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原料炭にも価格変動の波 悩める国内製鉄大手

2016年10月13日 19時32分05秒 | 市場動向チェックメモ
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO08111840X01C16A0000000/?dg=1

原料炭にも価格変動の波 悩める国内製鉄大手
(1/2ページ)2016/10/13 3:30日本経済新聞 電子版

 鉄鋼原料の値決め交渉が転換期を迎えている。鉄鉱石は2010年に随時契約(スポット)市場の価格に連動する方式に切り替わり、原料炭にも価格変動の振幅を大きくする波が押し寄せている。寡占化の進んだ生産業者の発言力が強まり、買い手の高炉各社は守勢に回る。中国など新興国の製鉄所の台頭で、長期契約での安定調達を重視する日本の高炉各社の存在感は低下した。高炉各社の契約価格は3カ月ごとに大きく変動するようになり、各社は原料炭では10~12月の価格が前期比2倍と高騰する状況下で調達戦略の練り直しを迫られている。

生産者はスポット価格連動の値決めを主張した(オーストラリアの鉄鉱石鉱山=ロイター)

■変化の背景に生産企業の再編

 日本の鉄鋼大手は長く資源メジャーとの話し合いで、年度ごとに契約価格を決める「ベンチマーク交渉」を原料調達の基本としてきた。鉄鋼各社は調達コストを固定でき、資源大手も安定した収入を元手に長期的な視野に立って鉱山開発を進めることができた。

 鉄鉱石では新日鉄住金とブラジル資源大手ヴァーレが交渉役を担い、年間の契約価格の世界的な指標となっていた。信頼関係をベースにした交渉というウエットな値決めに終止符が打たれたのは、資源価格が高騰していた10年だ。ヴァーレは新日鉄住金に対し一方的に、3カ月ごとにスポット市場連動で価格を自動的に見直す方式に切り替える方針を伝えたという。

 原料生産者にとっては年度初めに決めた価格を1年固定するよりも、頻繁に価格を見直した方がスポット相場の上昇を販売価格に反映できる。交渉を省略し、スポット市場の価格だけを指標とするドライな関係ともいえる。

 鉄鉱石では2000年代に生産企業の再編が相次ぎ、海上貿易ではヴァーレ、英豪リオ・ティント、豪英BHPビリトンの3社でシェアを分け合う寡占化が進んだ。需要家サイドでも中国で鉄鉱石の輸入量が大幅に増え、スポット契約で輸入する中国の製鉄所の価格への影響力が強まった。市場の構図が大きく変わるなか、新日鉄住金など日本の高炉は不満を抱えつつも、ヴァーレの要求を受け入れざるをえなかった経緯がある。

 スポット価格連動への切り替え後、日本の高炉が調達する鉄鉱石の契約価格は11年に1トンあたり170ドル前後まで急上昇した。その後は資源価格の急落で今年4~6月期は40ドルを割り込んだが、7~9月は再び53ドルまで上昇するなど、振れ幅が大きくなっている。

 価格変動の波はもうひとつの製鉄原料である原料炭にも押し寄せている。原料炭でも値決めは3カ月ごとに切り替わったが、今でも需要家と生産業者が交渉で価格を決めている。スポット市場の価格を参考とするものの、新日鉄住金と英資源大手アングロ・アメリカンなど生産者が直接交渉で最終的な価格を決めるスタイルだ。原料炭の海上貿易では鉄鉱石ほど中国の市場シェアが高くなく、日本の高炉の発言力も残っているためだ。中小の生産者にはスポット価格連動を敬遠する声が根強い。

■急拡大するスポット取引

 ただ生産者の寡占化が進むにつれて、風向きは変わりつつある。日本の高炉各社が多く使う高品位の原料炭ではBHPビリトンが市場シェアの拡大に突き進み、アングロ・アメリカンの持つ鉱山にも食指を動かす。アングロの鉱山権益を取得すれば、原料炭市場のガリバーとなるのは確実だ。

 日本の高炉にとって頭痛の種は、BHPがスポット市況連動を打ち出していることだ。BHPは透明性の高いスポット取引の価格を指標として育成する目標で、原料炭のほぼすべてを市況連動で中国やインドなどの製鉄所に販売している。取引の規模を増やし、スポット価格の指標性を高める戦略だ。

 中国やインド勢の台頭で、海上貿易におけるスポット取引の比率は6割を超え、過去5年で30ポイント上昇した。BHPは日本の高炉に対しても長期契約に応じる姿勢をみせず、鉄鋼メーカーには鉄鉱石の二の舞いとなりかねないとの警戒感が広がる。

 一足早く対応を迫られたのは電力業界だ。発電用石炭(一般炭)ではスポット取引が急拡大し、価格変動リスクを抑えるためのデリバティブ市場の整備も進んだ。東京電力ホールディングス子会社と中部電力が共同出資する燃料事業会社JERA(東京・中央)は石炭の外部販売やトレーディングに取り組む。旧来の安定調達にとどまらず、石炭の価格変動をビジネスの種にする新たな挑戦ともいえる。

 シンガポール取引所(SGX)の商品調査部門長、エイドリアン・ラント氏は「原料炭でも将来的にスポット契約が主流となり、需要家は価格変動リスクをヘッジ(回避)するニーズが出てくるだろう」と予測する。高炉各社は今後に原料価格の上昇を鋼材製品に転嫁できるとは限らず、原料の調達に知恵が問われている。

(商品部 金子夏樹)
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