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トランプ政権「親台湾人脈」対中姿勢を左右  編集委員 中沢克二

2016年12月31日 21時30分39秒 | 市場動向チェックメモ
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO11129250X21C16A2000000/

トランプ政権「親台湾人脈」対中姿勢を左右  編集委員 中沢克二
(1/2ページ)2016/12/28 2:00日本経済新聞 電子版
中国 台湾

中沢克二(なかざわ・かつじ) 1987年日本経済新聞社入社。98年から3年間、北京駐在。首相官邸キャップ、政治部次長、東日本大震災特別取材班総括デスクなど歴任。2012年から中国総局長として北京へ。現在、編集委員兼論説委員。14年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞

 次期米大統領、トランプの周辺で台湾と太いパイプを持つ人々の動きが激しい。台湾総統、蔡英文との歴史的な電話会談、そして「一つの中国」も取引材料とする爆弾発言……。一連の動きの中で存在感を示しているのが、ワシントンに本部がある保守系シンクタンク、ヘリテージ財団だ。

 ヘリテージ財団系の人材は、トランプの政権移行チームに数多くいる。トランプは、同財団の名誉会員で台湾系米国人のイレーン・チャオを運輸長官に指名した。8歳まで台北で過ごした彼女は、ブッシュ政権でアジア系女性として初めて閣僚(労働長官)に就いた経験を持つ。

 ヘリテージ財団で台湾とパイプを持つキーパーソンは誰か。まず1973年に同財団を創設した人物であるフルナ-だ。過去に20回以上も訪台し、李登輝、陳水扁、馬英九、蔡英文ら歴代総統と会談。蔡英文とは総統に就く前から面識がある。中国には厳しい姿勢を示す親台湾派だ。

■米保守系シンクタンク、活発に動く

 そしてヘリテージ財団人脈では、もう一人、重要な人物がいる。元研究員のイェーツだ。ブッシュ政権の副大統領でタカ派として知られたチェイニーの安全保障問題に関するアドバイザーを務めた。現在はトランプ政権移行チームのアジア政策などに関する顧問として動いている。

 イェーツは87~89年にキリスト教の宣教師として台湾南部の高雄、そして蔡英文の故郷である屏東などに滞在した異色の人材である。流ちょうな中国語を操り、しかも台湾なまり。葉望輝という漢字名を使い、台湾社会を基礎から理解している「親台湾派」だ。

 先に、米共和党が初めて台湾防衛と武器売却などを巡る台湾関係法と「6項目保証」を党綱領に書き入れた際の立役者でもある。

 イェーツの台湾とのパイプの太さを示したのが、トランプ・蔡英文電話会談から一週間もたたずに台北入りしたことだ。12月7日には総統公邸で蔡英文らと食事を共にしながら3時間も会談した。そこには、かつて駐米代表だった国家安全会議秘書長の呉●(かねへんにりっとう)燮、外交部長の李大維、与党・民主進歩党の立法委員、羅致政らが同席した。

 台湾の外交・安全保障の責任者らが勢ぞろいしたことは、イェーツがトランプ新政権との関係構築で重要な人物であると見なしている証拠だ。フルナーとイェーツのコンビこそ、歴史的な電話会談をセットしたキーマンとの見方もある。

 その真相は別にしても「イェーツが蔡英文らとの3時間にわたる会談で、トランプ新体制への準備を事細かく進言したのは明らかだ」(台湾の国際問題専門家)。蔡英文との会談の前日、イェーツは台湾メディアを前に「トランプ氏はビジネスマンの手法で外交をする」と解説し、準備の必要性に触れた。

■空母「遼寧」まで派遣、蔡総統へ圧力

トランプ氏(左)と台湾の蔡英文総統は歴史的な電話会談をした

 公邸の会談に同席した羅致政によると、席上では蔡英文の故郷で、イェーツも滞在した屏東の現状のほか、蔡英文への真摯なアドバイスもあった。「(訪米の)機会があれば、米国の庶民とより密接に接触すべきだ」というものだ。

 一方、中国国家主席の習近平は、ここにきて蔡英文に露骨に圧力をかけ始めた。台湾と国交がある国を引きはがす外交戦と、軍事上の“威嚇”の両方だ。

 2015年11月、習近平は当時の台湾総統、馬英九とシンガポールで歴史的な中台トップ会談に踏み切った。その頃、中国は、台湾と国交がある国々を中国側に寝返らせようとする行動を控えていた。解釈に違いはあるにせよ、「一つの中国」を認めている台湾・国民党政権への配慮だった。

