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「憲法改正」が株式市場に落とす影  編集委員 小平龍四郎

2017年05月14日 13時30分06秒 | 市場動向チェックメモ
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO16281630S7A510C1000000/?dg=1

「憲法改正」が株式市場に落とす影  編集委員 小平龍四郎
(1/2ページ)2017/5/14 6:30日本経済新聞 電子版

 安倍晋三首相が憲法を改正し、9条に自衛隊の存在を明記する考えを表明しました。憲法改正は投資家にとってもひじょうに大きなニュースです。日本株に投資するうえで最大の手がかりだったアベノミクス(安倍首相の経済政策)が停滞する可能性をはらんでいるからです。欧米では政治リスクが後退しつつありますが、日本では「憲法」という政治の不確定要因が今後、市場に影を落とす可能性もあります。

憲法改正を訴える会合に寄せられた安倍首相のビデオメッセージ(3日)=共同

 安倍首相が自らの改憲構想を示したのは5月3日、民間団体のフォーラムに寄せたビデオメッセージのなかでした。中身は「2020年に新憲法施行」「憲法9条の1項と2項を残したうえで新たに自衛隊の存在を書き加える」など、おおかたの想定を超える踏み込んだものでした。高等教育の無償化を示唆する発言もありました。休日の報道に驚かれた市場関係者も多かったことでしょう。

■構造改革・財政再建先送りの懸念

 手続きとしては今後、国会の憲法審査会の議論を経たうえで、衆参両院それぞれ総議員の3分の2以上の賛成で改憲案を発議。その後、60~180日以内の国民投票で、有効投票総数の過半数の賛成を得ることができれば、改正の運びとなります。そこに至る過程では安倍首相の3選や解散・総選挙など、さまざまな政治イベントが起きることも予想されます。野党の抵抗で国会が空転するような懸念もなきにしもあらずで、投資家が気をもむ場面が増えるかもしれません。

 経済政策の視点でいいますとアベノミクスの第3の矢、構造改革への取り組みがおざなりになるリスクがあります。もともと安倍内閣の政策の本丸は外交や安全保障、憲法問題であり、アベノミクスによる経済の再生は本当にやりたいことをやるための環境整備――。安倍内閣の登場とともに日本株を買い進んできた外国人投資家の間には、そうした冷めた見方があったのも事実です。筆者の知るニューヨークのファンド運用者は改憲報道に接し「ついにきたか」と思ったそうです。

 日本の市場関係者では、BNPパリバ証券のチーフエコノミストである河野龍太郎さんが、懸念をいち早く表明しています。5月10日付の「憲法改正の経済政策へのインプリケーション」と題するリポートを紹介します。

 政治的に容易ではない憲法改正が安倍政権の最大目標となることにより「経済政策については、与党内、与野党間で政治的対立を招く政策や、国民の反発を招きやすい政策は、先送りされる可能性がますます高まった」。どんな政策が先送りされやすいかといえば構造改革や財政再建で「財政面において、当面の最大の懸案事項は消費増税である」と河野さんは指摘します。また改革を避けつつ景気悪化を避けるために「金融政策についても、緩和継続が政治的に要請されるだろう」と見ています。

日本の変化を期待していた投資家は、日本企業への投資を敬遠するようになるかもしれない

 アベノミクスの第2の矢(財政政策)は制約が大きく、第3の矢(構造改革、成長戦略)が回避される結果、第1の矢(金融緩和)に頼る比重が高まるというわけです。

■投資家、日本企業への投資敬遠も

 日本の外に目を転じますと、米国では連邦準備理事会(FRB)が利上げを始めており、年内には量的緩和で膨張した資産の縮小に動くとされています。日銀が緩和を続けるとすれば外国為替市場では円安・ドル高が進み、株価が上昇しやすくなるという筋書きも考えられます。

 一方で、労働市場や社会保障などの構造改革が先送りされる結果、日本の変化を期待していた投資家は、日本企業への投資を敬遠するようになるかもしれません。安倍首相は経済改革に及び腰との見方が増えていますが、高い支持率や安定した政権基盤などの政治資本(ポリティカルキャピタル)を利用して「いつかはやってくれる」と信じる向きもありました。しかし、投資家の期待に反して安倍首相は自らのキャピタルを「憲法改正」に注ぎ込むことにしたわけです。それが株式市場に送るメッセージは決して明るいものではないでしょう。


小平龍四郎(こだいら・りゅうしろう) 88年日本経済新聞社入社。証券会社・市場、企業財務などを担当。2000~04年欧州総局(ロンドン)で金融分野を取材。現在、編集局編集委員兼論説委員。
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