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大リーグ選手が突きつけた「ウエアラブル」の課題 渡辺史敏 ジャーナリスト

2017年05月15日 13時42分09秒 | 市場動向チェックメモ
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO15577700R20C17A4000000/?dg=1

大リーグ選手が突きつけた「ウエアラブル」の課題
渡辺史敏 ジャーナリスト
(1/2ページ)2017/5/15 6:30

スポーツイノベーターズオンライン
 選手の生体データや試合中のパフォーマンスに関するデータを取得して、選手の体調管理やケガ予防、パフォーマンスの改善につなげる――。「スポーツセンシング」がさまざまな競技に広がるなか、米大リーグ(MLB)では2017年シーズン、選手の生体データを計測するために試合中に装着できるウエアラブル端末の種類が昨シーズンより1つ増えた。

ウープの「ウープ・ストラップ」(写真:ウープ)

 新たに使用が認可されたのは、米ウープの「ウープ・ストラップ」。腕時計のように手首に装着するタイプの端末で、心拍数や心拍の安定性、体温、動作、睡眠などの生体データを測定し、3日分のデータを蓄積できる。

 同社は昨シーズン、マイナーリーグの選手200人に試合以外の全ての時間に同端末を装着させ、遠征による疲労からの回復度合いなどを測定。そのデータを解析したところ、「遠征後に遠征直前の体の状態に戻るには2日を要する」ことなどが判明した。それらの測定結果はオフシーズンのMLB機構の年次会議で報告され、高い評価を受けたことが今回の認可につながった模様だ。

ウープ・ストラップのアプリ画面(写真:ウープ)


■肘の負傷を防げ
 ウープ・ストラップに先んじて、昨シーズンには2種類のウエアラブル端末の試合中での使用が認可されている。米モータスの「モータス・スリーブ」と、ニュージーランドを拠点とするゼファーの「ゼファー・バイオハーネス」である。

米モータスの「モータス・スリーブ」(写真:モータス)

 モータス・スリーブは腕用サポーターの肘部分に、6軸の加速度センサーとジャイロセンサーを内蔵する3Dセンサーが搭載されている。このセンサーは腕の動作速度、投球数、ねじりモーメントなど、投球に関するデータを測定可能だ。さらに打者のスイングも測定でき、データを近距離無線通信のブルートゥースでスマートフォンにリアルタイム、もしくは事後にまとめて転送可能だ。

 この端末から得られるデータによって、近年大きな問題となっている投手の肘の負傷、特に肘靱帯再建手術(トミー・ジョン手術)を受けなければならないような深刻な事態の発生防止に役立てることが目的だ。

 一方、ゼファー・バイオハーネスは胸部に巻くハーネス型端末。心拍数や呼吸といったバイタルデータを測定できる。

ゼファーの「ゼファー・バイオハーネス」(左)とセンサー部の拡大写真(右)(写真:ゼファー)

 これらの他にもウエアラブル端末としては、一般にも普及している「フィットビット」や「Nike+iPad」などもあるし、野球向けとしては米ブラストモーションや米ゼップ・ラボズといった企業が販売するバット用センサーやスイングトラッカーといった打撃解析用端末も複数存在する。これらの端末は試合中には使用できないものの、試合前の練習などで採用するチームが増加している。

 さらにウエアラブル端末ではないが、MLB傘下のMLBアドバンスト・メディアがミサイル追尾用のレーダーと光学カメラを利用したプレー解析システム「スタットキャスト」を2015年シーズンから球場に導入し、改良を重ねている。今シーズンからは、打球の捕球前にヒットになる可能性(打球の落下地点予測と守備選手の移動速度のデータから予測)の表示が始まった。

■NBAは契約交渉におけるデータ使用禁止
 このように見ていくと、ウエアラブル端末はMLBの現場へ急速に浸透しているように思えるが、実際には複数の課題に直面している。端末から得られる生体データは、「選手のプライバシーに当たる」という考えが出てきたためである。

 生体データの活用はケガの予防など、確かにプラスの面はあるものの、同時に個人の能力が数値化されることでそのデータが選手の絶対評価につながり、契約交渉などの材料とされることを嫌がる選手は多い。実際、米プロバスケットボールのNBAでは、契約交渉にウエアラブル端末のデータを使用することが禁止されるに至っている。さらに、データを共有されることへの懸念も多い。

 こうしたこともあって、端末の試合中の使用認可は、MLB機構とMLB選手会の合意なしには行えない状況にあり、その使用方法にもさまざまな制限が設けられている。


■リアルタイムのデータ閲覧は禁止
 まず、ウエアラブル端末を実際に使用するかどうかは完全に選手個人の判断に任されている。得られたデータにアクセスできるのも選手個人と所属チームだけ。端末とそのサービスを提供する企業にもデータを使用する権利は認められていない。さらにデータへのアクセスは試合の前後のみ認められ、試合中、さらにリアルタイムにデータを見ることは禁止されている。

 またデータをテレビ中継のなかで表示するなど、商用利用をするにも関係する組織全ての許可が必要であり、どこまで利用できるのかは混沌とした状況である。

 ウープのウィル・アメドCEO(最高経営責任者)は米国のスポーツビジネスジャーナル誌の取材に対し、こうした状況のため「全てをシェアするのと、まったくシェアしないプライバシー設定の間に27段階のレイヤーを設けている。0か1の二進法ではいけない。プライバシーは二進法ではないから」と細心の注意を払っていることを強調している。

 さらに、依然としてセンサーの大きさや重さなど使用感に不満を持つ選手も多い。このようにウエアラブル端末の導入・使用については、意外にも選手側からの抵抗が強いようだ。実際、昨シーズンにモータス・スリーブもしくはゼファー・バイオハーネスを使用した選手は「わずか20、30人しかいなかった」という話もある。

 進化し続けるウエアラブル端末とその解析技術は、プロスポーツの現場で試合中にも活用できるかを実際に評価する、“重大局面”に入ったと言えるだろう。

[スポーツイノベイターズOnline 2017年5月8日付の記事を再構成]
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