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止まらぬ人口減 地方、都心との2極化進む

2017年05月15日 13時34分05秒 | 市場動向チェックメモ
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO16370040U7A510C1ML0000/?dg=1

止まらぬ人口減 地方、都心との2極化進む
2017/5/15付日本経済新聞 朝刊

 人口減少を実感する統計データが相次いでいる。4月1日の秋田県の人口は87年ぶりに100万人を割り込み、静岡市は政令指定都市の基準である70万人を下回った。全国ベースでは毎年20万人近く人口が減り、中堅都市が1つずつ消えている状況だ。一方で、川崎市は想定より早く人口が150万人を突破、東京都心の区も人口が急増するなど一極集中が続いている。

■秋田、100万人割れ 仕事の確保課題

 大型連休の合間の2日。晴天の秋田県上小阿仁村の山村広場に人影は無かった。村が20年以上前、4000万円をかけバーベキュー施設や広場を整備したが、年に数件しか利用がない。

 「昔は運動会でも使った広場だが小学校も廃校になって使う人がいないのか」。広場近くの実家に東京都内から帰省中の武石誠さん(54)がつぶやく。上京後、セキュリティー会社を立ち上げて30年。久々の故郷を眺めて「仕事がないから人が減っていくのもやむをえない」と話す。

 上小阿仁村の人口は10年前比で24%減の2200人。減少率は県内で最も高いが、秋田県も全国最速で人口減少が進む。60年前に135万人あった県人口が今年4月1日は99万9636人に。ここ10年間で11%に当たる約12万5千人減った。

 その間の減少要因は死亡が出生を上回る自然減が6割、転出が転入を上回る社会減が4割を占める。かつては県外流出が主因だったが、今はそれ以上に自然減の影響が大きい。しかし、効果的な施策は見当たらない。

 「今後5年間で社会減を半減する」。4月の県知事選で3選を決めた佐竹敬久知事は、人口流出に歯止めをかける公約を掲げた。これまで婚活や子育て支援に力を入れてきたが効果は乏しく、社会減の対策を前面に出すことにした。

 若者の県外流出は人手不足に悩む県経済に打撃だ。県内の高校を卒業した生徒の半数以上が進学や就職のために秋田を離れ、多くはそのまま県外で就職する。「若者の県内定着」の旗を振る行政や企業の幹部の子供が、首都圏に出たまま戻らないケースも少なくない。

 大きな要因が賃金を含めて魅力的な仕事を提示できていないこと。厚生労働省の都道府県別現金給与総額によると、秋田県の2015年の平均給与は25万9800円。全国で下から4番目に低く、東京の6割の水準だった。16年度の最低賃金も時給716円で全国最低ラインだ。

 県は秋田版の政労使会議を設立するなどして賃金アップを働きかけたい考えだ。ただ、「我々下請けが賃金を上げられるはずがない」(県北部の中小企業)と反発も強く、人口減に歯止めがかかる兆しはない。



 人口減は他県も同様だ。16年10月1日現在の人口を1996年と比較すると、秋田が17%、青森が13%、和歌山が12%それぞれ減少するなど、10県で2桁の減少率となった。これらの県でも、それ以前の人口減のペースは緩やかで、人口が増えていた県もある。この20年間で和歌山と香川の人口が100万人を割り込み、この4月の秋田を含めると人口100万人以下は10県になった。

 一方、20年間で人口が増えたのは10都府県あり、東京の15%増をトップに沖縄、神奈川の計3都県が2桁増だった。ただ、16年は前年比で増加は7都県にとどまり、東京などへの一極集中が進む。その東京も自然増は外国人が主体で、社会増も外国人の入国超過がけん引している。

 国立社会保障・人口問題研究所が4月に発表した将来推計人口では、今後も出生数が減る一方、死亡者数が増える結果、40年後は全国で毎年90万人以上人口が減り続けるとみている。

■静岡、70万割り込む 首都圏と近さアダ

 人口減は大都市部も直撃している。全国20政令指定都市で6市の人口が減少。中でも静岡市は4月、政令市で初めて70万人を割った。2003年に清水市と合併し、政令市の基準だった70万人をクリアしたが、年間約3000人の減少が続く。

