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中学受験、費用と効果は(スマートライフ)

2017年05月14日 13時36分17秒 | 市場動向チェックメモ
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO16298650S7A510C1K15200/?dg=1

中学受験、費用と効果は(スマートライフ)
(1/4ページ)2017/5/14 5:30日本経済新聞 電子版

いまや1都3県の7人に1人の子どもが受ける挑む中学受験。膨張する教育費は子どもを通じた将来への投資の側面もあるが、家計の圧迫も無視できない。中学受験は得か損か

■私立中高500万円増 塾代は上昇傾向

 千葉県浦安市の小学6年生、秋吉康平君(仮名)は来年2月の中学受験に向け、大手学習塾の早稲田アカデミー(4718)で勉強に励む。目標は最難関の開成中学。夏には長野県で4泊5日の合宿に入り、学力を一気に上げる。

電子黒板の設備も充実している進学塾「中学受験SPICA」(東京都目黒区)

 同学習塾の合宿は講師が「できたやつ!手を上げろ!」などと激しく競争心をあおることで有名だ。人気は高く、昨夏の参加者(小4~6)は約5100人に上った。昨年に続いて参加する康平君は「今年は最終学年なので、同じ志望校の人が同じ宿泊施設に集められる。とにかく勝ちたい」と意気込む。

 総務省によれば、今年4月1日時点の14歳以下の子供の数は1571万人と36年連続で減った。一方、中学受験者の数は3年連続で増えた。1都3県(東京、神奈川、埼玉、千葉)では7人に1人が中学受験に挑む。景気回復に加え、晩婚化・晩産化で親の収入が以前より高いことなどが要因とみられる。

 中学受験には多額の費用がかかる。文部科学省の調査では、高校卒業までの15年間の学校内外の教育費は、幼稚園と小学校が公立、中高が私立の場合に平均955万円。小学校のみ公立の場合は1040万円になる。他方、高校まで公立で通せば523万円だ。つまり中学受験は、わが子に400万~500万円の追加コストをかけることを意味する。

 特に費用が高いのが学習塾だ。最難関中学の進学実績で群を抜くSAPIX小学部では、小1~3の授業料が2万円以下だが、小4で3万6000円に跳ね上がる。小6は5万2500円になり、諸費用を含めると年間で約120万円かかる。授業料は上昇傾向にあり、SAPIXの広野雅明教育情報センター本部長は「著作権が厳しくなり、教材製作費の増加を授業料に転嫁せざるを得なくなった」と明かす。

 早稲田アカデミーや四谷大塚、日能研なども値上げに踏み切る。早稲田アカデミー中学受験部長の千葉崇博氏は「高い授業料は高い指導内容の証しだ。意識の高い家庭はむしろ授業料の高さに反応する」と胸を張る。

 複数の塾の掛け持ちも教育費を押し上げる。SAPIXに通う小6の約10%、早稲田アカデミーでは15%の子が他の塾にも通う。首都圏の中学入試は国語や算数など4科目が主流。大手学習塾の小6向け授業は週3~4日が多い。空いた日に他塾に通わせ、みっちり勉強させるというわけだ。

 早稲田アカデミーは昨夏、社内で指折りの講師をそろえる最難関中学専門塾「SPICA」を開校した。生徒はほぼ全員がダブルスクールで、「他塾と当塾を合わせた費用は年間でざっと300万円くらい」(SPICAの丸谷俊平氏)という。

 専業主婦世帯の減少も教育に影響を与えた。森上教育研究所の森上展安所長は「かつての『教育ママ』は、塾選びに熱心だっただけでなく、家庭での学習を直接手伝っていた。今の母親はほぼ塾任せ。学習内容に細かく口を出さない傾向が強い」と指摘している。

■「最低でもMARCH」かなえやすいか 「偏差値10のゲタ履く」結果も

 「私立中高で500万円」のコストに見合う効果を測るには、就職に直結する大学受験でどれだけ有利になるかに注目するのがよい。

 安田教育研究所の安田理代表は「最近、子供を最低でもMARCH(マーチ)に行かせたいと相談する親が増えている」と語る。MARCHは明治、青山学院、立教、中央、法政の5私大の頭文字を取った略語で「大企業が新卒採用の書類選考でふるいにかけるギリギリのライン」(安田氏)という。

