経済中心に書いてます!

趣味の範囲で…園芸・沖釣り・漢方・医食同源の投稿をします…業務はCX・225指数・FX Pro. …

「アジアのインフラ整備へ民間活力を」  沢田康幸ADBチーフエコノミスト

2017年04月05日 22時47分38秒 | 市場動向チェックメモ
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO14745840R30C17A3000000/?n_cid=DSTPCS019

「アジアのインフラ整備へ民間活力を」  沢田康幸ADBチーフエコノミスト
(1/2ページ)2017/4/5 6:30日本経済新聞 電子版
インド 中国 ASEAN

 アジア開発銀行(ADB)のチーフエコノミストに、日本人として初めて沢田康幸氏(49)が就いた。沢田氏は都内で日本経済新聞記者と会い、アジアの膨大なインフラ需要を満たすために「官民連携(PPP)事業など民間資金の活用が有効で、インフラ整備に企業の参入を促すような制度の構築が重要だ」と強調した。ADBは2月、アジア太平洋地域の発展途上国のインフラ需要が2016~30年には計26兆ドル(約2900兆円)にのぼるという試算を発表。インフラ整備に必要な資金をどう調達するかが課題となっている。沢田氏との一問一答は次の通り。

■「電力、運輸・交通、通信の需要増える」

沢田康幸(さわだ・やすゆき)氏 米スタンフォード大博士(経済学)。世界銀行グループの様々なプロジェクトでコンサルタント。2012年1月に東京大大学院経済学研究科教授、17年3月1日から現職。

 ――インフラ需要を満たす資金をどう調達すべきですか。

 「試算の対象は中国、インド、インドネシアを含む45カ国・地域で、年間1兆7000億ドルを超す規模のインフラ整備に必要な金額だ。気候変動の緩和にかかる費用を含む。対象国・地域の人口の96%を占める主要25カ国のインフラ投資額は年8810億ドルで、必要額1兆3400億ドルの65%ほどにすぎない」

 「不足資金を工面するには(1)途上国政府が徴税能力の強化など税制や財政の改革を通じて歳入を増やす一方で歳出の無駄を圧縮(2)途上国の政府や国有企業が返済可能な水準で国債や公債を発行(3)民間部門のインフラ投資拡大――などの方法が考えられる。現状はアジアインフラ投資の大半を公的資金が占めており、民間資金の投入を増やす余地は大きい」

 ――企業は利益が少ない事業に投資しません。

 「インフラプロジェクトでどれだけ収益をあげられるか示さないといけない。今回の需要予測では、電力(を含むエネルギー)や交通・運輸、通信などの分野で金額が大きかった。電力や通信事業には民間の参入意欲が比較的高い。鉄道事業に関心をもつ民間企業も少なくない」

 「たとえば政府が一定の収益を保証する官民連携で、途上国の政府と民間企業が鉄道事業を始める場合も、企業がもうからなければ政府の債務が増えるだけだ。政府と企業の紛争処理を含む法制度の整備だけでなく、資金調達や入札の仕組み作りなど、広い意味で投資環境の整備を進めるべきだ。ADBは投資資金の提供に加え、優良プロジェクトの計画策定、行政能力の向上などで途上国を支援できる」

 ――ADBはインフラ融資を増やせませんか。

 「ADBは14~20年に、全体として資金貸し付け規模を5割増やす計画を実行中で、インフラ融資も大幅に増やしつつある。とはいえ、ADBのような国際開発金融機関の直接支援は、アジアインフラ投資の2.5%程度にすぎない。中国が主導するアジアインフラ開発銀行(AIIB)が融資を増やしても限界があるのは確かだ」

 「アジアのインフラ事業に地域の貯蓄を含む民間資金が流入しやすくなる資金調達の仕組みを作る必要がある。たとえばアジアの国・地域の多くが、インフラ事業に民間資金をあてるため、域内債券市場の育成に注力している。法制度や債券格付けシステムの整備などを通じ、資本市場の拡大に力を入れなければならない。ADBは信用保証・投資ファシリティ(CGIF)という信託基金の立ち上げに参加した。CGIFを活用して東南アジア諸国連合(ASEAN)10カ国と日中韓3カ国による『ASEAN+3』の企業が発行する社債に保証を供与するなど、域内債券市場を育成するさまざまな試みを実行している」

 ――インフラ整備を試算通り進めなければアジア経済は失速しますか。

 「そうとは言い切れない。試算は00~15年の成長率を基に今後の成長率を予測し、インフラ需要額を計算した。成長率のターゲットを事前に定めて必要なインフラ総額を推定したわけでない。09年に公表した10~20年のインフラ需要予測(年約7500億ドル)に比べて、年ベースで2倍以上に増えた。その主な理由は、成長率水準や物価の上昇に加え、気候変動緩和の費用も組み入れたためだ。対象国・地域も前回の32から、ADBに加盟する全途上メンバーの45に拡大した」

■「世界に通じるブランド育成が必要」

 ――最近、欧米の一部で保護主義が高まり、自由貿易の拡大を追い風に成長してきたアジア経済への懸念が強まっています。

 「先進国の政策の不確実性がアジアに影響を与える懸念はあるが、以前ほど気にはならない。中国の成長率は鈍化したが、なお6%超で安定している。アジア全体でも長期的な成長トレンドが続くだろう。だからこそ収益性の高いインフラ事業は、民間企業にとって大きなビジネスチャンスがある。アジアはすでに世界の製造業の中心で、消費マーケットとしても伸びている」

 「米ブルッキングス研究所のエコノミストの試算によると毎日1人あたり11~110ドルを使う世界の中間層のうち、約半数がアジアで生活している。アジアでモノをつくり、アジアで消費するという流れが強まれば、アジア経済の自律性は一段と高まる。アジアに足りないのは世界に通じるブランドだ。欧米ブランド服の多くはアジアで縫製しているが、アジア発のグローバルブランドはまれだ。それでも最近は、フィリピンの小売りチェーンやハンバーガーチェーンが、ほかのアジア諸国や欧米に進出するケースも出てきた」

(聞き手は編集委員 加賀谷 和樹)
ジャンル:
きいて!きいて!
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« ビジネスホテルがベトナムで... | トップ | 2017.04.05(水) 本日の注目... »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
ブログ作成者から承認されるまでトラックバックは反映されません。