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中部は発祥の地 東海銀の原点忘れない 三菱UFJの平野社長ら3人に聞く

2016年10月12日 09時15分24秒 | 市場動向チェックメモ
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO08203640R11C16A0000000/?nbm=DGXLZO08229530R11C16A0L91000

中部は発祥の地 東海銀の原点忘れない
三菱UFJの平野社長ら3人に聞く
(1/3ページ)2016/10/12 8:07日本経済新聞 電子版

 三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)にとって旧東海銀行の地盤だった中部地方はどのような位置付けなのか。平野信行社長ら3人のキーパーソンに聞いた。

■再編時に名古屋に権限移管(平野信行・三菱UFJFG社長)

 ――岐阜県の出身です。地元の東海銀行をどう見ていましたか。

平野信行・三菱UFJフィナンシャル・グループ社長

 「私が最初に口座を持ったのが東海銀行の犬山支店だった。その後、別の銀行(三菱銀行)で働くことになったが、東海銀行は愛知を中心とする東海4県に強く根を張り、地域の取引先と生きる姿勢が強かった。本店を名古屋に構え、地域金融を重視していた」

 ――2006年にUFJ銀行と東京三菱銀行が合併した時には企画担当をされていました。

 「実際に経営の実態に触れ、東海4県での圧倒的な存在感を改めて知った。例えば、愛知県では給与振り込みのシェアが5割、自治体の指定金融機関の比率が7割と、他では考えられないほど顧客の支持を得ている」

 「個人では豊かな顧客が多く、堅実な土地柄から、富裕層の潜在的な可能性が高い。法人取引では、製造業の存在感が大きい。県内総生産は4県が全国の13%程度だが、製造業出荷は約25%を占め、名古屋港の輸出額も多い。ローカルといわれるが、実はグローバルな属性があり、こうした顧客との取引が厚い」

 ――地元との関係修復の過程もありました。

 「当時は金融機関が厳しい状況にあり、戦後最も存立が危ぶまれていた。その中で最善の努力をしたつもりだが、取引先との関係に至らないところがあっただろう。創業の地である東海地方は極めて重要な市場という思いを強く打ち出す必要があると感じた」

 「東京三菱銀行は保守的で審査が厳しく、権限が東京に集中するとの見方があったので、反対のことをした。06年の銀行発足時には決裁の権限を名古屋に移した。銀行の資本が大きくなるぶん、審査や貸し出しの権限を反映させた。商品やサービスでは従来は応えきれなかった面に対応できるように努力もした」

 ――東海銀行の創業の地をどう見ていますか。

 「日本で一番輝いている地域だ。トヨタ自動車を中心とする自動車産業や工作機械が強い。私の出身地である岐阜県各務原市には航空機部品メーカーが集積しており、その裾野は三重にも広がり、ものづくりの力にはますます期待が持てる。リニア中央新幹線が開通すると、より広い地域との結びつきができる」

 「中部では解決策を提供する存在でありたい。地域の課題に対し、どうすれば的確に解決策を提供できるかを念頭に置いている。リニア開通を控え地域開発という課題もある。名古屋ビルを建て替える予定だが、ビルのある栄地区のあり方も考えている。名古屋駅前だけでなく、にぎわいのある地域は2つあって欲しい」

 ――中部駐在の副頭取には、東海銀行の出身者が就いています。

 「人事は適材適所だが、地域の取引先の課題をよく理解し、解決策の提供を誰よりも深く考える人を置いてきたし、これからもそうしたい。三菱UFJフィナンシャル・グループが提供できる商品やサービスについては、最高水準のものを提供する。その機能は今後も維持していく」

 ――銀行発足から10年以上が経過し、東海銀行は過去の存在になったのでしょうか。

 「銀行の歴史は合併の歴史である。それは日本だけでなく、米国でも同じだ。時代の大きな流れにあらがうことはできないが、原点は大事にしなければならない。中部は発祥の地であり、金融機関が持っているカルチャーや価値観をないがしろにしてはいけない」

■トヨタ拠点集約に即応(小笠原剛・三菱東京UFJ銀常任顧問)

 ――2016年5月までの4年間、中部駐在の副頭取を務めました。

 「たくさんのお客さんの信頼や期待の高さにどう応えるべきか、大きな責任を感じた。中部地域にはローカルとグローバルという特徴がある。法人と個人に分けていた営業の一体化を進めたり、中小企業を含めた海外進出を徹底的に支援したりした」

小笠原剛・三菱東京UFJ銀行常任顧問

 ――法人と個人の一体営業の狙いはどこにあったのでしょうか。

 「法人と個人の担当を分けると抜け落ちる部分があるとの問題意識があった。例えば、法人の担当は貸し出しのある取引先を優先しがちだった。個人営業だと、法人の中身にまでは関心が向きにくい。一部の大企業を除けば、オーナー企業が多く、運用や相続など取引の機会は多いはず。企業向けでは職域取引と呼ばれる分野にも力を入れ、企業内の住宅ローン説明会も増やした」

