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中国景気、楽観論にご用心 減速の予兆も  編集委員 村山宏

2017年05月15日 13時38分50秒 | 市場動向チェックメモ
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO16171620Q7A510C1000000/?dg=1

中国景気、楽観論にご用心 減速の予兆も  編集委員 村山宏
(1/2ページ)2017/5/15 3:00日本経済新聞 電子版
中国

 やはりというか、中国景気への楽観論が復活してきた。昨年まで中国経済への見通しは悲観論一色だったが、今年は国内総生産(GDP)の伸び率が上向きに転じており、国外から中国を見る目も再び楽観論に切り替わりつつある。その時々のデータしだいで経済見通しは楽観論と悲観論の両極端を繰り返すが、とりわけ中国は振れ幅が大きい。楽観論が優勢になりつつある中国景気だが、筆者は再び成長は減速に転じる恐れがあると考えている。

■再び投資規制、住宅価格は頭打ち

今回の景気好転は中国政府の一時的な“バブル容認”の結果だ=AP

 中国の今年1~3月期のGDPの伸び率は6.9%(前年同期比)だった。昨年7~9月期の6.7%、10~12月期の6.8%から、少しずつだが上向いている。景気の改善を受けてメディアが伝える論調も変化が見られる。米経済誌のフォーブス(ネット版)は3月30日付で「中国の奇跡は終わらない――奇跡は第2段階に入った」という寄稿論文を掲載した。日本でも文藝春秋5月号が「中国経済失速論にだまされるな」という論文を載せている。

 こうしたなかで目を引くニュースがあった。8日に日経QUICKニュースが流した「浅川財務官『中国経済の鈍化傾向が世界経済のリスク』」という短い記事だ。浅川雅嗣財務官は8日に講演し、世界景気は回復基調にあるものの「中国は例外の恐れがある」と指摘したという。「えっ逆ではないのか。中国景気の回復が世界を引っ張るのでは」というのが多くの方の感想ではないだろうか。浅川氏の発言の詳細は不明だが、筆者には中国景気の脆弱性についてはうなずけるものがある。

 中国景気は昨年の第4四半期から加速に転じたが、ピークを過ぎたように見える。というのも今回の景気好転は中国政府の一時的な“バブル容認”の結果だからだ。13年まで続いた住宅価格の高騰を受け、中国政府はマンションへの投資(購入)規制を導入した。その結果、14年以降に住宅価格は下がったものの、景気の減速が鮮明になってしまった。景気減速を食い止めるため、中国政府は一昨年から昨年初にかけて投資規制の緩和に踏み切った。

 中国政府の狙い通り、昨年の春ごろからマンション販売が活気づき、景気の好転につながった。しかし、マンション投資の規制を緩めた結果、マンション価格の高騰をまたもや招いてしまった。上海や北京では年収の30倍以上を出してもマンションが買えないほどの“バブル”が生まれている。中国政府はいったんは緩めた投資規制を昨年秋から再び強めざるを得なくなった。規制再強化で上海、深圳など大都市の価格上昇は頭打ちとなった。

 もう一つ目を引いたのが、第一財経など中国メディア(ネット版)が4月23日に流した「1~3月期ではまれな財政赤字」という報道だ。中国は年後半に財政支出を増やし、赤字になるのが通例だが、今年は早々に赤字となった。第1四半期の赤字は09年にデータが公開されるようになってから初めてという。景気対策としてインフラ投資、減税など財政出動を繰り返した結果だ。中国政府が赤字拡大を放置するとは思えず、今後は支出を締めてくるだろう。

 マンション投資とインフラ投資の双方にブレーキがかかりそうな形勢のなかで、昨秋から上昇してきた中国の鋼材価格は3月に入って下落基調に転じた。日経電子版は4月21日に「鉄鉱石1カ月で3割安 スポット価格、中国の鋼材下落波及」と報じている。景気が再減速すれば、中国内の過剰生産設備や不良債権問題にも再び懸念が広がりかねない。浅川財務官が指摘したように、中国景気の鈍化は世界経済へのリスクとして残っている。

■長期的に伸びるビジネスも

中国経済の見方は、国土が広く、地域・企業ごとの格差が大きいこともあり極端な言説が生まれやすい=ロイター

 ただし、ここで忘れてはならないのは、中国の経済成長が再び減速し、最悪の場合「中所得国のわな」と呼ばれる停滞に陥ったとしても、長期的なビジネスチャンスは残るという点だ。地域や業種によってはなお高成長が続いているところもある。人工知能(AI)、通信系コンテンツ、医療・薬品、高齢者福祉などは景気動向とは関係なく、長期的には確実に伸びる。景気判断や投資リスクの分析とともに、将来のビジネスチャンスも意識すべきだろう。完全な中国悲観論に陥っては投資機会を失ってしまう。

 中国ほど楽観論と悲観論の振れ幅が大きい国はない。「米国を抜いて世界一の経済規模になる」という楽観論から、「経済が失速し崩壊する」という悲観論までメディアを飛び交ってきた。国土が広く、地域・企業ごとの格差が大きいうえ、14億人に迫る人口の多さと、さらには公開される情報への不信感が相まって極端な言説が生まれやすい。筆者は常に「あまり楽観すべきでもないし、悲観すべきでもない」と自分に言い聞かせている。

 もっとも、こと足元の景気に関しては楽観論になびけないことを最後に繰り返しておきたい。


村山宏(むらやま・ひろし)
1989年入社、国際アジア部などを経て現職。仕事と留学で上海、香港、台北、バンコクに10年間住んだ。アジアの今を政治、経済、社会をオーバーラップさせながら描いている。趣味は欧州古典小説を読むこと。アジアが新鮮に見えてくる。
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