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「巨額損失組」の明暗 東芝と日本郵政

2017年05月15日 20時43分11秒 | 市場動向チェックメモ
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ15HZ8_V10C17A5000000/?dg=1&nf=1

「巨額損失組」の明暗 東芝と日本郵政
2017/5/15 18:00日本経済新聞 電子版

 東芝、日本郵政と海外企業の買収で巨額の損失を計上した企業が15日、2017年3月期決算に関する記者会見を開いた。経営再建中の東芝は買収失敗が債務超過に陥る主因となり、頼みの半導体事業の売却にも暗雲が垂れ込める。一方、日本郵政は4000億円の損失を計上し最終赤字になっても財務体質はなお健全。次なる買収にも目を向ける。両社のトップの発言は好対照なものになった。

15日に決算を発表した日本郵政グループと東芝。両社トップの発言は好対照なものとなった

 「巨額の欠損を出したことを重く受け止めている」。東京・港区の東芝本社。綱川智社長は2017年3月期の連結業績概要の記者会見に集まった報道陣やアナリストらを前に神妙な表情で陳謝した。監査法人のPwCあらた監査法人の意見はなく、東芝が独自に算出した概算値の最終損益は9500億円の赤字(前の期は4600億円の赤字)だった。

■債務超過5400億円の主因に

 巨額損失の原因は米裁判所に連邦破産法11条による再生手続きを申し立てた米原子力大手のウエスチングハウス(WH)だ。東芝はWH関連で1兆3500億円の損失を計上したのが響き、最終損益は3期連続の赤字に陥り、17年3月期は5400億円の債務超過の見通しとなった。

 東芝が06年に買収したWHは15年末に買収した米原子力建設サービス会社に関連した巨額の損失が発生。WH前会長が損失を抑えるため従業員に過剰な圧力をかけたともされている。WHの米連邦破産法11条の適用を申請した記者会見で綱川社長はWHの買収について「非常に問題のある判断だった」と総括している。

 東芝は財務基盤を改善するため、稼ぎ頭の半導体メモリー事業の売却手続きを進めているが、前途は多難だ。協業先の米ウエスタンデジタル(WD)は米国時間14日、売却差し止めを求め国際商業会議所(ICC)国際仲裁裁判所に仲裁申立書を提出。綱川社長は「(WDに)売却の手続きを止める根拠はない」と強調するが、手続きが難航すれば東芝の再建計画に支障が生じかねない。

 一方、日本郵政が15日発表した17年3月期の連結決算は、最終損益が289億円の赤字(前の期は4259億円の黒字)だった。15年に買収したオーストラリアの物流子会社、トール・ホールディングスの収益が悪化。約4000億円ののれんを損失処理し、民営化後初の最終赤字に転じたためだ。

 15日の決算発表時の会見での長門正貢社長の表情はひょうひょうとし、語り口は理路整然。実際、日本郵政はこの程度ではへこたれない。野村不動産ホールディングス(HD)を買収する検討も始めた。長門社長は買収について問われると、「(様々な可能性を検討しているという)すでに適時開示した事実以外に話す報告はない」と答えるにとどめた。

■買収失敗でも純資産は15兆円

 業界では「日本郵政は買収下手」との声も出て、トール買収で懲りてもよさそうだが、それでも再び大型買収を検討する背景にあるのは財務面の余力の大きさだ。3月末の手元資金は約53兆円あり、資本から負債を差し引いた純資産はグループで15兆円。債務超過に陥った東芝と状況は大きく異なり、大規模の減損をしても攻めの戦略を続けられるほど経営の屋台骨はしっかりしている。

 人件費増などコスト高に直面する郵便事業は「おいしい事業ではない」(長門社長)との危機感がある。日本郵政は郵便局に野村不HDのノウハウを導入し不動産の競争力を高める狙いがあるとみられる。ただ、市場では「地方中心の日本郵政が関東圏中心の野村不HDを買収して相乗効果を得られるかは疑問だ」(松井証券の窪田朋一郎氏)との見方がある。15日の日本郵政株は前週末比0.4%高にとどまった。

 “純投資”として見た場合、野村不HDへの投資は悪くはない。野村不HDは16年度の含み益を考慮した1株当たり純資産は3063円あった。この数字をもとに「実質的なPBR(株価純資産倍率)」を算出すると、12日時点で0.66倍にすぎず割安感があった。

 だが、事前に報道が出たため、TOB(株式公開買い付け)を織り込む形で野村不HD株は15日、値幅制限の上限(ストップ高水準)あたる前週末比25%高の2528円まで上昇した。割安感は解消された面があり、買収が成立しない可能性もある。

 「一般論として、たとえ大型減損の直後であっても関係ない。日本郵政にとって前向きな案件であれば決断していく」。長門社長は会見の質疑応答の最後にこう強調し、次の大型買収に含みを持たせた。

 「日本企業の大半はデューデリジェンス(資産査定)はしっかりやっている。欧米と大きな違いがあるとすればPMI(買収後の統合作業)だろう」。外資系電機大手の日本法人首脳は、東芝などの失敗例をもとにこう語る。買収後も子会社を「独立王国」のままで放置し、傷口を深めてしまうケースも多い。

 同じ巨額損失組でありながら、債務超過を脱する道筋が不透明になった東芝と、次の買収を模索をする日本郵政。既存事業以外に成長を求め買収に動く日本企業は多い。2社の事例は教訓にもなりそうだ。

(栗原健太、池田将、加藤貴行)
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