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日本郵政の減損計上、2つのリスク浮き彫り

2017年04月21日 18時57分11秒 | 市場動向チェックメモ
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ21IIG_R20C17A4000000/?dg=1&nf=1

日本郵政の減損計上、2つのリスク浮き彫り
2017/4/21 16:58日本経済新聞 電子版

 日本郵政がオーストラリア子会社を巡り、巨額の減損処理を検討していることが明らかになった。グローバル物流企業への脱皮を狙った買収で、早くもつまずいた格好の日本郵政。国際物流の世界で欧米ビッグ3の集約が進み、彼らに追い付くには巨額買収に動かざるを得なかった面もある。日本政府が計画する日本郵政株の追加売却にも影響が出そうだ。

■グローバル化でつまずき

「グローバルに生きていく第一歩が始まった」。2015年2月、豪トール・ホールディングスの買収を発表した日本郵政の西室泰三社長(当時)は会見でこう強調した。子会社の日本郵便を通じ、6200億円を投じた巨額買収。西室氏が語った「日本だけに閉じこもって物流企業が成り立つ時代はもう終わりつつある」という認識はその通りだろう。15年後半の新規株式公開(IPO)を控え成長戦略を描きたい思惑もあった。

 だが、トール買収後の相乗効果が限られ、トール自体の業績も低迷して数千億円の減損をする見通し。日本郵政は「減損の要否を含めて検討中」という。だが、この話は1つの買収案件の成否にとどまらない。

 国営郵便民営化のモデルがドイツポスト。同社は1997年、IPOを見越し、国外に成長の果実を求めるグローバル戦略を策定。翌98年には国際物流大手DHL(ベルギー)への25%出資を決め、00年にIPOを果たした。

 90年代のドイツポストは典型的なドメスティック企業。96年に経営改革を主導するため米マッキンゼーから移ってきたフランク・アペル氏(08年に社長に就任)は、「私のような社外の人材を雇い異文化を混ぜ、多くの企業買収で国際的な土壌が育った」と振り返る。

 スイスや米国などの同業をのみ込む大胆な買収で00年代前半の業界の風雲児になったドイツポストだが、当初は社内で国際物流がわかる人物はわずか。DHLにはまず少額出資でノウハウを覚え、4年後の02年に完全買収と段階を踏む慎重さもあった。

■ドイツポスト、郵便比率は4分の1に

 買収のタイミングもよかった。00年代の経済のグローバル化や電子商取引(EC)の拡大を背景に、国際物流の市場は膨らんだ。ドイツポストはDHLブランドを前面に出し、米フェデックス、米UPSと並び、総合物流を手がける「インテグレーター」のビッグ3を形成。売上高に占める国内郵便事業の比率は4分の1に下がった。

 ビッグ3はアジア太平洋の物流網も拡大し、欧米とアジアを結ぶ電子部品などの航空貨物需要も取り込んだ。アジアでも各国に国営郵便は残るが、国境を越えた物流になるとビッグ3が有利な構図のままだ。

 出遅れた日本郵政はここにくさびを打ち込もうと、「国際物流で世界5位」を目指した。アジアの国営同業を買収するのは難しいなか、トールを核にアジア太平洋市場を攻略する狙いだ。ただ、当時からトールの企業価値算定について、直近株価への上積みが大きく「割高」との指摘はあった。

■再編一段落、売り物少なく

 割高になる背景はある。アペル氏は2年前の取材で業界を展望し、「大型のM&Aは落ち着き、しばらく起きないだろう」とみていた。近年、英国やイタリアでも旧国営郵便もIPOしたが、20年前のドイツポストのように大型買収には動けていない。後発組が国外事業を拡大しようにも好条件の「売り物」が少なく、高値づかみのリスクが高いことが背景にある。

 グローバル化で強い企業はさらに強くなる。ドイツポストの16年12月期の純利益は前の期比71%増の26億3900万ユーロ(約3090億円)。ECの世界的な拡大を取り込み、同社の株価は上場来高値圏で取引されている。フェデックスの株価も好調だ。そうしたなか、日本郵政の巨額の減損リスクが明らかになり、20日に同社株は大きく売られた。

■郵政株の追加売却にも影響か

 巨額の減損計上は政府が準備中の郵政株の追加売却にも影響が出かねない。政府保有株の売却は株式市場への影響を小さくするため、決算発表や夏季休暇などの時期を避ける慣例がある。財務省は既に郵政株の追加売却の事務を担当する主幹事証券6社を選定済み。株価が堅調に推移した場合、早ければ7月にも売却できる見通しだった。

 21日の終値は1335円。15年に日本郵政が上場した際の売り出し価格は1400円だった。日本たばこ産業(JT)やNTTなど過去の政府保有株の追加売却の結果をみると、追加売却は足元の株価を数%を割り引いて売却する傾向がある。仮に1400円を上回る価格で売却する場合は1450円程度の株価が必要になる。

 郵政株の売却収入は東日本大震災の復興財源に充てることが決まっている。財務省は約1.4兆円を得た上場時の売却分も含めて22年度までに計4兆円の売却収入の確保を目指している。今回の減損で追加売却のスケジュールが遅れれば、財源確保の痛手にもなる。

(加藤貴行、池田将)
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