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「標的」は財務省か 日銀外債購入論の裏  編集委員 清水功哉

2016年09月15日 20時41分29秒 | 市場動向チェックメモ
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO07218420T10C16A9000000/?n_cid=DSTPCS001

「標的」は財務省か 日銀外債購入論の裏  編集委員 清水功哉
(1/2ページ)2016/9/15 3:30日本経済新聞 電子版

 既視感のある光景だ。9月に入り日銀の外債購入論が浮上したときそう思った。ちょうど15年前(2001年秋)にも、似たアイデアが日銀内外で議論されたことがあった。結局実現しなかったものの、結果的に財務省の為替政策スタンスを変える意外な効果を発揮し、円安圧力を生んだ経緯がある。今回も日銀より財務省の姿勢に影響を及ぼすのではないか。そんな予感がする。

日銀外債購入論が浮上したきっかけは内閣官房参与、浜田宏一米エール大名誉教授の発言だった

 日銀がドルなど外貨建ての債券を買う外債購入論が浮上したきっかけは、安倍晋三首相の経済政策ブレーンで内閣官房参与の浜田宏一米エール大名誉教授が言及したことだった。

 8月30日配信、ロイターのインタビューだ。日銀は次回9月20~21日の金融政策決定会合で現在の金融緩和の「総括的な検証」を実施し、政策を見直す方向だ。巨額の国債購入に限界が見え始めているなか、代わりの購入資産が外債になるのではないかという思惑が広がった。

 9月5日には首相も次のように語った。「日銀による外債購入が為替介入を目的とする場合は日銀法上、認められていない」。外債買い入れに否定的な言葉のようにも聞こえるが、市場関係者は逆のニュアンスを感じ取った。為替相場の安定以外の目的があれば容認されるという意味に解釈できたからだ。

清水功哉(しみず・いさや) 1988年日本経済新聞社入社。東京やロンドンで金融政策、為替・金融市場、資産運用などについて取材。著書に「日銀はこうして金融政策を決めている」「デフレ最終戦争」「緊急解説 マイナス金利」。証券アナリスト(CMA)、ファイナンシャル・プランナー(CFP)の資格も持つ。

■円安誘導か資金供給か

 そもそも日銀による外債購入論は2つの顔を持ちうる。まず円安誘導策としての顔である。外債を買う過程で外貨を買うので円が下落する可能性があるからだ。もっとも首相が指摘した通り為替安定を狙った外貨購入は日銀に認められていない(その役割は財務省による為替介入が担う)。ただ外債購入に金融政策としての顔を持たせれば話は違ってくる。外貨を買うときには市場に円資金が供給される。これを緩和策と位置付ければ法律面の壁をクリアできる可能性も出てくるというわけだ。

 実際、15年前に日銀内で議論されたアイデアも円資金供給の一環としての外債購入だった。当時の中原伸之審議委員が毎月定額を買うアイデアを示した。定期定額の買い入れであれば、相場変動に機動的に対処する為替介入と差異化できるという理屈である。

 ただ、いくら定期定額の購入だったとしても、結果として円安圧力を生む点は否定できない。結局中原氏の提案は否決された。だが日銀内で活発化した外債購入をめぐる議論は、当時の財務省の姿勢を円安容認へと転換させるきっかけになったとされる。なぜか。15年前の筆者の取材メモには以下のような裏事情が記されている。

 そのころ財務省は、円安によって輸出に悪影響が出ることを心配するアジア諸国・地域への配慮などから、円下落を容認することに慎重だった。ところが日銀内で外債購入論が盛り上がった後、スタンスを変え、首脳部が円安容認発言をするようになったのだ。背景には、もともと財務省、特に為替政策を担う国際部門が、日銀による外債購入論の広がりを嫌っていた点があったようだ。同省が持つ為替介入権限を事実上侵されることになるためだ。円下落容認への転換には、その可能性を封じる火消しの狙いがあったというわけだ。

15年前、日銀審議委員として外債購入のアイデアを示した中原伸之氏

■円高時の為替介入を促す狙いか

 ちなみに、当時財務省の事務方で為替政策の責任者(財務官)を務めていたのが現日銀総裁の黒田東彦氏である。その黒田氏の目には、首相官邸発といえる最近の外債購入論の背景が見えているかもしれない。

 官邸サイドは、日銀に本当に外債購入をしてほしいとは思っていないだろう。法的な位置づけが微妙だからだ。むしろ9月5日の首相発言は「日銀に権限を侵されたくなければ、今後円相場が急騰する局面では財務省がしっかりと対応してほしい」というメッセージに聞こえる。首相発言には「為替市場の動向を緊張感をもって注視し、必要なときはしっかりと対応する」という部分もあった。為替介入を意識した発言だろう。一連の議論の真の「標的」は日銀でなく、財務省というわけだ。

 日銀は次回政策会合で、異次元緩和の長期化に備え、その持続性を高める工夫を施しそうだ。それ自体は、長期政権を視野に入れているともみられる首相にとって悪い話ではないかもしれない。問題は、緩和の枠組み修正の中にマーケットから「緩和縮小」と受け止められかねない要素が入る可能性がある点だ。例えば長期国債の購入方法の見直しは、円買い材料になる恐れもある。日銀はそうした事態にならないような情報発信に努めるが、市場がどのように反応するか予断を許さない面もある。

 仮に円が大きく上昇した場合、米大統領選前という微妙なタイミングに財務省はどう動くのか。今秋以降の円相場の流れを決める要素の一つだろう。
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