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[FT]来るトランプ景気の危うさ

2016年12月13日 12時47分12秒 | 市場動向チェックメモ
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO10569030S6A211C1000000/?n_cid=DF150220104320

[FT]来るトランプ景気の危うさ
(1/2ページ)2016/12/13 6:30

Financial Times
 先行きの予測を専門にする人たちは、11月にドナルド・トランプ氏が負けると言っていただけではない。同氏が米大統領選に勝ったら、市場が崩壊するとも考えていた。それとは正反対のことが起きた。

 投資家は今、トランプ氏が約束した良いことすべてを見込み、悪いことは何も見込んでいない。株式市場は、世界的な貿易戦争と移民の大量強制送還の代わりに、減税と規制緩和、多額の歳出を予想している。11月8日以降、ほぼすべての指標が近年の高値を更新しており、米国の株式時価総額は1兆ドル以上増加、貿易加重ベースの米ドルの価値はほぼ5%上昇している。世界の市場がトランプ景気の到来に備えている。その意味では、トランプ氏はすでにレーガン元大統領の後継者だ。

選挙戦で支持者に応えるトランプ氏。市場はトランプ景気を見込んでいるが…=ロイター

 だが、この「トランプ・トレード」の反転の種はすでにまかれている。最大の脅威は、米連邦準備理事会(FRB)から来る。FRBのイエレン議長は14日、ほぼ確実に、この10年間でやっと2度目となる利上げに踏み切るだろう。

 トランプ氏の勝利の前、FRBは、2019年になる前に3度か4度だけ利上げする可能性が高いと示唆していた。というのは、継続的な財政支出削減を見込んでいたからだ。トランプ氏の勝利がこの想定を吹き飛ばした。結束した共和党政府は、民主党が実行しようとするのをこれまで何年も阻止してきたその財政刺激策を実現しようとしている。

 刺激策が米国経済に与える影響は、景気浮揚だ。5兆7000億ドルの減税と1兆ドルのインフラ投資を目指すトランプ氏の計画をたとえ半分にしたとしても、同氏の財政刺激策はなお巨大なものになる。米国の失業率はすでに5%を大きく下回っていることから、イエレン氏はFRBが計画している利上げを加速させる以外にほとんど選択肢がない。

 この状況にはプラスの面もある。米国の金融政策は予想よりずっと早く正常化し、次の景気後退に対抗するFRBの武器が増えることになる。金利をこれ以上引き下げられないゼロ金利下限の「ニューノーマル(新たな常態)」とはお別れだ。中央銀行が経済のアニマルスピリッツ(血気)と奮闘する昔のノーマルが復活する。

■トランプ氏、利上げにどう反応

 だが、大きなマイナス点も2つある。1つ目は、FRBとトランプ氏が衝突する舞台が整うことだ。ちょうどパーティーが盛り上がりつつあるときに、パンチボールを片付ける中央銀行家を好む大統領はいない。イエレン氏の議長の任期は2018年初めに終わる――わずか1年先のことだ。ここへ来てトランプ氏が放棄したと市場は見ているが、イエレン氏を解任するという選挙公約は悪材料の一つだ。いずれにせよ、米国大統領はFRB議長を解任する権限を持たない。

 だが、トランプ氏はイエレン氏をことごとく妨害できる。FRB理事会の2つの空席に誰を任命するかで、トランプ氏がFRBをどういう方向に向かわせるつもりなのかはっきりしてくるだろう。そのうち1人はイエレン氏の後継者になるかもしれない。ツイッター経由にせよ、ほかの場所にせよ、トランプ氏がFRBの利上げにどう反応するかがカギを握る。選挙遊説の最中にFRB批判をツイートすることと、大統領執務室に座っているときにそうすることには、大きな違いがある。

 イエレン氏の後任にもっとタカ派の人物を任命するというトランプ氏の公約に重きを置くべきではない。共和党には、野党のときに緩和型の金融政策を非難しながら、政権を握ったときには受け入れてきた過去がある。財政赤字にも同じことが当てはまる。チェイニー前副大統領は「赤字が問題にならないことはレーガンが証明した」と言い、それを見事に表現してみせた。

 多額の資金を借りている不動産デベロッパーとして、トランプ氏はよく自身を「低金利」の男と表現していた。同氏は低金利の大統領になりたがるだろう。もしイエレン氏がそれを邪魔したら、トランプ氏はいつでも米議会で、いわゆる「FRBを監査しろ」法案への支持を復活させられる。

■赤字拡大に「悪い公約」の衝動

 2つ目の大きなマイナス要因は、米ドルに対する影響だ。財政緩和と金融引き締めを組み合わせたとき、通貨は必然的に上昇する。そうなれば、輸入品のコストがさらに下がり、輸出品の価格が高くなる。対中赤字だけで昨年ほぼ4000億ドルにのぼった米国の貿易赤字は拡大する。膨れ上がる経常赤字も、レーガニズムの特徴だった。大きな違いは、トランプ氏が赤字を削減すると誓ったことだ。

 グローバル化を反転させ、米製造業を国内回帰させることは、トランプ氏の選挙運動の中核を成していた。同氏にはこの公約を捨てる余裕があるだろうか。もしそうしたら、世論調査の数字にどんな影響が出るだろうか。

 選挙戦でのトランプ氏の悪い公約が再び問題になってくるのは、ここだ。トランプ氏が短期的に世界貿易戦争の脅しを棚上げし、レーガン流の好景気を優先させる。このことに米国市場が賭けるのは賢明だ。トランプ氏が経済チームの要職にゴールドマン・サックス出身者を中心とした投資銀行家数人を指名したことは、ウォール街を安心させた。トランプ氏の大統領在任の第1段階は、いつも通りの「ガバメント・サックス」になるだろう。ところが事態が困難になったときに、これは変わる。

 FRBの独立性を損ね、中国をスケープゴートにし、移民を強制送還してメキシコに関税を課す話を復活させる(トランプ氏の)衝動は、貿易赤字の拡大とともに強くなる。その時点で、市場は、トランプ氏について当初恐れていたものが何だったかを思い出すことになる。

 だが、それはまだしばらく先のことだ。トランプ氏はこの1年半、ほかに類を見ない反エリート主義の大統領選を展開してきた。今後数カ月、米国のエリートは過去最大の減税と何年もなかったような資産価格上昇の思わぬ利益を受け取ることを期待できる。市場があれほど高揚しているのも無理はない。

By Edward Luce

(2016年12月12日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

(c) The Financial Times Limited 2016. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.
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