 たとえば13年に台湾と断交したアフリカのガンビア。中国は、しばらくこれを放置し、国交樹立に動いたのは、先の台湾総統選で民進党の蔡英文が当選した後の16年3月になってからだった。5月20日の総統就任前に「一つの中国」を認めるよう圧力をかける意味があった。

 しかし、その後も蔡英文は「一つの中国」を認めない。それを見て中国はさらに動く。中国外相の王毅は12月26日、北京でサントメ・プリンシぺの外相と会談し、国交回復の文書に署名した。サントメ・プリンシぺは、西アフリカの香港ほどの面積の島国で、人口は約19万人。1975年に正式に独立した後、受け取る経済支援の多寡で中台間を動いてきた典型的な小国である。

 これに先立ち、台湾はサントメ・プリンシペと断交。台北にある台湾外交部に掲げてある、国交を持つ国の国旗がまた一つ減った。現在は21カ国にすぎない。

 中国への反発は、与党・民主進歩党内で強まっている。矛先の一部は蔡英文にも向く。蔡英文はトランプとの電話会談に成功した後も、中国に付け込まれる隙を与えないよう刺激的な言葉を避けてきた。対中関係の安定こそ、内政問題のつまずきで下落した支持率の底打ちにつながる、と見たからだ。

 今、その蔡英文の冷静な態度に民進党内の“台湾独立派”とされる長老らがかみつき始めた。「中国が強硬なのに蔡英文は弱腰過ぎる」との批判だ。

 とはいえ、サントメ・プリンシペという小国との断交だけなら、蔡英文にとって大きな痛手にはならない。台湾のテレビ局による簡易世論調査でも「『金銭外交』はただすべきで、国交がある国の大半を失ってもしかたない」という意見も、けっこう多かった。

 もう一つ、大問題がある。台湾と関係を保つキリスト教カトリックの総本山、バチカン(ローマ法王庁)と中国の国交正常化だ。バチカンは宗教の政治的権威を認めない中国共産党政権と対立。大陸内は政府公認の「中国天主教愛国会」とローマ法王に忠誠を誓う非公認の地下教会に分裂していた。

 ところが、バチカンと中国の間で司教の任命方式を巡る交渉が妥結に近づいたとの見方が出ている。そうなれば台湾は、一段と苦境に追い込まれる。さらに、習近平は軍事面での圧力も強めている。

■蔡総統とトランプ氏はNYで接触するか?

中国空母接近への警戒強化を伝える12月27日付の台湾各紙

 台湾海域に接近した空母「遼寧」を、我が軍のF16戦闘機などが緊急出動し監視・偵察――。

 12月27日朝、台湾紙のトップを飾ったのは中国海軍の空母「遼寧」だ。空母を核とする艦隊は、沖縄本島と宮古島の間を抜けた後、台湾とフィリピンの間の南のバシー海峡から南シナ海に入った。台湾が実効支配する東沙諸島の南東も航行した。

 台湾の安全保障関係者は、中国海軍の動きについて「台湾への明確な警告、威嚇」と捉えている。台北の一般庶民も屋台で朝食をとりつつ、中国による威圧への反発を口にしていた。

 中国の締め付けが強まるなか、蔡英文はトランプ米新政権とどう向き合うのか。1月7~15日にはニカラグアなど中米4カ国を歴訪する旅に出る。その際、ニューヨークを経由するかが焦点となる。

 トランプは1月20日、大統領に就く。その直前、なお自由な立場のトランプが蔡英文と接触する可能性は残る。台湾総統府は歴訪日程発表の際、米国立ち寄りにあえて触れていない。ここでもトランプ側とのパイプを果たすとみられるのが、先に触れたヘリテージ財団人脈だ。

 台湾メディアによると、蔡英文は米国で再びフルナーと会い、トランプの首席大統領補佐官になるプリーバスとの面会も検討中という。共和党全国委員長のプリーバスは15年10月に訪台し、蔡英文と会談した親台湾派。この時、プリーバスに付き添ったのが台湾で宣教師の経験を持つイェーツだ。

 中国が40年を費やして国際社会にすり込み続けた「一つの中国」という概念。歴代米大統領も扱いに苦慮した高いハードルを、トランプは軽々と飛び越えそうな勢いだ。その時に生じる大波が、アジアの安全保障の常識を洗い流すのか。トランプの真意をもう少し見極める必要がある。(敬称略)
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