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農業に外国人労働者、人材・経営体の選別カギ  編集委員 吉田忠則

2016年10月11日 00時57分45秒 | 市場動向チェックメモ
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO08084010W6A001C1000000/?n_cid=DSTPCS001

農業に外国人労働者、人材・経営体の選別カギ  編集委員 吉田忠則
(1/2ページ)2016/10/10 3:30日本経済新聞 電子版

 農業分野への外国人労働者の受け入れ解禁に向け、政府の議論が始まった。農業は人手不足に悩まされ続けており、担い手の確保は積年の課題。議論のスタートは農業界にとって朗報に聞こえるが、立ち止まって考えるべき点が2つある。1つはどんな人材を日本に招くか。もう1つはどんな農業経営に受け入れを認めるかだ。

 議論の場となるのは、政府の国家戦略特区諮問会議。キックオフとなった4日の会合で、安倍晋三首相は「来年の通常国会への法案提出を視野に、実現に向けた議論を加速していく」と述べた。何らかの形で、農業分野への外国人の受け入れに道を開くことはほぼ確実になったと言っていい。

■「必要なのは熟練農業者」

現行の技能実習制度の活用では受け入れに限界がある。写真は長野県川上村で白菜を収穫する中国人実習生

 ここで「受け入れ解禁」と書くと、違和感を持つ人もいるだろう。日本中の農場で、すでに大勢の外国人が働いているからだ。だが現在、彼らを受け入れている技能実習という制度は、日本で様々な技術を学んでもらうのが目的で、3年の期限がくれば帰国する必要がある。

 これが現行制度の限界。「母国に戻って技術を生かす」のが建前だからだ。だが農業現場からは「わずか3年では、基本的な技術を身につけてもらうのが精いっぱい」という声が漏れる。本当はもっと長くいて、農場運営の中核となる人材に育ってほしいと思う経営者も少なくない。

吉田忠則(よしだ・ただのり) 89年日本経済新聞社入社。流通、農政、保険、政治、中国などの取材を経て07年から経済部編集委員。主なテーマは中国経済と日本の農業。

 現場の人手不足はますます深刻だ。関西を拠点に野菜の生産や集荷を手がける農業法人のトップは「最近、人が集まりにくくなった」と話す。この法人は独立して就農を目指す若者や、営業や企画部門で働く新卒の学生など採用の幅を広げてきた。その両方で、人を採りにくくなったという。

 中途採用が中心だった農業界で、新卒を採用するようになったことは画期的な一歩だった。だが産業界全体で激しさを増す人材獲得競争のなかで、農業はなお劣勢。この社長は「外国人の採用をそろそろ考えないといけない」と話す。

 では農業の先進経営にとってどんな人材が必要なのか。北陸地方でコメの生産と加工を手がける法人の社長は「必要なのは熟練農業者」と強調する。農業の求人というと、「低賃金の単純な作業」を思い浮かべるかもしれない。だがいま求められているのは、栽培ができ、しかも現場の管理もできる人材。トップはマネジメントで忙しく、田畑に出る時間がないためだ。

■農協通さず直接雇用求める声も

 この点に関し、新たな制度は日本人と同等以上の報酬を義務付けることを視野に入れている。専門的な技術を持つ人材を雇うには当然の措置だろう。だが、関東を中心に野菜の生産と加工を手がける法人の経営者は注文をつける。「農協などを受け皿にすることを義務付けず、直接雇用することも認めてほしい」

国の国家戦略特区諮問会議が受け入れ議論の場となる。写真は4日、国家戦略特区諮問会議であいさつする安倍首相

 技能実習制度は、実習生の送り出し機関と受け入れる企業との間に、農協などの監理団体が入ることが事実上、義務付けられている。そんな現行制度のもとでも、この法人はトップが海外を訪ね、候補生と面接するなど、優秀な人材の確保に努めてきた。そこで懸念しているのが、新制度でも間に監理団体が入ることでコストが発生し、十分な給与を払えなくなることだ。「日本の農業は国際競争に勝てない」と訴える。

 問題の根っこに、農業界で広がる経営レベルの格差がある。農業に限らず、技能実習制度は賃金未払いなどのトラブルが起きているが、外国人をとくに差別的に扱ったわけではない例も少なくない。自分の家族や従業員がやっているのと同じ長時間労働を、残業かどうかをあいまいなまま実習生に求めるようなケースだ。

 これに対し、台頭する農業法人のなかには賃金体系や昇進のルールを明確にし、有能な人材の確保に努めているところも多い。しかもそうした法人は、経営ノウハウや雇用体系、さらに海外とのネットワークなどの各面で、多くの農協にはないノウハウを持つ。そこで彼らは疑問の声を上げる。「なぜ、仲介する団体が必要なのか」

 特区による規制緩和で、いきなり抜本的な制度変更は難しいかもしれない。だが日本の農業構造は企業的な経営と、昔ながらの家業的なものに二極化が進みつつある。新制度はどちらを後押しするのか。目的を農業の活性化に絞り、受け入れる人材と受け皿となる経営をともに審査し選別するなど、きめ細かい制度設計が必要だろう。
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