 では、私立中高一貫校に進む場合と進まない場合では、MARCH進学にどれほどの差が生まれるのか。安田氏は「卒業生の50%がMARCH以上の難関大学に進んだ高校」に注目する。

 この条件に合う都内の私立中高一貫校Aは、中学受験の偏差値が50だ。言い換えれば、中学受験塾で全国平均の成績をとり、進学後も定期テストで中くらいに位置していれば、大学入試ではMARCHが妥当ラインになる。

 これが公立高校ではMARCHのハードルが上がる。首都圏の公立高校で条件を満たす学校は、受験偏差値が軒並み60を超す。つまり中学受験は「わが子に500万円をかけて偏差値10のゲタを履かせる経済行動」といえる。公立の中高一貫校の場合も中学受験の偏差値は60弱が目安。費用は安いが、MARCHのハードルは、やはり高い。

 ただ、受験に乗り気でない子を塾に通わせても費用が膨らむだけだ。

 ファイナンシャル・プランナー、鈴木さや子氏の小学6年の娘も最近、受験に後ろ向きな発言が増えた。先月、娘に「この付箋に、やりたいこととやりたくないことを書き出してみて」と言った。娘は「習い事はずっと続けたい」「塾は質問しやすいところがいい」などと書き込んだ。鈴木氏は「パパとママの収入には限りがあるの。だから自分で優先順位をつけてみて」と伝えた。

 相談の末、娘は通っていた塾を辞める代わりに、習い事と受験を両立できる塾に切り替えた。マネー相談の手法を応用したという鈴木さんは「子供にはお金の話をオープンにした上で、受験のメリットとデメリットをはっきりさせた方が良い。どんな裕福な家庭でも、教育費の上限を意識しないとブラックホールに陥ってしまう」と語る。

 また、仮に私立中高を経て名門大学に入学しても、子供が必ずしも親の納得する職に就くとも限らない。親子そろって望む就職に至るのか、親の意に反しても子供自身が満足する人生を歩むのか。中学受験の効果には様々な測り方があることも忘れてはならない。

■少子化はねのけ最高益 学習塾各社「我が子だけの教育」にニーズ

 少子化が進み、子どもの数が少なくなると塾業は厳しくなる――。そんな定説を覆すかのように、学習塾で最高益が相次いでいる。時代の変化や親のニーズをうまくくみ取り、好調な業績を出す企業を探った。

 「私立中学志望の方は基本的に入塾をお断りしている」。学究社の河端真一会長はこう明言する。同社は東京都の西部を中心に学習塾を運営しており、18年3月期の連結経常利益は17億5000万円と5年連続で最高益を更新する見込みだ。

 利益の源泉は、都立の中高一貫校で高い占有率を誇っていることにある。都立中学10校の一般枠の定員1401名のうち、学究社が手掛ける「ena」の占有率は48%にのぼる。単純計算すると約670名の生徒が合格している計算になる。

 都立中高一貫校は入学試験の形式が私立中学と大きく異なる。単純な暗記問題ではなく、「考える」問題として作文や適性試験を重視する。学究社は都立入試が導入されて以降、いち早く指導体制を整え、生徒の需要をつかんだ。河端会長が「入塾を断っている」のはこうした問題の形式の違いが大きい。

 個別指導塾「TOMAS」を運営するリソー教育も今期、経常最高益を更新しそうだ。18年2月期の連結経常利益は前期比18%増の24億円。今期は2期連続の最高益となりそうだ。

 同社が狙うターゲットは「富裕層」だ。個別指導塾は集団指導の塾とは異なり、生徒一人ひとりに寄り添った指導が売り。個別指導塾では生徒と教師の比率は「2~3人:1人」が一般的だが、リソー教育は1対1の指導にごだわる。生徒の数が減るとその分、指導料は高くなってしまうが、「きめ細かな指導が期待できる」と保護者からの評価は高い。

 矢野経済研究所の調査によると、16年度の学習塾・予備校市場は前年度比1%増の9650億円と、わずかながら3年連続で増加する見込みだ。子どもの数が減り続けているにもかかわらず、学習塾の市場規模が増加傾向を示しているのは、子ども一人にかける養育費が上昇している証拠だ。リソー教育は親の「高くても良いから、我が子だけの指導を」というニーズをくみ取り生徒集めに成功している。

 私立中学向けの集団指導塾、早稲田アカデミーも最高益に肉薄する。18年3月期の連結純利益予想は前期比6%増の7億2300万円と、08年3月期に記録した7億3100万円に迫る。

 「(業績好調の要因は)難関校への合格者が増えていること」(河野陽子専務取締役)と話すように、中学受験の合格者数が増え、その合格者数が生徒を呼び込むという好循環に入っている。17年度の入試では定員300名の開成中学に95名が合格した。辞退者を含めると合格者は300名以上に膨らんでいる可能性があるが、単純な占有率は約3割に達する。16年に開設した最難関中学の専門塾「SPICA」でさらに合格実績を上積みし、最高益の更新を狙っている。

■解けないと「うだつが上がらない」?

