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トランプ現象 浮かぶ新たな企業価値(藤野英人) レオス・キャピタルワークス社長兼最高投資責任者

2016年12月13日 12時05分39秒 | 市場動向チェックメモ
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トランプ現象 浮かぶ新たな企業価値(藤野英人)
レオス・キャピタルワークス社長兼最高投資責任者
 
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「インテリ層が驚いたトランプ現象は、これからの新興企業や投資のあり方を考える上で、重要なことを示唆している」
 米国のトランプ次期大統領の誕生で、多くの「インテリ層」がアッと驚きました。米国ではみんな「身の周りにトランプ支持者なんて、ひとりも見かけなかったのに何でこんなことになったのか」と思ったことでしょう。このトランプ現象は、これからの新興企業のあり方、ひいては投資価値を考える上で重要なことを示唆していると思いますので少し振り返ってみます。

 今から20年ほど前、まだインターネットが黎明期から普及期に入るころ、私はインターネットによって世の中はより良い社会になると信じて疑いませんでした。例えば、ネット革命により情報の伝達コストが著しく低くなります。ネット環境さえ整っていれば、先進国の高品質の高等教育を非常に低コストにアフリカやアジアの貧困地域に届けることができます。

■ネット革命の光と影

 フェイスブックやツイッター、インスタグラムなど交流サイト(SNS)の普及によって、今では誰もが発信者になり、世界中に友達をつくることができます。ベンチャー起業家はIT(情報技術)を駆使して自社のブランド価値を低コストで知らしめることができます。ありとあらゆることがスマートフォン(スマホ)で完結し、アマゾンなどの通販サイトで物を買えば、地域によっては最短1時間以内で欲しい商品が手に入ります。

 ネット革命により、情報の格差がなくなり、相互理解が進み、人の移動が増えて人種や民族間の障壁がなくなり、自動翻訳機の進歩により言葉の壁もなくなり、資金も国境を越えて移動し、世界はフラットになると信じていました。そしてもちろん、それはかなり実現しています。

 米国の西海岸の会社、アップルやグーグル(アルファベット)、フェイスブックやアマゾンなどの会社群は、キャンパスのようなオフィスに世界中から人種や宗教に関係なく優秀な人を集めて、素晴らしい社会にするという目標を掲げました。やりがいのある職場環境、比較的高い給料、ストックオプションなどを通じた資産形成を強みとして人を吸い寄せました。いわば、LGBT(性的少数者)の人も働きやすい環境です。

 ところが、そのような中で(私も含めてですが)想像力が欠如していたことがあります。このような会社群や産業が成長している中で、ひっそりと消えたり、職を失ったりする人たちがいたことを。いや、想像できなかったわけではないのですが、責任をあまり感じなかったのです。

 アマゾンの普及でリアルな店舗が苦戦して、そこで働いている人たちが失業したとしても、それはある意味仕方のないことであり、消費者が喜んでいることを追求することが何より大事だと信じていたのです。ネット社会は情報を活用する意思があり、かつ活用の仕方をわかっている人たちにはチャンスが広がりましたが、そうでない人たちにはつらい社会でした。デジタルデバイド(情報格差)の問題です。ネット革命に対応できる人とできない人の間に、大きな収入格差が生まれました。

 ネット革命によって情報は確かに今まで届かない人たちに届くようになりました。アフリカや中東の貧困地域にも情報は届くようになったのです。しかし、所得格差や教育格差が埋められない中で情報の拡散が起きたので、むしろ格差が可視化されました。

 今まで見えなかった国内の格差はもとより、想像もできないほど豊かな生活をしている国があることも可視化されてしまいました。格差をなくすはずのネット環境は、格差の可視化を招き、むしろ怒りを増幅させたのです。地縁や血縁、および宗教などのつながりが強化され、国境には精神的な壁ができ、トランプ氏の「メキシコとの国境に壁を」という言葉に数多くの有権者が拍手するような状況が生み出されました。

 世界をフラットにするはずのネット革命が、排外主義を刺激し、欧州においては欧州連合(EU)に対する分離運動につながり、トランプ氏を大統領へと導いてしまいました。そして、これは米国の西海岸の「ニューエコノミー」と呼ばれるネット関連企業の人たちが大いに反省をしなければいけない問題もはらんでいます。

 つまり、ニューエコノミーの人たちは自分たちの繁栄の陰で旧来型の産業で働く人たちを苦境に追いやったという社会的な負の側面です。もちろんビジネスというのは法律を犯さない範囲内で自由に競争し、消費者と株主のためにベストを尽くすのが本質であり、競争によって負けた企業を助けなければいけない責任はないのです。

■敗者への思いやり必要

 とはいえ、その負けた企業や人に対して思いを至らしめ、場合によってはそのような組織や人をITによって救うというような哲学や企業倫理が必要だったように思います。結果的に生み出されてしまった多くの「負け組」の人は正当な方法、すなわち選挙での投票によって反撃を行いました。それを人によってはポピュリズムというわけですが、単なる「人気取り政治」と切って捨てると、案外このポピュリズムは長引くように思います。

 日本でもプロ野球球団を所有する新興IT企業が、情報サイトを巡る不祥事を起こしました。トランプ相場の中でもニューエコノミーの株価は全体マーケットの好調に比較してさえません。背景には、ニューエコノミーに対する世界的な厳しい見方が増えてきたということも関係があると思います。これからのニューエコノミーは、効率やスピードだけでなく(もちろんこれは経営ではとても重要ですが)、きちんとコストをかけて真面目に商品、サービスをつくり上げ、社会との調和を図るという視点がより大切になるでしょう。「マジメなニューエコノミー」が新興企業を見る際の重要な視点になりそうです。そうした企業こそ、長期投資に値する新しい時代の企業だと思います。

プロのポートフォリオは運用に精通したプロが独自の視点で個人投資家に語りかけるコラムです。原則火曜日掲載で、レオス・キャピタルワークス社長兼最高投資責任者(CIO)の藤野英人氏と楽天証券経済研究所所長兼チーフ・ストラテジストの窪田真之氏が交代で執筆します。

藤野 英人(ふじの・ひでと) レオス・キャピタルワークス社長兼最高投資責任者(CIO)。1966年生まれ。早稲田大学法学部卒。90年野村投資顧問(現野村アセットマネジメント)に入社。96年ジャーディンフレミング投資顧問(現JPモルガン・アセット・マネジメント)に入社。「JF中小型オープン」は1年間の上昇率219%を記録。驚異的なパフォーマンスを上げ、「カリスマファンドマネジャー」と呼ばれた。2000年ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントに入社。03年レオス・キャピタルワークス創業。CIOに就任。09年取締役、15年10月社長就任。明治大学非常勤講師なども務める。著書に「投資家が『お金』よりも大切にしていること」(星海社)など多数。
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