経済中心に書いてます!

趣味の範囲で…園芸・沖釣り・漢方・医食同源の投稿をします…業務はCX・225指数・FX Pro. …

ニトリのロボット倉庫で見えた物流無人化の未来 物流を救うテクノロジー(下)

2017年07月27日 02時39分37秒 | 市場動向チェックメモ
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO19000490Z10C17A7000000/?n_cid=DSTPCS003

ニトリのロボット倉庫で見えた物流無人化の未来
物流を救うテクノロジー(下)
(1/3ページ)2017/7/26 6:30日本経済新聞 電子版

 大量の製品が並ぶ棚の周りを歩き続け、ときには重い荷物を持ち上げる。夏は暑く、冬は寒い。繁忙期には残業も増える。肉体的にきつくてつらいといわれる物流拠点での仕事を、ロボットに置き換えようとする取り組みが加速している。特にここ数年で取扱量が急増し、人手不足が深刻化しているネット通販の現場で目立つ。ロボット化で倉庫の無人化は実現できるのか。

進む物流拠点のロボット化 無人倉庫はできるか
 川崎市にあるニトリの物流拠点では、60台のロボットが約1万種類の通販向け製品を自動で仕分ける。深刻化する人手不足の対策として、ロボット化による無人倉庫が現実のものとなりつつある。
Play Video
 加速するにつれて高まるモーター音を響かせながら、格子状に並んだレールの上を滑るようにロボットが走っていく。4本のツメがついたアームを格子に沿って差し込むと、商品が入ったコンテナが姿を見せる。ロボットはコンテナを抱えて出庫口へと走っていく――。

 ニトリの通販製品を扱う川崎市の物流拠点では、ロボット倉庫「AutoStore(オートストア)」が2016年2月から稼働している。ネットを中心とするニトリの通販事業売り上げは17年2月期が226億円で前期比約3割増。急激な伸びを背景に、国内で初めてオートストアを導入した。ロボットによる自動化では国内で屈指の物流拠点だ。

 フレームの下部には多数のコンテナが積み上げられ、その中から目的のものをロボットが自動で取り出す。フレームは約35メートル四方で高さは4メートル。60台のロボットが生活雑貨など約1万種類の製品を取り扱っている。ロボットが取り出したコンテナは、作業員の手元に届く。作業員は商品を注文ごとに仕分けて配送ルートに乗せる。

ニトリの通販製品を扱う川崎市の物流拠点で稼働するロボット倉庫「オートストア」

ロボットが走行する約35メートル四方、高さ4メートルのフレームの中央部分に製品の搬入出口がある


 「人が足りなくなることが分かっていて手を打たないのはあり得ない」。ニトリホールディングスの物流子会社ホームロジスティクスの松浦学社長はオートストア導入の背景をそう語る。経済産業省の調査によると国内のEC(電子商取引)市場規模は毎年10%程度のペースで増え続け、16年は15.1兆円。5年前の約2倍の規模となっている。その一方で高齢化社会で労働人口が少なくなり、働き方改革によって労働時間も減る傾向にある。そうした状況下で「機械化やIT(情報技術)化をするのは当たり前」と松浦氏はいう。

ロボット倉庫「オートストア」の概略図。ノルウェーのオートストアASが開発した。国内では岡村製作所が扱っている

 通販の注文を受けたら、倉庫内に置かれた棚の間を従業員が歩き回り、注文された製品を取り出す作業が必要だった。「1日に2万歩も3万歩も歩く」(松浦氏)ため、体力的な負担は大きい。オートストアの導入により、ロボットが持ってきたコンテナから製品を取り出せるようになり、従業員は足を止めて作業ができる。「ピーク時には製品を棚から取り出す作業に200人程度が必要だったが、オートストアの導入後は約6割の人数で稼働できるようになった」(ホームロジスティクス技術開発室担当の松本光昭氏)と、作業負荷の軽減につながった。

 1人あたりの作業効率も上がった。人の作業員が1時間に棚から取り出せる製品数は平均で20程度だったが、オートストアを使うと「1時間に約100製品を取り出せる」(松本氏)。人のスキルによる差も出にくくなった。従来は、製品名を確認しつつ、製品の姿や形をイメージしながら素早く探すには、ある程度の慣れが必要だったが、オートストアの導入で初心者でも効率的に作業できるようになった。

■棚ごと運ぶロボットも導入

 オートストアは扱える商品の大きさに制限がある。コンテナの大きさは内寸で60×40×31センチメートルで、そのサイズに収まらない製品は、これまで通りに人の作業員が保管場所から取り出していた。ニトリの物流拠点では、その作業もまもなくロボットに置き換える。棚を持ち上げて人の作業員が待機する場所まで自動搬送するロボット「Butler(バトラー)」を17年10月に大阪で導入する。効果が確認できれば川崎などほかの拠点にも拡大する。

棚を持ち上げて自動搬送するロボット「Butler(バトラー)」。国内ではGROUND(東京・江東、宮田啓友社長)が取り扱う

 バトラーはインド発でシンガポールに本社を持つグレイオレンジが開発したロボット。米アマゾン・ドット・コムも同様のロボット「アマゾンロボティクス」を欧米で運用しており、アマゾンジャパン(東京・目黒)の川崎市の物流拠点でも16年から導入している。

