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羽田への地の利で「新橋超え」も、浜松町再開発

2016年12月13日 12時09分22秒 | 市場動向チェックメモ
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO08979510R31C16A0000000/?dg=1

羽田への地の利で「新橋超え」も、浜松町再開発
(1/3ページ)2016/12/13 6:30

日経アーキテクチュア
 羽田空港(東京国際空港)へのアクセスの良さが売り物の浜松町エリアで、JR東日本や東急不動産、野村不動産ホールディングスがそれぞれ大規模な再開発に乗り出した。今後、特にオフィスの供給量が急激に増加し、ビジネス街としてさらなる発展を遂げそうだ。

■駅前に超高層オフィス林立

都市再生ステップアップ・プロジェクト(竹芝地区)の業務棟の外観イメージ(図:東急不動産)

 浜松町駅には、JR山手・京浜東北線と東京モノレールが乗り入れる。数ある周辺の大規模再開発のうち、先陣を切ったのが、「(仮称)浜松町駅前プロジェクト」。浜松町駅西側の約3.2ヘクタールの土地に、世界貿易センタービルの建て替えを含め、複合ビル5棟を建設する計画だ。都営地下鉄大門駅にも直結する。

 複合ビルにはオフィスを中心に、店舗やカンファレンス施設、コンベンションホール、医療センターなどが入る。このほか、外国人滞在支援機能も持たせ、MICE(企業などの会議=Meeting、報奨・研修旅行=Incentive Travel、国際会議=Convention、展示会やイベント=Exhibition、Eventの頭文字)機能を強化する。羽田空港に近い地の利を生かす。

(仮称)浜松町駅前プロジェクトの完成予想図。旧芝離宮恩賜庭園側(東側)から見たところ(図:JR東日本)

(仮称)浜松町駅前プロジェクトの大門通り(北側)から見た広場や歩行者デッキのイメージ(図:JR東日本)

(仮称)浜松町駅前プロジェクトA街区に設けるステーションコアのイメージ(図:JR東日本)

 事業主体は東側(駅側)のA街区が世界貿易センタービルディング、東京モノレール、東日本旅客鉄道(JR東日本)など。西側のB街区は日本生命保険と大林組。A街区に先行してB街区では、2015年11月から高さ156mの「ニッセイ浜松町クレアタワー」の建設工事が進んでいる。

(仮称)浜松町駅前プロジェクトB街区は建設工事中。設計は大林組。2018年8月に竣工予定(写真:赤坂麻実)

 さらにB街区の南側で、浜松町二丁目C地区市街地再開発事業の再開発準備組合も設立され、浜松町駅やA街区、B街区とデッキで接続することや、建設する複合ビルに港区の文化芸術ホールを整備することなどが計画されている。文化芸術ホールはもともと、隣の田町駅北口に整備する計画があったが、東日本大震災の影響によって中止となっていた。多様な用途に対応する600席級のホールが、浜松町に誕生することになった。

■首都高をまたいで浜松町と竹芝を直結

 浜松町駅の東側、東京臨海新交通臨海線(ゆりかもめ)の竹芝駅付近では、東急不動産と鹿島が都市再生ステップアップ・プロジェクト(竹芝地区)を推進している。東京都計量検定所跡地など計約1.5ヘクタールに39階建て、高さ210mの業務棟と、21階建ての住宅棟を建設するもので、2016年5月に着工した。

都市再生ステップアップ・プロジェクト(竹芝地区)の位置図(図:東急不動産)

都市再生ステップアップ・プロジェクト(竹芝地区)業務棟のテラスのイメージ(図:東急不動産)

 計画地と浜松町の街は、海岸通り(都道316号)と高架の首都高速都心環状線で隔てられているが、本プロジェクトでは首都高をまたいで浜松町駅と直結する歩行者デッキの整備を計画している。低層部には水田を含む大規模な緑化テラス、最上階には浜離宮・東京湾を一望できる交流ラウンジを設けるなど、竹芝のイメージアップや浜松町のエリア拡大につながるプロジェクトになりそうだ。