 ――副頭取時代にはどのようなことに力を入れてきたのでしょうか。

 「疎遠になった取引先との関係を再構築するにはどうすべきかを考えた。各支店が商工会を含めた地域の活動に積極的に参加することを促し、取引先の声を聞くようにした。短期的な収益には結びつかないが、まずは銀行のファンづくりが大切だと考えた。今は取引先との距離がより近くなってきたと思う」

 「象徴的なのは、トヨタ自動車が進める米テキサス州ダラスへの拠点集約だ。もともと三菱東京UFJ銀行のダラス出張所は日系以外の企業向けの拠点だったが、日本人の担当者を置いてほしいと本部の国際企画部門にかけあった。地域では御園座の再生だ。まだ再建の途上だが、名古屋の文化・芸能の象徴を見捨てて知らない顔をするわけにはいかなかった」

 ――地域開発プロジェクトへの積極的な関与も進めています。

 「行内の担当者は個別の会社や商店街、自治体とばらばらだったので、プロジェクトチームをつくり情報交換を始めた。情報を集めるだけでなく、それぞれのキーパーソンを見定め、実際に会いに行くこともしている。東海4県では84のプロジェクトがあり、総額は1兆8千億円程度。コンサルティングや助言などを含め、現在は5千億円規模のプロジェクトと関わりがある。通常の銀行の営業手法とは異なるが、この地域では有効な策だと考えている」

 「地域の旗振り役を嫌がってはいけない。旗振り役になれば、責任も出てくるしリスクもある。また直接の地権者ではなく、やりにくいところもある。東海銀行が『五摂家』の1つといわれた頃には、ある種のアレルギー反応があったかもしれないが、やはり銀行にはそうした役割を期待されているのではないか」

■批判は注目の裏返し(山名毅彦・三菱東京UFJ銀副頭取)

 ――中部地方は地方銀行や信用金庫との競争が激しい地域です。

 「三菱東京UFJ銀行がだらしないといわれることがあるが、この地域の注目度が高いということだ。2月に名古屋で開いた商談会には約3400社が参加し、東京や大阪、東北などの約2400社がこの地域の会社と取引がしたいと集まった。そんな地域で商売ができるのはありがたい」

山名毅彦・三菱東京UFJ銀行副頭取(中部駐在)

 「確かに銀行の資金利益は下がる傾向にある。お金を借りる取引先だけでなく、借りていない取引先にも行くようにと言っている。例えば、中小企業取引では決済や外国為替取引が増えており、企業オーナーとの取引も魅力的だ。グループの信託銀行が持つノウハウも提供でき、地銀の取引先でも相続は当行に来るという人もいる」

 ――取引先の海外進出支援も重要です。

 「これだけ多くの中小企業が海外に進出している地域はないだろう。メガバンクになり、海外のネットワークが拡大し、海外展開する取引先の役に立てる余地は広がった。海外に進出する取引先にメリットがあるようなサービスも考えていきたい。地元だからこそできることがあるというのはマザーマーケットである中部にかける思いだ」

 ――リーマン・ショックのころはトヨタ自動車グループなど製造業を担当されていました。

 「取引先とは常に接点を持ち、資金が必要なときにはすぐに言ってほしいと伝えてきた。国際的な貸し渋りが起きる中で金融機関は自国の会社以外に資金を貸さない傾向が強くなっており、我々の出番は多かった。『銀行が貸し渋りをしている』という噂や勘違いもあったが、取引先には丁寧に説明して回った」

 ――その対応は取引先との関係に影響しましたか。

 「取引先がいろいろな情報を教えてくれ、しっかりした対応ができた。銀行への信頼を取り戻すことができた。十分な対応ができなかったケースがあるのも事実だが、対話が足りなかったのかもしれない。取引先の役に立つには、日ごろからの対話が必要だし、そのためには取引先の主力銀行か準主力銀行の地位を保っていなければならない」

 ――UFJ銀行時代には「名古屋離れ」といわれた時期がありました。

 「融資姿勢が厳しくなったといわれたことはある。いわゆる『名古屋金利』の是正や金融行政の変化などに加え、店舗の統廃合があり、取引先には様々な反応があった。だが、私が(名古屋市内の)鶴舞支店にいたときには、取引先が支えてくれた。三菱東京フィナンシャル・グループとの統合が決まったときには取引先も安心してくれた。『東海銀行を育てた』という気持ちを持っている人は多かったのではないか」

(聞き手は名古屋支社 三輪恭久)
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