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金融政策「平時」へ 市場の評価軸も転換期  編集委員 小平龍四郎

2017年03月21日 18時05分08秒 | 市場動向チェックメモ
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO14193190X10C17A3000000/?dg=1

金融政策「平時」へ 市場の評価軸も転換期  編集委員 小平龍四郎
(1/2ページ)2017/3/21 2:00日本経済新聞 電子版

 米連邦準備理事会(FRB)の3カ月ぶりの利上げを、世界の株式市場は冷静に受け止めたようだ。欧州中央銀行(ECB)も「デフレのリスクはおおむね消え去った」(ドラギ総裁)と見て、金融政策の正常化を探り始めた。金融危機という「有事」への対応として中央銀行が緩和で足並みをそろえる状態に、株式市場の投資家は慣れきっていた。今後は「平時」の金融政策とどう向き合うかが問われている。

 一時はダウ工業株30種平均が2万1000ドルを上回った米国だけでなく、米市場に引っ張られる格好で欧州など世界の株式相場はほぼ軒並み堅調だ。先進国の株価の動向を示すMSCIワールド株価指数はリーマン・ショック前を上回り、最高値圏で推移している。背景にあるのは世界経済の拡大への期待だ。1年前に世界を揺さぶった中国経済が構造問題を抱えつつも、財政の力で持ち直している点も大きい。中国の安定は新興国経済を覆っていた不安心理の払拭にもつながる。

 こうした環境で登場したトランプ米大統領がさらに減税やインフラ投資で自国の景気を後押しする姿勢を示したのだから、米株式市場が勢いづくのは当たり前だ。3月2日には動画・画像共有アプリを運営するスナップがニューヨーク証券取引所に上場。この赤字ベンチャー企業の時価総額が一時、283億ドル(約3兆2000億円)に達するなど、20年近く前のIT(情報技術)バブル期をほうふつとさせる場面もあった。

■米英は利上げモード、バブル懸念も

 当然のことながら、警鐘も鳴り始めている。ITバブル崩壊の予見の書とされる「根拠なき熱狂」を著した米エール大学のロバート・シラー教授は、CAPEレシオという指標を算出、公開している。景気循環の要因を取り除いたうえで、米主要500社の利益に対する株価の倍率を計算したものだ。現在、このCAPEレシオは30倍弱。ITバブル最盛時や1929年の大恐慌前に次ぐ割高な水準となっている。

ITバブル期をほうふつとさせる場面も。ニューヨーク証券取引所に上場した動画・画像共有アプリのスナップは、時価総額が一時283億ドル(約3兆2000億円)に達した=AP

 米国市場はバブルの兆候を示すサインも出始めている。このタイミングでFRBは利上げのギアを上げようとしている。2015年と16年には1年に1回の利上げにとどめたが、17年はあと2回、18年は3回の引き上げを予想する声が多い。「緩和縮小が遅れると将来に急激な利上げが必要になり、景気後退に陥る可能性がある」と語ったイエレンFRB議長の言葉に、バブルの芽を早期に摘もうとする中央銀の意思を感じ取った株式の投資家は少なくないだろう。

 欧州連合(EU)離脱に揺れる英国でも、イングランド銀行の金融政策委員会メンバーの間で利上げ論が浮上している。3月15日の議事要旨によると、フォーブス委員が0.5%への政策金利の引き上げを主張した。英国のインフレ率が政策目標である2%を長期にわたって上回ることを懸念しているという。経済の実体に照らして緩和的な金融政策が長く続けば資源配分がゆがみ、資産市場のどこかでバブルが発生するのは歴史が示すところ。日本から見ればEU離脱が英国景気に与える影響のほうが気になってしまうが、英金融当局は冷静に緩和の副作用を視野に入れる。

 金融政策は危機のショックを和らげるという有事対応から、景気循環に配慮した平時のものへと移っている。早期の利上げを視野に入れていない日銀の「我が道を行く」姿勢はここにきていっそう際立つ。普通に考えれば円安が進み、日本の株価の推移にも良い影響が出やすい地合いだが、日経平均株価は2万円台をなかなか回復できない。

■成長鈍い日本、市場は売上高の伸びに期待

日本株は企業の成長力の弱さから足踏みしている(写真は東京証券取引所)

 日本株が足踏みしている理由の一つは、企業の成長力の弱さだ。上場企業は2017年3月期に2期ぶりの最高益となりそうだが、売上高は前期に比べて3%ほど減る見通しだ。減収増益の決算はリストラや経費削減によるところが多いが、原材料費や人件費の上昇圧力が高まるなかでは何年も続けられるものではない。言い換えればデフレ対応型の決算であり、自国の株価が最高値圏にある米欧の投資家の目には迫力不足と映る。

 「業績ドライバーは売上成長へ」。ゴールドマン・サックス証券が16日に発表した、日本株市場に関する投資戦略リポートの表題だ。売上高の予想がアナリスト予想を下回る企業が多い現状を踏まえ、投資家は売上高の伸びに注目すべきだと指摘している。株式投資では利益(ボトムライン)が重視されることが多いが、売上高(トップライン)の伸びを伴わなければ企業としての成長は長続きしない。冷静になれば当たり前の理屈なのだが、金融危機後のデフレと中央銀の緩和政策に慣れきった株式の投資家には新鮮に響く。

 米欧の金融当局が平時モードに移行しつつある今、株式市場の評価軸も当然、変わってくる。


小平龍四郎(こだいら・りゅうしろう) 88年日本経済新聞社入社。証券会社・市場、企業財務などを担当。2000~04年欧州総局(ロンドン)で金融分野を取材。現在、編集委員兼論説委員。近著に「企業の真価を問うグローバル・コーポレートガバナンス」
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