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トランプ発言の余波に悩む中国・台湾の首脳

2016年12月31日 19時37分07秒 | 市場動向チェックメモ
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO10970660S6A221C1000000/?n_cid=DSTPCS019

トランプ発言の余波に悩む中国・台湾の首脳
(1/3ページ)2016/12/31 6:30
中国 台湾

The Economist
 中国政府関係者によれば、ある記念すべき施設の大規模な刷新・修復が12月末までに完了するという。この施設は、1990年代半ばに台湾海峡で米中間の緊張が高まり、二大核保有国である米国と中国が一触即発の危機を迎えた時のものだ。

北京にある、台湾をテーマにした商業地区。中国は、もし米が台湾を容認するという政策変更を行ったら、米中関係に深刻な影響をもたらすとした=AP

 近年の歴史において、この時ほど両国間の緊張関係が高まったことはない。舞台となったのは、台湾海峡の中国沿岸にほど近い場所に浮かぶ小島、福建省平潭島だ。100人を超える将軍がここに立つコンクリート造りの塔の天辺から、眼下の様子を見下ろしている。浜辺で、中国軍が台湾へ侵攻する訓練を繰り広げているのだ。

 今、塔の壁には「中台を統一し中国を活性化せよ」と金色の文字で書かれたスローガンが掲げられている。かつて戦車や軍隊が集結し、戦闘機が頭上を行き交った地でこうしたスローガンを掲げることは、必要なら武力に訴えても台湾を統一するという意思表示に他ならない。

■トランプ氏、米中関係の琴線に触れた

 現在、平潭島に観光客を呼び込むための様々な工事が行われている。その対象は塔の駐車場の拡大や、塔までの道路の修復にも及ぶ。こうした工事が行われているのは、偶然かもしれない。12月11日、米国の次期大統領、ドナルド・トランプ氏は米フォックスニュースのインタビューに答え、中国が対米関係における絶対的な前提と見なしている「一つの中国」の原則に疑問を投げかけた(「一つの中国」とはつまり、台湾を正式な国家として認めないことを意味する)。

 中国政府は怒りのあまり、1995年に何が起きたかを、中国人民と米国に思い出させる挙に出る可能性がある。同年、ビル・クリントン米大統領(当時)は李登輝総統に米国への私的な訪問を許し、この原則に抗する姿勢を見せた。これを契機に、米中間の緊張が一気に高まった。

 こうしてみれば、中国が今、平潭島に大量の観光客を迎え、バスに満載の観光客を中国軍幹部が急襲訓練を見下ろしていた丘に運ぼうとしているのは、まさにタイムリーと言えるかもしれない。

 1995年の状況と比べれば、現在、両国関係はそれほど危うい状況にはない。この時、中国は擬製ミサイルを台湾近海に発射。対する米国は平潭島近くに空母打撃群2隊を派遣し、台湾を攻撃しないよう中国に警鐘を鳴らした。中国はトランプ氏の発言(と12月2日の蔡英文・台湾総統からトランプ氏への祝いの電話)に激怒しているものの、トランプ氏が2016年1月20日の大統領就任以降も「一つの中国」の原則を巡って挑発を続けない限り、報復行動に出る公算は小さい。

 蔡総統が5月に就任して以降、中国は台湾への風当たりを強めている。台湾との外交チャネルを閉ざし、蔡総統が一つの中国の原則受け入れを拒否したことに不快感を表明した。

 だが、トランプ氏が一つの中国の原則に懐疑を示していることに、葵総統自身、不安を感じているかもしれない。トランプ氏は「どうして我々が『一つの中国』政策に縛られなければならないのか分からない。通商を含めて、色々な面で中国と取引があるなら別だが」と発言した。さらに、中国は通貨価値を切り下げたり、南シナ海において人工島を建造したりして、米国に「大きな損害をもたらしている」と指弾した。北朝鮮問題に関しても、「我々に一切協力しない」と中国を非難した。