 静岡市の人口減について、静岡経済研究所(静岡市)の望月毅主席研究員は「東京一極集中で若年層がのみこまれている」と指摘する。新幹線で約1時間の立地から、若年層の流出が全国に先駆けて進んだといい、同研究所などが調べた首都圏の大学に進学した県内出身者の県内就職率は4割弱にとどまった。特に女性の流出が深刻で、出産適齢期の女性人口減少に拍車をかけ、出生数の減少につながっている。

 静岡市は15年から部門をまたいだ人口減対策に着手し、他市に先駆け東京都内に常設の移住相談センターを開設。新幹線通学の定期代補助や首都圏出身の女性と市内の男性を引き合わせる「婚活ツアー」など、あらゆる手を打っている。

 その結果、同センターを通じた移住者が16年度に52人と前年度の3倍に達するなど一定の成果を上げた。ただ、10年単位では社会減はすでに縮小傾向で、05年にはじまった自然減が人口減少の大きな要因だ。「手を打つのが遅かった」(市幹部)という声も聞かれる。

 国立社会保障・人口問題研究所の推計では、40年には川崎市を除くすべての政令市で10年比で人口が減少する。政令市はその周辺地域から人を集めて拠点都市となっていたが、同研究所は40年に6市の人口が70万人を下回るとみている。

■川崎、自然増最大 子育て世代流入

 人口の大台割れが相次ぐ一方、東京とその周辺の一部では大台を突破する自治体も出ている。川崎市は4月24日、人口が150万52人となった。武蔵小杉駅周辺などで大規模タワーマンションの建設が相次ぎ、転入者が大幅に増加した。

 福田紀彦市長は「これほど若い子育て世代が増えるとは、マンション事業者も、行政も想定していなかった」という。自然増は全国の政令指定都市で最大。1997年以降は社会増が続く。2年前に京都市を抜いて人口は全国7位となり、人口減が続く6位の神戸市を3万人の差で追う。

 2007年時点の川崎市の将来人口推計では、25年に146万6000人でピークを迎える見通しだった。その後、推計を2度改定しているが、市当局が想定していたよりも大幅に速いペースで人口増が続く。

 東京都心へ隣接し、交通の利便性の高い場所での大規模なマンション開発が人口増につながったが、東京都心3区も同様の開発で人口が増え続けている。千代田区は4月、36年ぶりに6万人を突破。中央区は1月に15万人、港区は2月に25万人をそれぞれ上回った。

 東京西部の西東京市も3月末の人口が20万人を突破し、4月に記念セレモニーを開いた。ただ、青梅市など都心から離れた自治体ではすでに人口が減少に転じている。他地域と時間差はあるが、東京都全体でも25年をピークに、その後は減少する見通しだ。(宮田佳幸、山田薫、中村雄貴)

■外国人受け入れ課題
 秋田県の人口が100万人を割ったことも、静岡市が70万人を下回ったことも驚くべき話ではない。人口推計はかなり確度が高いから、今後も全国で人口は減り続ける。
 当面の課題は2つあるだろう。ひとつは東京一極集中への対応だ。日本の総人口がどんどん減るなかで、特定地域だけ増え続けることは望ましいとは言い難い。
 札幌3448人、仙台3273人、大阪3160人――。2015年に東京圏に対する転出超過数(転出者から転入者を引いた人数)が全国で最も多かった3市だ。上位20市だけで転出超過総数(約12万人)の3割近くを占める。
 最近、地方で就農する若者などが増え、「田園回帰」現象と呼ばれている。こうした人の流れをより太くすることは大事だが、併せて地方の拠点都市がもっと魅力を高め、雇用吸収力を強めないと東京への人材流出は止まらない。サービス業を中心に地方企業の生産性を高め、東京との賃金格差を縮める取り組みが不可欠だ。
 もうひとつは人口減少を緩やかにする方策だ。子育て環境を整えると同時に、外国人をどう迎え入れるかがカギになる。
 島根県出雲市は昨年6月、「多文化共生推進プラン」を策定した。市内で暮らす外国人のうち、5年以上定住する人の割合を21年に30%台に高めることが目標だ。そのために外国人の生活支援を強化し、行政窓口での多言語対応も促進する。
 市の外国人人口は15年末で2744人。外国人を人手不足を補う単なる労働者としてとらえるのではなく、「ともに暮らす地域住民として受け入れる」と明記している。
 総務省によると、出雲市のように多文化共生に関する単独の計画をまとめている自治体は全国の5%しかない。外国人材の受け入れは一義的には国の判断だが、地方にとっても真正面から取り組むべき課題だろう。
 (編集委員 谷隆徳)
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