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懐疑で育つ日本株 「10月の亡霊」を一蹴するか 日経QUICKニュース(NQN) 編集委員 永井洋一

2016年10月17日 09時05分43秒 | 市場動向チェックメモ
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO08353310U6A011C1000000/?dg=1

懐疑で育つ日本株 「10月の亡霊」を一蹴するか
日経QUICKニュース(NQN) 編集委員 永井洋一
(1/2ページ)2016/10/17 5:30日本経済新聞 電子版

 「相場は悲観の中で生まれ、懐疑の中で育つ」といわれる。欧州金融機関の経営悪化や米国の追加利上げ観測など海外発の不安材料が山積し、波乱に身構える投資家が増えているが、そうした中でも変化を捉え、日本株にチャンスを見いだすベテラン市場関係者の目はキラリと光っている。

■業績鈍化と金利上昇、ブラックマンデー時と重なる悪条件

 例年、10月は投資家が浮足立ちやすい。「10月の亡霊」ともいえる悪夢が脳裏をよぎるためだ。1日でニューヨーク・ダウ工業株30種平均が507ドル(23%)急落した1987年の「ブラックマンデー」や古くは世界恐慌の発端となった29年の米株大暴落「暗黒の木曜日」はいずれも10月だった。

 ブラックマンデーは企業業績の悪化と金利上昇が重なった時に発生した。まず株価の割高感が強まった。株価は理論的には1株利益を金利で割って求めるが、金利が上がると分母が大きくなり、1株利益が減ると分子が小さくなり、ダブルで理論株価を押し下げる。その結果、実際の株価との間に乖離(かいり)が生まれ、売りが殺到した。

 次に資金シフトを引き起こした。投資家は余剰資金を株式で運用するより債券や銀行預金に回した方が安全確実だからだ。

 いまの市場の不安と通じるところがある。米主要企業の2016年7~9月期業績は5四半期連続減益が見込まれている。企業業績とおおむね連動するアトランタ連銀算出の実質国内総生産(GDP)予測、「GDPナウ」は7~9月期が7日時点で前期比年率2.1%増と8月5日時点の3.8%増から大きく低下した。自動車販売の減速や設備投資の低迷が背景とみられる。

 長期金利はじわじわと上昇し、米10年物国債利回りは10月12日に1.8%と約4カ月ぶりの高水準に達した。

 QUICK・ファクトセットによればS&P500種株価指数のPER(株価収益率)は9月末時点で16.9倍。過去10年平均(14.1倍)を上回り、「かなり割高」(ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジスト)との声がある。「米株が、がたつけば日本株はひとたまりもない」と投資家が考えるのも無理はない。

■ノーベル賞理論が示唆 国債から株式への資金シフト

 もちろん米企業業績が増益に転じれば取り越し苦労で済む。だが万が一、米株が波乱に見舞われても投資家は付和雷同すべきではない。むしろ日本株再評価のきっかけになると考えるべきだろう。

 「投資戦略のルールが変わった。今度こそ日本で国債からリスク資産(株式や社債)へのポートフォリオリバランス(資金移動)が起きる」。大和証券の山本徹チーフストラテジストは確信している。

 日銀による長短金利操作付き量的・質的金融緩和の導入の結果、日本の長期金利は末永くゼロ%近辺にくぎ付けされることになった。その結果、安全確実に金利収入を得られた10年物国債が収益ゼロかマイナスの金融商品に変わってしまった。そうなると、「個人や国内金融機関は価格変動リスクをとった運用に動く」というのが山本氏の読みだ。

 人間は利益に対しては一獲千金よりも安全確実を優先しがちだが、損失に対してはギャンブルしてでもその全額を回避しようとする傾向がある。これは02年にノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマン氏が立証した意思決定理論だ。

 例えば、「100%、9ドル失う」か「90%の確率で10ドル失うが10%の確率で何も失わない」という二者択一を迫られた場合、多くの人は損失拡大リスクをとってでもチャレンジする後者を選択する。合理性とは一線を画す行動経済学的アプローチが山本氏の読みの根拠だ。

■年末に1万9000円説

 三菱UFJモルガン・スタンレー証券の芳賀沼千里チーフストラテジストは「日経平均は年末に1万9000円前後まで上昇する」とみる。16年度の企業業績はわずかながらも経常増益が見込めると予想するからだ。

 「経営者の多くは期初、円高の逆風を想定していたはず。だからこそ今期は例年以上にコスト削減に努力しているだろう」というのが芳賀沼氏の見立てだ。

 財務省によれば大企業全産業(金融・保険を除く)の15年度決算は売上高が減少したものの経常増益は維持した。販売額の減少をコスト削減で補った。

 こうした減収・経常増益パターンは15年度以外では過去、99年度、02年度、12年度の計3回あり、いずれもその翌年度は経常増益が続き、99年度以外は株高が加速した。

 もちろん史上最高益の15年度とそれ以外の年を単純には比較できない。だがコスト削減効果は複数年に及ぶ点や減収による経営者の危機意識の高まりが、翌年度の利益を支える傾向がある点は見逃せない。

■5年と25年の移動平均、戦後初の「黄金の交差」

 バブル崩壊から四半世紀あまりが経過し、第2次安倍晋三政権は間もなく5年目に突入する。株価チャートに目を転じると、日経平均は今年、5年移動平均が25年移動平均を戦後はじめて下から上に突き抜ける。チャート分析で買いのシグナルと考える「ゴールデン・クロス(黄金の交差)」だ。5年や25年という期間設定は、チャート理論や景気循環論の教科書には当てはまらないが、象徴的な現象ではある。

 マイナス金利を生かし、「個人に対する配当二重課税の撤廃や上場投信(ETF)の配当減税などいまこそ個人投資家育成のための税制改革に取り組むべきだ」(ENアソシエイツの長友英資代表取締役)との声もある。中長期的に日本株投資にのぞむのであれば、10月の悪夢にひるむ理由はない。
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