経済中心に書いてます!

趣味の範囲で…園芸・沖釣り・漢方・医食同源の投稿をします…業務はCX・225指数・FX Pro. …

3D映像も駆使 三菱重工、造船業改革の現場

2017年03月13日 09時19分40秒 | 市場動向チェックメモ
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO13857660Z00C17A3000000/?n_cid=DSTPCS003

3D映像も駆使 三菱重工、造船業改革の現場
2017/3/13 6:30日本経済新聞 電子版

 三菱重工業が下関造船所(山口県下関市)で生産改革に力を注いでいる。3次元(3D)CAD(コンピューターによる設計)を導入し、設計を効率化。カーフェリーや海洋研究船など特殊な船の建造を担当する同造船所は多品種少量生産型。長崎造船所(長崎市)での客船建造で巨額の損失を生んだ教訓を胸に、祖業復活ののろしを上げている。

■下関造船所、ドック狭く大型船は受注できず

1月にはカーフェリーの命名式・進水式が行われた

 1月中旬、下関造船所で新日本海フェリー(大阪市)向けのカーフェリーの命名式・進水式が執り行われた。式典には新日本海フェリーの入谷泰生社長や三菱重工の大倉浩治船舶・海洋事業部長らが出席。船体に書かれた船名を覆う幕が取り払われ、船を最後までつなぐ支綱をバイオリニストの千住真理子さんが切断した。船が海に向かって滑り出すと、地元の幼稚園児ら見学者から歓声が上がった。

 三菱重工はかつて横浜、広島などでも船を造っていたが、現在は長崎と下関、防衛省向けの潜水艦建造に特化した神戸に集約している。

 下関は1914年に操業を開始した。1970年代に大幅拡張し、1千メートル級のドックを持つ長崎より狭く、液化天然ガス(LNG)運搬船など大型化が進む船を受注できないため、フェリーなど比較的小さい船やケーブル敷設船など特殊な船を受注することが多い。

 乗組員の居住区しか必要ないLNG運搬船やばら積み船、コンテナ船と比べて、多数の乗客を乗せるフェリーは宿泊施設や食堂、娯楽施設など乗客用の施設が多く、内装の設計や工事が複雑になる。例えばドアを開けたら配管に当たって、ドアが半分しか開かないといった設計ミスも起こりうる。

 こうしたミスが起こると設計をし直して、手戻りの工事が発生しコストに跳ね返ってくる。基本設計が定まらないまま建造し始めた揚げ句、手戻り工事が大量に発生して2500億円を超える巨額損失を出したのが、長崎造船所での大型客船だ。

 とりわけ、下関は「一品もの」の建造が多い。連続建造できれば、2隻目、3隻目と作業が習熟し、建造コストが逓減できるが、一品ものはそうもいかない。「最初の段階でいかに質の高い設計ができるかが、より重要になる」。船舶・海洋事業部下関技術部の植村洋毅次長はこう話す。

■VRも駆使し、顧客にデジタルモックアップ提示

 そこで導入したのが3DCADだ。設計だけでなく、顧客に確認してもらうツールとして10年ほど前に導入した。

三菱重工の下関造船所では狭さを克服し、高効率生産に磨きをかける

 例えば、国土交通省から受注した海洋研究船では、観測室や甲板、操舵(そうだ)室、研究室を3DCADで設計。こうして作った3D映像「デジタルモックアップ」を顧客に見せて、事前に問題点を潰していった。基幹部分の設計期間は1カ月程度と従来より1カ月半も短くなった。

 従来は操舵室などの実物大の模型(モックアップ)を木で作り、顧客に確認してもらっていたが手間がかかる。現在は大画面で実物大に近い大きさで顧客に見せる場合もあれば、パソコン上で人を動かして、ドアの開き方などを確認したりもできる。

 さらに必要に応じて、ヘッドマウントディスプレーを装着して仮想現実(VR)で船内を歩き回る体験もできるようにした。当初は3DCADの使い勝手が悪く、あまり使っていなかったというが、「今では100%使われている。なくてはならないツールになった」(植村次長)。

 デジタルモックアップは設計だけでなく、「工事のムダをなくすのにも役に立つ」(植村次長)。フェリーや海上保安庁向けの巡視船、国交省向けの研究船などは船本体の大きさの割に、搭載される設備が多く、「艤装(ぎそう)」と呼ばれる船体を造った後の作業の比率が高くなる。例えば、狭い通路で作業中に大きな資材を運ぼうとすると作業を中断しないといけない、といった問題が発生するケースがある。

 こうした問題を1つずつ潰して、スムーズに作業が進むような工程を組み上げる必要がある。デジタルモックアップで動線を確認すれば、効率的な作業工程が作成できる。デジタルモックアップの活用は同社内ではプラント事業など一部でも手掛けているが、造船部門では下関での活用例が増えている。

■クルーズフェリーの建造を開始

 長崎造船所で受注した大型客船で巨額損失を出し、三菱重工の祖業である造船事業は改革の俎上(そじょう)に載せられている。原油価格や海運市況の低迷で、長崎が主力とするLNG運搬船の受注環境も悪い。一方で、下関の主力である内航船は「既存船を更新する商談は活発」(植村次長)だ。

 下関では造船事業の再建策の一つとして、大型客船での失敗の教訓を生かして、フェリーに客船の娯楽性などを付加した「クルーズフェリー」の建造を始める。植村次長は「国内だけでなく欧州にも出られるようなクルーズフェリーに挑戦したい」と意欲を見せる。狭さを克服して「多品種少量生産」に磨きをかけてきた下関造船所は祖業復活のカギを握る。

(篤田聡志)
ジャンル:
ウェブログ
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 1月の機械受注3.2%減 市場... | トップ | 手数料ゼロ 生活資金の口座... »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
ブログ作成者から承認されるまでトラックバックは反映されません。