首都高の東側で都市再生ステップアップ・プロジェクト(竹芝地区)の建設工事が進んでいる。設計は久米設計(写真:赤坂麻実)


■四季劇場や旧・東芝本社も再開発

 加えて、竹芝側ではJR東日本が、ホテルや劇場を整備する竹芝ウォーターフロント開発計画を推し進める。計画地は浜松町駅の北東で、現状はJR東日本アートセンター四季劇場[春]・[秋]やシーサイドホテル芝弥生が建つ約2.3ヘクタール。ホテル、オフィス、商業の26階建て複合ビルと、劇団四季の劇場棟、汐留川の北側対岸の浜離宮恩賜庭園を望める屋外広場などを整備する。ホテルはインターナショナルブランドと提携したラグジュアリーホテルになる予定だ。

竹芝ウォーターフロント開発計画の完成予想図。浜離宮恩賜庭園側から見る(図:JR東日本)

竹芝ウォーターフロント開発計画の位置図(図:JR東日本)

 さらに、浜松町駅の南側、芝浦運河沿いの約4.3ヘクタールの区域で野村不動産ホールディングスが再開発を予定している。浜松町駅と歩行者デッキで接続し、かつて東芝が本社機能を置いていた浜松町ビルディングなどがあるエリア。国家戦略特区の指定を申請しており、2017年中をメドに都市計画決定する見込み。水辺のにぎわいの創出や舟運の活性化、先端水素技術の発信などを通じて、観光・ビジネス交流拠点を整備する考えだ。

首都高・浜崎橋ジャンクションの下に古川。野村不動産らの芝浦一丁目計画(現・浜松町ビルディングのある区域)はこの南(写真:赤坂麻実)

■成功のカギは羽田アクセス以外の特色

 新たな開発案件は駅前プロジェクトを除いて海側に集中しているが、もともと内陸側(西側)の大門、芝公園方面にも芝パークビルなど、大きなオフィスビルが多い浜松町。再開発によりオフィス床がエリア全体で10万坪ほど増え、新規ベースでは新橋エリアを上回る規模になる。しかし、需給のバランスは取れるのだろうか。

増上寺の大門。増上寺が1598年に現在地に移り、徳川将軍家の菩提寺となった頃から、増上寺の関係者が周辺に移り住み、海岸が埋め立てられて浜松町の街が形成された歴史がある(写真:赤坂麻実)

芝公園。周辺は環境が良く、企業にも人気(写真:赤坂麻実)

 「ビジネス街として羽田空港へのアクセスは魅力。これまでは東京-品川間に位置して賃料が手頃ということで、需要は堅調だった。街のブランドを特に必要としない製造業の拠点になることも多かった。しかし、今後急増する供給量をさばくには、羽田アクセス以外の特色も必要になるだろう」(三幸エステートの今関豊和チーフアナリスト)

 海側の街並みが刷新されれば、街全体のイメージの底上げにつながるはずだが、都市間競争をどう勝ち抜くのか、開発を主導する各社の戦略が注目される。

1フロア100坪以上の新規オフィス供給量の推移。単位は坪、対象は東京都内、2017年以降は予定。うち浜松町駅近辺の物件を特記で示した。オフィス貸床面積が1万坪を超える大型プロジェクトが目白押しだ(資料:三幸エステートの資料に日経アーキテクチュアが作成)

新橋、浜松町、田町の各駅周辺におけるオフィス賃料の推移。単位は円/坪。浜松町駅周辺は今年に入ってから緩やかに上昇が続いている ※新橋駅周辺:新橋、西新橋、東新橋 浜松町周辺:浜松町、芝大門、芝公園、海岸1丁目 田町駅周辺:芝、芝浦(資料:三幸エステートの資料を基に日経アーキテクチュアが作成)

浜松町エリアの北端辺りのJR線路沿いには、三井不動産レジデンシャルの37階建てマンション「パークコート浜離宮 ザ タワー」(563戸)が2018年10月に竣工予定。写真左奥にはタワーマンションの「アクティ汐留」が見える(写真:赤坂麻実)

(フリーライター 赤坂麻実)

[日経アーキテクチュアWeb版2016年10月27日号の記事を再構成]
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