 多くの台湾人は、これらの発言は、トランプ氏が台湾を交渉カードに使おうとしていることを意味するのではないかと危惧している。冷戦時代、米国と中国が国交回復交渉をひそかに進めたことは、今も台湾の人々の脳裏に焼き付いている。これにより1979年、米国と台湾は断交に至った。

 蔡政権は、トランプ氏の発言に対して直接コメントするのを差し控えている。トランプ氏と電話で会談したことについて公に言及するのを避けている背景に、中国との緊張が高まるのを回避したいとの考えがあることは明らかだ。

■トランプ発言は習近平にも悩みの種

 トランプ氏の発言は、どのような時であれ、中国の指導者の怒りを買っただろう。だが、今回の発言は習近平国家主席にとって、とりわけ時機が悪かった。習国家主席は現在、2017年末に開催される共産党大会の準備に忙殺されている。次期党大会では、中央政治局およびその他の党組織の体制一新が発表されるとみられている。

 習国家主席による人事案を阻止しようともくろむ人々は、米国に対し弱腰だと映る兆候を同国家主席が見せれば、すかさずその機に乗じようとするだろう。台湾との関係はその格好の材料となる。トランプ氏が一つの中国の原則に抗い続ければ、次期共産党大会が近づくこの時期、中国側の反応が常にも増してエスカレートする恐れがある。

 とりわけ、中国と台湾の相違は「後世に引き継がれるべきではない」と習国家主席が主張していることを考えれば、なおさらだ。政府内のタカ派勢力は、今が台湾問題を力づくで解決する絶好の機会だと訴えるかもしれない。

 中国国内で反米あるいは反台湾デモへの機運が高まれば、習国家主席は妥協することが一段と困難になるだろう。彼自身、ナショナリストの怒りの矛先が向けられることを恐れているとみられる。

 だが、そうした事態が生じるリスクは小さいかもしれない。習国家主席が2012年に政権を掌握して以降、ナショナリストによる大規模な抗議活動は起きていない。その一因は、同国家主席が社会的・政治的管理を強化してきたことにある(かつてないほど大量の反体制派を拘束してきたこともその1つ)。

 清華大学の孫哲教授は、台湾問題について大規模なデモが起きる公算は小さいと語る。孫教授によれば、「彼らは新しいルール、すなわち政治的な規律の強化に改めて焦点が置かれるようになったことを理解している」。また同教授によれば、トランプ氏は大富豪であることや、予想外の政治的成功を成し遂げたことで、多くの中国人から今も称賛されているという。中国国民は「トランプ氏は中国と取引したがっている」(同教授)。

 台湾の一部の人々は、トランプ氏が台湾との関係を変えるのは難しいであろうことに、安心感を抱いている。例えば、武器の売却を恒久的に停止すると発表するのは困難だ。台湾への武器売却は、台湾関係法で保障されている。1979年に成立した台湾関係法は、公式な国交を断絶した後も、「米国は台湾防衛に関心がある」と台湾の人々に納得させることを目的としている。

 米共和党員の多くは台湾に同情的で、同法の変更には消極的だと思われる(この法律自体、一つの中国という考えに挑戦するものだが、中国はしぶしぶ受け入れている)。

 中国政府の姿勢が、軍事演習を強行した20年前とは変わっていると見受けられることも、台湾にとって安心材料の1つかもしれない。今年4月、人民日報の国際版、環境時報は、武力による台湾統一に関する世論調査の結果を掲載した。

 同調査によれば、回答者の85%が武力による台湾統一に賛成しており、最適な時期は向こう5年以内とする回答が58%に上った。だが報道によれば、中国のインターネット監視当局は、環境時報を厳重注意した。このような調査を実施すれば「デリケートな問題について騒ぎを引き起こす」との理由だった。

(c)2016 The Economist Newspaper Limited. Dec 17th 2016 All rights reserved.

英エコノミスト誌の記事は、日経ビジネスがライセンス契約に基づき翻訳したものです。英語の原文記事はwww.economist.comで読むことができます。
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