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[FT]危険な国になった米国 窮地の政権、紛争頼る恐れ

2017年08月17日 12時35分43秒 | 市場動向チェックメモ
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM16H1T_W7A810C1TCR000/?dg=1

[FT]危険な国になった米国 窮地の政権、紛争頼る恐れ
(1/2ページ)2017/8/16 18:48日本経済新聞 電子版

Financial Times
 米国は「世界平和に対する脅威だ」という主張は、ロシアやイランが長年広めてきたプロパガンダ(宣伝工作)の核心だった。西側同盟諸国にとってはつらいことだが、今やこの主張がある程度の真実を含んでいると認めざるを得ない。トランプ大統領の下で、米国は危険な国になったように見える。

 トランプ氏はこの1週間、北朝鮮との間で威嚇と挑発の応酬をし、強権化が進むベネズエラには軍事介入の可能性を示唆し、国内では白人至上主義者たちの“ご機嫌取り”をした。同盟諸国は、米国に予測可能で冷静かつ安定したリーダーシップを求めているが、まさにそれとは正反対の行為だ。

イラスト James Ferguson/Financial Times

 とりわけ、トランプ氏の無責任さを露呈したのが「(弾丸の)装填が完了した」米国によって、北朝鮮は「炎と怒り」に直面するという脅しだ。瞬く間に世界中に伝わったこの言葉が仮にはったりだとしても、米国の信頼性を損なう恐れがあることには変わりがない。米領グアム沖への弾道ミサイルの発射を予告している北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長を一段と過激な行動に走らせるリスクもある。

■歴代大統領は先制攻撃計画退ける

 さらに気がかりなのは、トランプ政権が核武装した金委員長にはもはや抑止力が効かないと主張し、北朝鮮への先制攻撃を検討中だと明らかにしていることだ。

 しかし、米国が核抑止力によって、スターリンや毛沢東のような独裁的指導者を生んだロシアや中国を封じ込めることができたとすれば、金委員長率いる北朝鮮にも同じことができるはずだ。歴代米大統領が全て、核武装した国への先制攻撃計画を退けてきたのは自明の理だ。

 トランプ氏があおっている国際危機は、政権を悩ます国内問題とますます不可分になっている。ロシアによる米大統領選介入の疑惑に関するモラー特別検察官の捜査の手は、大統領の側近にまで伸びつつある。議会は膠着状態にあるし、ホワイトハウスでは幹部が相次ぎ解任され、様々な策略が渦巻く。

 街中では政治的な暴力事件が起きた。米南部バージニア州シャーロッツビルで白人至上主義者やネオナチが反対派と衝突し、死者まで出た。トランプ氏は休暇で滞在中のゴルフ場から声明を出したが、人種差別主義を明確には非難せず、批判を呼んだ。

■大統領側近が結集呼びかけ

 危惧されるのは、このようないくつもの危機が融合することで、追い詰められた大統領が窮地から脱するため、国際紛争を利用しようと考えることだ。

 実際、発言が何かと物議を醸しているゴルカ大統領副補佐官は先週、米FOXテレビに出演し、トランプ氏の国内の批判勢力に圧力をかけようとした。同氏は緊張が高まっている北朝鮮との関係を持ち出し「キューバ危機の際、米国民はケネディ大統領を支持した。今の事態はキューバ危機に匹敵するもので、我々は一致団結しなければならない」と述べた。

 戦争への恐怖から国民が大統領の下に結集するかもしれないというゴルカ氏の発想に、歴史を少しでも知る人なら危機感を覚えるはずだ。

 国内で難局に直面した政府は、しばしば海外に活路を見いだそうとしがちだ。例えば、欧州を第1次世界大戦に引きずり込んだドイツ政府は、国内で野党の激しい攻撃にさらされていた。開戦当日、皇帝は勝ち誇ったように群衆にこう呼びかけた。「もはや政党も党派も関係ない。今日、我々はみなドイツ人の兄弟となったのだ」

■政治圧力高じ非論理的な行動も

 あるいは、ゴルカ氏の先週の言葉を借りれば「こういう時こそ、我々は国家として一つにまとまらなければならない」ということになる。

 一国の指導者も国内で厳しい政治圧力にさらされれば、非論理的な行動に走る可能性が高い。ウォーターゲート事件では、当時のニクソン大統領の閣僚らが、もし核攻撃を命じる大統領令が出たら、まず自分たちに確認を取るよう米軍に言い渡していた。残念ながら、大統領が核攻撃を決断した場合、それを無効にする権利を持つ政府高官がいるかどうかは当時も今も定かではない。

 部外者としては、政権内の分別を持った“大人”の側近らが大統領を何とか手なずけてくれるのを期待するしかない。だが少なくとも公の場では、武力行使をほのめかすトランプ氏をいさめる動きは、議会でも政権内部でもこれまでのところ、驚くほど弱い。

■「マクマスターをクビにしろ」

 国家安全保障問題を担当するマクマスター大統領補佐官は、軍事行動を挑発するような言葉を口にするトランプ氏を全国テレビでかばった。ところが当のマクマスター氏本人が、トランプ氏を支持する白人のナショナリストたちから攻撃を受けている。彼らはマクマスター氏が自分たちと同じ信条の人間を米国家安全保障会議(NSC)のメンバーから外したと非難し、同氏をホワイトハウスから追放しようとしている。

 北朝鮮情勢が緊迫した先週、「マクマスターをクビにしろ」というハッシュタグがツイッター上をにぎわしたのはそのためだ。太平洋上で核戦争がいつ起きても不思議ではない状況で、こうした空気がホワイトハウスに広がるのは全く望ましいことではない。

 米国内で“自浄作用”が働いてトランプ氏にブレーキがかかるか、もしくは同氏が辞任に追い込まれるのではないかというのは、恐らく希望的観測にすぎない。大統領に退任を強いるのは非常に困難で、米国の国内政治も外交活動もさらに過激になる恐れがある。

 憂慮すべき点として最後にもう一つ指摘したいのは、トランプ氏の登場で、米社会が抱えるより大きな危機が一段と顕在化したように見えることだ。たとえ同氏が辞任しても、それは消えない。多くの普通の米国人は生活水準の低下に見舞われ、人口動態の変化により、白人はやがて多数派の地位を失うとみられている。これが無数の怒れる有権者を生み出し、トランプ氏の当選をもたらした。

 先行きに希望が持てない社会や経済、国際的な影響力が低下する懸念、そして銃や軍隊を尊ぶ政治風土。これらを組み合わせれば、国際危機に「装填は完了した」という言葉で応じるような国が出来上がることになる。

By Gideon Rachman

(2017年8月15日付 英フィナンシャル・タイムズ紙 https://www.ft.com/)

(c) The Financial Times Limited 2017. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.
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