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陰る「ムーアの法則」 新たな集積回路を模索

2016年09月18日 09時40分25秒 | 市場動向チェックメモ
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO07384360X10C16A9MY1000/?dg=1

陰る「ムーアの法則」 新たな集積回路を模索
2016/9/18 3:30日本経済新聞 電子版

 回路の集積度を上げて機能を高めながら製造コストは下げる――。半導体産業の成長を支えてきた「ムーアの法則」が限界に近づいている。今の微細加工技術で最小線幅が7ナノ(ナノは10億分の1)メートルに達する2020年ごろに、理論的な壁にぶつかるからだ。その先、半導体はどのような技術革新を遂げるのか。新しい集積回路を作るアイデアが議論されている。

 「半導体集積回路の集積度は1年半から2年で倍増する」。半導体最大手の米インテルを創業した一人、ゴードン・ムーア氏は1965年、まだ登場していない集積回路の進歩を展望する論文でこんな予測を唱えた。実際に回路の集積度はこの予測通りに高まり、後にムーアの法則と呼ばれるようになった。

 半導体チップの基本素子のトランジスタは小さくなると性能が高まり、1つのチップに収まる数を多くできる。微細化を追究することで性能を向上させてきた。そのために回路の線幅をできるだけ細くする技術開発を進めた。

 インテルが71年に発売した最初のプロセッサー「4004」は線幅が10マイクロ(マイクロは100万分の1)メートルで、1つのチップに2300個のトランジスタが載っていた。2015年発売の最新型プロセッサー「Skylake(スカイレイク)」は線幅が14ナノメートルになり、10億個以上のトランジスタを搭載している。インテルによると、プロセッサーの計算能力は半世紀で3500倍向上した。

 「偉大な法則にも、いよいよ陰りが見えてきた」と慶応義塾大学の黒田忠広教授は話す。要因はいくつかある。1つは微細化したトランジスタが機能しなくなる現象だ。微細化が進むと、電子が配線から漏れ出すようになる。漏れ出す電流は微細化が進むほど指数関数的に増え、いずれトランジスタが動作しなくなる。古くから線幅10ナノメートルが大きな壁で、7ナノメートルが限界ではないかと考えられてきた。

 それ以上に厳しい制約がある。集積度を高めた回路を高速に動かすときに発生する熱だ。解決策としてトランジスタを動かす電圧を低くする方法が採られ、現在0.7ボルトまで下がった。しかし、0.45ボルト前後にまで下げるとトランジスタの動作が不安定になる。動作電圧の下げ幅に余裕はなく、集積度を高めると発熱の問題が避けられない。

 限界説には異論もある。トランジスタの形状を変えて微細化を続け、性能を高められる考え方は根強い。まだ製造方法は確立していないが、微細なパイプをトランジスタにする「ナノワイヤ型」が実現すれば、7ナノメートルの壁を越えられるとの期待がある。東京エレクトロンの関口章久執行役員は「そう簡単にムーアの法則の幕は下りない」と話す。

 こうした技術が実現しても、微細化の限界はやがて来る。ポストムーアの法則の時代をにらんで、様々なアイデアが登場している。

 最も期待を集めるのが3次元化だ。微細化に頼らずに、チップを何層も重ねて立体的に接続することで性能を高める技術だ。メモリーカードなどに使うフラッシュメモリーでは、30~40層積み重ねる技術が確立し商品化されている。プロセッサーにも応用したいと多くの半導体研究者は考えているが、現状では「とても難しい」(東京大学の平本俊郎教授)。

 平面で作った回路を単純に重ねるだけではコストがかさみ、性能は大幅には向上しない。様々な機能をもつ回路を3次元で一体的に集積する設計方法や製造技術が必要だ。

 生物の脳の神経回路を模したプロセッサーを作る試みも活発だ。米IBMなどが14年に試作した「トゥルーノース」はその代表例だ。トランジスタなどの素子はこれまでの回路と一緒だが、回路の構成や制御するプログラムを全面的に刷新した。消費電力を圧倒的に少なくするのが目標で、トゥルーノースでは既存のプロセッサーの5000分の1を目指している。

 膨大な量の計算を瞬時にこなす「量子コンピューター」の実現に向けた技術開発も進んでいる。カナダのベンチャー企業のディーウエイブ・システムズが10年、量子コンピューター用のプロセッサーを開発した。機能は限定的だが、世界初の量子コンピューターとして注目を集めた。

 日立製作所の木村紳一郎技術顧問は「ムーアの法則が陰っても半導体産業は成長する」と断言する。あらゆるモノがインターネットにつながるIoTによって需要が拡大するからだ。日本の半導体産業にもまだチャンスはありそうだ。(編集委員 永田好生)
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