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政権と連携 日銀、4次元でデフレ心理解消 編集委員 清水功哉

2016年09月19日 19時39分36秒 | 市場動向チェックメモ
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO07339040W6A910C1000000/

政権と連携 日銀、4次元でデフレ心理解消
編集委員 清水功哉
(1/2ページ)2016/9/19 5:30日本経済新聞 電子版

 日銀は20~21日に実施する金融政策の「総括的な検証」で、2013年春以降手掛けてきた異次元緩和策の枠組みを見直す。「量」「質」「金利」の3次元に次ぐ、「時間」という4次元目の要素にも新たな工夫を施す可能性がある。2%物価目標の実現に向けて緩和を粘り強く続ける決意を示し、人々のインフレ心理を刺激する時間軸政策(フォワードガイダンス)の手法が検討対象だ。中小企業の賃上げ実現に向けて行動を起こし始めた安倍晋三政権と連携。長期戦も覚悟の姿勢で根強いデフレ心理の解消を狙いそうだ。

■「適合的」な日本人の物価観に対応

 日銀が政策を見直すのは、2年程度で達成としてきた2%物価目標が約3年半たっても達成できていないためだ。未達成の理由について、日銀の見方は9月上旬の黒田東彦総裁や中曽宏副総裁の講演で明らかにされた。指摘されたのは主に2つのポイントだ。第1に人々の予想物価上昇率の弱含みが物価に下押し圧力をかけた点。第2に、今の日本では人々の物価予想が足元の物価に左右されやすい点だ(専門的には「適合性が高い」と呼ばれる現象)。新政策スキームはこの2つに対応し、人々のインフレ期待を強めるものになる必要がある。

 現行の政策でも人々のインフレ期待の刺激は重視されてきた。そのために2年程度という期限を示して2%物価目標を実現する決意を表明したのだ。実際、政策を始めて1年間くらいは人々の心理が改善した。しかし、14年度に入り原油安や消費増税の悪影響で物価に下押し圧力がかかると、物価観も弱含んでしまった。

 こうした「適合的な予想形成」が根強い日本の事情を踏まえると、2年という期限を明示した短期決戦より、粘り強く人々の心理に働きかける長期持久戦の方が有効かもしれない。そこで時間軸政策強化の方向性が出てくる。緩和策の解除条件を厳格化するなどして政策の長期化を約束。将来の物価上昇時に後手に回る印象をジワジワと広げて、人々のインフレ心理を刺激していく。

■第4の手段が時間軸政策

非伝統的金融政策の4次元
手 段狙 い
「量」長期国債購入長期金利引き下げ
「質」リスク性資産購入リスクプレミアム圧縮(資産価格押し上げ)
「金利」マイナス金利導入短期金利のゼロ未満への引き下げ
「時間」緩和長期化の約束インフレ期待強化、中期金利の安定

 表の通り、非伝統的金融政策(短期金利がゼロに下がった後の金融政策)には主に4つの次元がある。第1が「量」で巨額の国債購入で長期金利に下げ圧力をかける。第2が「質」。株価指数連動型上場投資信託(ETF)などリスク性の資産を買い入れて、リスクプレミアム(リスクに応じた資産価格の割引幅)を圧縮。価格上昇を促す。第3が「金利」で、短期金利をゼロ未満に下げるマイナス金利政策だ。そして第4の「時間」が時間軸政策である。

 黒田日銀はすでに3つ目までは本格的に採用している。いわゆる「3次元緩和」だ。第4の時間軸政策もまったく手掛けていないわけではない。異次元緩和を始めて以降「2%物価目標を安定的に持続するために必要な時点まで継続する」と約束してきたからだ。

 しかし「安定的に持続するために必要な時点」の意味は曖昧で、2%が安定的に達成される前でも、その見通しが立てば緩和をやめられるとの解釈も可能。実際日銀がそう説明したこともある。13年4月の記者会見で、黒田総裁が「2%になっていなくても、既に2%が持続的に維持できる状況になっていれば、それ以上の緩和は必要ないかもしれない」と語ったのだ。

 こうした曖昧さを排除すれば、時間軸政策の効果が強まる。2%の「安定的な持続」が実現するまで緩和をやめないとはっきりと約束する必要がある。「安定的な持続」とはどのくらいの期間かを具体的に示すことも有効だろう。

■フロー・ビューからストック・ビューに転換か

 時間軸政策を強め、長期戦覚悟の姿勢を示す場合の問題は、今の年間80兆円ペースの長期国債購入は持続性が低い点だ。物価2%の安定的な実現まで続けると約束しても、人々から信用してもらえない可能性がある。

 この問題を解決するための方策が、緩和長期化の約束に関する限り、国債購入額(フロー)でなく保有残高(ストック)の増加を重んじる姿勢に転じることだ。もともと緩和効果を左右するのは購入額ではなく保有残高の増加だとするストック・ビューが「伝統的には学界の主流」(植田和男東大教授)とされる。中央銀行の保有国債が着実に増え、資金供給残高も膨らみ続けるなら、金利低下などで経済が刺激される緩和効果は発揮されるとの理屈である。

 黒田総裁も13年12月の記者会見で「ストックが重要であるということは学者の方のおっしゃる通りではあるとは思っている」と語ったことがある。仮にストック・ビューを採用すれば、将来国債購入額を減らしても問題でなくなる。購入額(フロー)の減額があっても保有残高(ストック)は増え続けるからだ。結果的に国債購入の持続性が高まる。例えば「物価2%が一定の期間続くまで国債保有を増やし続け、その後一定の条件が満たされるまで保有残高を減らさない」などといった残高ベースの約束を、時間軸政策として打ち出せるかもしれない。

黒田日銀総裁(右)は安倍政権との協調を一段と重視している

■中小企業の賃上げ狙う安倍政権と協調

 今回の政策見直しでもうひとつ重要なのは、政府との協調を一段と重視することだ。上述の中曽副総裁の講演でも政府の財政政策や成長戦略との連携の重要性が指摘されたが、安倍政権は中小企業の賃上げを可能にするための環境整備に乗り出した。大企業による下請け企業への無理な値下げ要請を控えるよう経済界に求めたのだ。その分中小企業に生じる余裕を賃上げに振り向けてほしいという意思表示である。

 賃上げの重要性は9日の安倍首相と黒田総裁の会談でも話題になった可能性があり、政府の動きはデフレ心理解消を狙う日銀にとって望ましいものだ。一方、2%実現に向けて日銀が緩和政策の長期持久戦を覚悟し始めたことは、政権の長期化を視野に入れているとみられる安倍氏にとっても悪い話ではないだろう。
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