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ソフトバンク、投資支えるアローラ氏人脈

2016年10月17日 12時28分59秒 | 市場動向チェックメモ
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO08370260U6A011C1X13000/?dg=1

ソフトバンク、投資支えるアローラ氏人脈
2016/10/17 6:30

 ソフトバンクグループがサウジアラビアの政府系ファンドと組み、10兆円規模の投資ファンドを立ち上げる。潤沢なオイルマネーを取り込んで投資を加速させる新手のレバレッジ戦略に出た。孫正義社長が実務役に抜てきしたのが、インド人幹部のラジーブ・ミスラ氏。6月に退任した元後継者のニケシュ・アローラ氏の人脈が「孫流投資」の表舞台に出てきた。

ニケシュ・アローラ氏

 「ニケシュが辞めた後にみんなが残ってくれるか、心配なところはありますよ」。アローラ氏の電撃退任を発表した6月21日、孫氏は取材に対しこう漏らした。

 「みんな」とはアローラ氏が率いた投資チームの面々のこと。社内では通称「チーム・ニケシュ」として知られる。数十人規模だが中枢を担うのは外国人部隊だった。アローラ氏が去った後も海外投資の実働部門を担っており、孫氏としては重責を託して社内につなぎ留めたいところだ。

 ミスラ氏はその中心人物で、アローラ氏と同様、インド出身の文理両道の俊才だ。米国で機械工学やコンピューターサイエンスを学び、名門マサチューセッツ工科大学スローンスクールの経営学修士号(MBA)を取得。ドイツ銀行で10年以上、債券部門の責任者を任され、UBSを経て米投資ファンドのパートナーを勤めていたところ孫氏にスカウトされた。

ラジーブ・ミスラ氏

 2014年11月にソフトバンクに入社。ベンチャー投資の実務を担うが、具体的にどんな案件に関わったかは極秘だという。週に一回のウイークリー・コールと呼ばれるチームの会議は、アローラ氏が拠点を置く米シリコンバレーや東京・汐留本社、そしてミスラ氏が居るロンドンをつなぐ国際電話を通じて繰り広げられた。

 投資家向けに配信された社内インタビューでは、ミスラ氏は世界展開の意欲を語る一方で、大型M&A(合併・買収)で膨らむ有利子負債に懸念を示している。「債務の年限を長期化して市場の乱高下を乗り切れるよう支援したい」とも述べており、攻守両面に目配せしてチーム・ニケシュをけん引していたようだ。

 もう一人、元チーム・ニケシュで表舞台に登場したインド人幹部が、アロック・サーマ氏だ。

 孫氏が自らのiPhoneで撮影した1枚の写真がある。抜けるような青空に白いヨットが並ぶ。その前にチノパン姿の孫氏と並び、写真に収まっているのがサングラスをかけたサーマ氏だ。

 この写真の撮影日は今年7月4日。場所はトルコ南部の港町マルマリス。孫氏が英半導体設計専業のアーム・ホールディングス首脳陣に買収提案を切り出した現場だ。10年来の悲願だったというアーム買収の右腕役として孫氏の隣の席に座ったのが、日本人幹部ではなくサーマ氏だった。それだけで孫氏からの信頼の厚さがうかがえる。

アロック・サーマ氏

 サーマ氏もインドで数学を学び、米国でMBAを取得した文理両道派。米モルガン・スタンレーで名を挙げるなど、ミスラ氏と似た経歴を持つ。拠点も同じロンドン。サーマ氏の方はアローラ氏が直接スカウトしてチームに招き入れた。

 チーム解散後も海外投資部門の最高財務責任者(CFO)として重用され、アーム買収後は孫氏とともに同社の取締役に名を連ねる。

 ソフトバンクは幹部の大半を中途入社組が占めるが、「ニケシュ以前」は日本人幹部が重責に就いていた。国際的なM&Aに合わせてグローバルな人も増え、「我々はもはや日本企業と呼べなくなりつつある」(ミスラ氏)。アローラ氏の遺産は変わりつつあるソフトバンクの象徴なのかもしれない。

(企業報道部 杉本貴司)
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