 東京大学の合格者数が36年連続で全国1位の開成学園(東京・荒川)。同校への入学そのものが難関だが、中学入試の算数は特に難問ぞろいで知られる。数学のノーベル賞と言われるフィールズ賞を日本人で初めて受賞した故・小平邦彦氏は自著で「開成中の算数を試しに解いてみたところ、制限時間内に解き切れなかった」と明かしている。

※キャプションなし

 社会科についても、大学入試レベルの手ごわい出題が目立ち、なかには社会科というよりも国語の教養を問うようなものもある。次に引用するのは2017年の入試問題だ。

 「図Eのように、屋根より一段高くして家の格式を示したり、また防火用としても用いられたりした小屋根を付けた壁を何というか答えなさい」

 正解は「うだつ」。隣りの家の火災が自分の家に燃え移るのを防ぐため、隣りの家との境にある屋根に設けた耐火壁=写真=のことだ。設置するのに多額の費用を要することから富の象徴とされ、出世できない様を指す慣用句「うだつが上がらない」の語源になった。

 SAPIX小学部で社会科の教科責任者を務める岡本茂雄氏は「慣用句を丸暗記するのではなく、その由来を調べる力が試されている」と語る。開成に通う生徒は、周囲からの期待もひとしおだろう。うだつの上がらぬ人生を送るわけにいかないプレッシャーも、人一倍かもしれない。

■校風や校長、人間形成に影響 東京大学教授、浜中淳子氏

 「学歴」は人間形成や職業上のキャリア形成に影響を与えるのか。教育社会学が専門の浜中淳子・東京大学教授に話を聞いた。

東京大学教授 浜中淳子氏

 ――学歴は何かと話題にしづらいテーマです。教育社会学の立場から、中高一貫校という学歴の意味をどう見ていますか。

 「日本人は学歴の価値を認めつつも、冷ややかな見方で捉える傾向が強い。『受験の勝者が真の実力者とは限らない』といったフレーズが語られるほか、開成や灘、桜蔭などの最難関の中学・高校出身者に対しては『頭でっかち』『挫折に弱い』といったネガティブな印象でひとくくりに表現することも多い」

 「しかし、同じ『超』進学校といっても、校風の違いが人間形成やキャリア形成に与える影響は無視できない。例えば、開成はボートレースや運動会などの学校行事に熱心だ。校長も『開成生とは集団のなかでたくましさを発揮する子』と自負する。一方で、灘は一にも二にも生徒や教師の『個性』を重んじる」

 ――ただ開成や灘の卒業生は、半数近くが東大に進みます。東大の影響力があっての灘、開成にすぎず、中高の校風がそれほど重要とは思えません。

 「そうとはいえない。校風の違いは、『早咲きの開成』『大器晩成の灘』となって現れる。民間企業に就職した両校のOBを調査したところ、30~45歳では開成OBの方が年収などで勝ることが分かった。開成OBは若手のリーダーとして早くから頭角を現し、よい意味での『優等生』となっていく」

 「ところが50代に入ると、年収や役職で灘OBが開成OBを逆転する。灘出身者は組織への執着が薄い半面、転職をうまく活用しながらキャリアアップする傾向が強い」

 ――中高一貫校でなければ、特色ある校風の学校にはめぐり合えないのでしょうか。

 「そうとも限らない。カギは校長先生の存在感だ。公立高校でも伝統ある進学校であれば、今でも名物校長が生徒の人生観によい影響を与えているところもある」

 「その一方で、中堅以下の公立校はますます没個性になっている。進学実績の数字を出すことにとらわれ、一見すると受験に関係のない『人間教育』を軽んじてしまうからだ。学校選びの際は、校長の人柄や校風も注目点だ」

溝呂木拓也、丸山大介が担当した。
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きいて!きいて!
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