にSIMロック解除を利用した実績はわずか5万8001件だという。3カ月間で3万件前後で推移していたそれまでと比べると、ここに来て大きく増加はしているものの、それでも平均して月に2万件程度にすぎない。SIMロック解除を後押ししてきた総務省としては、あまり利用が進まないこうした状況を何とか打開したい考えのようだ。

 改正ガイドラインが適用され、2015年5月以降にキャリアから新たに発売された端末はSIMロック解除が義務づけられた。ただし、端末購入や前回の解除から180日を経過しないとSIMロックを解除できないなど、実際に利用するにはいろいろと制約がある。またキャリアと同じネットワークを使う仮想移動体通信事業者(MVNO)であっても、KDDIやソフトバンクで販売している端末はSIMロックを解除しないと利用できなかったりする。

 180日間という制限期間をもうけているのは「購入直後、割賦を支払わず持ち逃げする人がいるため」(NTTドコモ)で、同じネットワークのMVNOでもSIMロック解除が必要なのは「他事業者という扱いのため」(KDDI)だという。

店頭で横行する「0円販売」は姿を消すのだろうか

 だが実際のところ、各キャリアが定めている「180日」という日数についての根拠は今ひとつ不明瞭だ。各キャリアは「割賦払いの途中で逃げてもらっては困るから」と言い訳を口にするが、端末代金を一括で購入したり、割賦払いでも残債をすべて精算したりした端末ならばSIMロック解除に応じてもいいはずだ。

 キャリアとしては、やはりSIMロックでユーザーを囲い込みたいというのが本音だろう。だが、米国でも端末はSIMフリーで販売し、料金プランのほうでユーザーを2年間縛るというやり方が広まりつつあり、考え方を変える時期が来ている。今回の会合でも、ソフトバンクがSIMロックを解除できない制限期間を180日よりも短くする方針を明らかにするなど、動きが見られる。細かな条件などはこれから詰めるようだが、これにより他社も追随する可能性も出てきた。

 これまでにSIMロック解除を利用したユーザーは「海外出張時などに現地のSIMカードを使うためというユーザーが多い」(NTTドコモ)というように、必ずしも日本国内で他社に乗り換えるために利用しているわけではないようだ。だが、総務省としてはSIMロック解除の動きを活性化することで、キャリア間だけでなく、格安スマホとのユーザー獲得合戦につなげたいところだ。それだけに、この部分に関しては、大きなメスを入れてくる可能性がありそうだ。

■譲らない総務省

 従来の総務省ならば、いったんキャリアに要請を出したら「自分たちの仕事は終わり」と、そのまま放置するスタンスが多かったように思う。だが、今回ばかりは、実質0円販売の根絶、SIMロック解除の活性化など、ガイドラインの目的を確実に実現するまで、キャリアと戦う姿勢を明確にしている。

 これまでになかった総務省のファイティングポーズに対し、キャリア関係者は「最近は役所の風当たりが強くてつらい」と愚痴をこぼす。携帯電話料金値下げタスクフォースの第2ラウンドといえる今回の会合を舞台に、SIMロック解除と実質0円販売を巡る総務省とキャリアとの戦争はしばらく続いていきそうだ。

石川温(いしかわ・つつむ)
 月刊誌「日経TRENDY」編集記者を経て、2003年にジャーナリストとして独立。携帯電話を中心に国内外のモバイル業界を取材し、一般誌や専門誌、女性誌などで幅広く執筆。ラジオNIKKEIで毎週木曜22時からの番組「スマホNo.1メディア」に出演(radiko、ポッドキャストでも配信)。NHKのEテレで趣味どきっ!「はじめてのスマホ バッチリ使いこなそう」に講師として出演。ニコニコチャンネルにてメルマガ(http://ch.nicovideo.jp/226)も配信。ツイッターアカウントはhttp://twitter.com/iskw226
ジャンル:
ウェブログ
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 役者が違う 大谷、日本最速... | トップ | 新潟知事選、政府・与党に痛... »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
ブログ作成者から承認されるまでトラックバックは反映されません。