 バトラーは幅1メートル、高さ2メートルまでの製品に対応できることから、ニトリの物流拠点では布団やクッションなどの大型製品を扱う。オートストアと同様に、人の作業員が足を止めたままで製品を取り出せることで「作業効率は人が集める場合と比べて4~5倍になりそう」(松本氏)と見込む。

 バトラーのような自動搬送ロボットを使えば、作業効率を上げるだけでなく、より正確で緻密な管理ができる。この長所を生かし、倉庫や物流拠点を柔軟に貸し借りする「クラウド化」の動きも活発化しそうだ。インターネットの世界では、必要なときに必要な量だけコンピューターの処理能力や記録容量をネット越しに利用するクラウドコンピューティングと呼ばれる利用方法が当たり前となっている。大和ハウス工業は、これに似た仕組みを物流倉庫で作り上げようとしている。

■倉庫をクラウド化

 「倉庫のワンフロアの中で、どの会社の商品がどこにあるかは気にしなくてもよくなる」。大和ハウスグループで物流システムを手掛けるフレームワークスの秋葉淳一社長は、18年2月の竣工を予定する大規模物流施設「DPL流山I」に加える新機軸をそう話す。DPL流山Iには多数のバトラーを導入し、ネット通販など複数の事業者が利用することを想定している。

 以前から物流拠点を複数の業者で共有することは多くあった。ただ利用する事業者は、倉庫やフロアをまるごと借りるなど、繁閑の変化にかかわらず複数年単位で一定の固定費を払う必要があった。バトラーを導入すれば、どの商品をフロア内のどこに保管しているかをAIが管理し、配置を最適化するため、フロアを複数の事業者で共有できる。「製品の増減、もしくは入出庫のトランザクション量など使った分で利用料を支払いたいという要望に応える」(秋葉氏)。人の従業員が製品を棚から取り出す場合と比べると、全体のコストは3割ほど減るという。

 「やっぱりパートのオバチャンにはかなわないんですよ」。将来、物流拠点は無人化するのかという質問をぶつけると、ある倉庫担当者からはそんな言葉が返ってきた。仕入れた製品が段ボール箱の中に隙間なく詰め込まれていることもある。透明なビニールに包まれた製品や、クッションのように軟らかくてつかみどころのない製品もある。そうした場合でロボットでは対応しづらいというのだ。

 これまでロボットには難しいといわれた多彩な製品の取り扱いに挑む企業も登場してきた。ロボット用の制御装置を開発するMUJIN(ムジン、東京・墨田)は、これまで産業用として使われてきたアームロボットを物流に活用しようとしている。

■ロボ活躍の場、自動車の次は物流

MUJINのロボット制御技術を使い運搬用のパレット(荷台)から荷物を取り出すデモの様子

 「我々の売り上げは物流が60%で、残りの40%が自動車向け」。ムジンの滝野一征CEO(最高経営責任者)は、製造向けを上回る勢いで、物流向けの需要が伸びていると話す。同社の装置を使うと、ロボットが物を認識して拾い上げる動作を自動化できる。従来の産業用ロボットでは、専門のオペレーターがこの製品を拾い上げるときにはこの部分をつかむ、そのためには関節をこの角度にするといった細かな指定をする必要があった。

 物流業界の中でも特に勢いを増しているネット通販では、膨大な種類の製品を扱う。それぞれでロボットの動作を指定していたら手間がかかるが、ムジンの技術を使えばカメラで製品の形を認識し、それに合わせてロボットの動作を自動生成できる。これまでにない柔軟性を持った運用ができることから「物流のピッキング作業は最大の未開拓分野であり伸びしろ」(滝野氏)と強調する。

 物をつかむために映像を分析する処理が必要となるため、人の作業員と比べて作業効率は約8割に落ちてしまうが、ロボットは休憩も睡眠も必要なく24時間稼働できる。今後はトラックから荷物を降ろす作業、フォークリフトが荷物を持ち上げる際に使うパレット(荷台)に積み降ろしする作業などに用途を拡大していく。

 ムジンの技術を使ったロボットは通販のアスクルが16年12月に横浜市の物流拠点で導入したほか、17年に入ってから10件以上を受注済み。今後は中国をはじめ海外展開も強化する。

 ロボットは万能ではない。それでも「製造の現場は全部ベルトコンベヤー。人が押して回る工場はない。収益性を追求している製紙会社の工場などを見に行くと、ほぼ人がいない。物流もそうなっていく」(ホームロジスティクスの松浦氏)という見方は強い。当面は作業員と仕事のすみ分けをしながらも、人手不足の解消を見据えた自動化の流れは止まることはなさそうだ。

(コンテンツ編集部 松元英樹)
ジャンル:
ウェブログ
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« トランプ氏のFRB人事言及... | トップ | 19~20年に続々投入 ドイツ... »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

市場動向チェックメモ」カテゴリの最新記事

関連するみんなの記事

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
ブログ作成者から承認されるまでトラックバックは反映されません。