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「副作用、チームで絶つ」オプジーボの専門医ら結集

2016年12月31日 19時28分03秒 | 市場動向チェックメモ
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO11147740X21C16A2X11000/?n_cid=DSTPCS003

「副作用、チームで絶つ」オプジーボの専門医ら結集
(1/2ページ)2016/12/28付日本経済新聞 電子版

 2016年。日本の医療現場は「オプジーボ」などがん免疫薬に席巻された。ただ、効果が高い半面、副作用についてはいまだつかみきれないのが実態だ。「ならばあらゆる副作用に備えよう」。医療現場ではチームを組み患者をフォローする試みが始まった。最前線を追う。

 「なんとなく体がだるいんですよ」――。聖マリアンナ医科大学病院(川崎市)に48歳の男性患者から連絡が入ったのは16年の3月11日のことだった。

 連絡を受けた呼吸器内科の医師はこの異変の芽を見逃さなかった。「おかしい」。いったん帰宅していた患者に翌日すぐに来院するよう指示した。

 呼吸器内科の医師は病院内でも動いた。速やかに免疫チェックポイント阻害薬の副作用対策チームのメンバーに連絡、受け入れ体制を整えるよう要請した。

■「総合力が必要」

 病院の総力をあげてのバックアップ。この男性患者はオプジーボによる治療を続ける肺がん患者だった。代謝・内分泌内科の医師が診ると血糖値が高いことが分かった。これが男性患者が訴えた「だるさ」の原因だった。劇症型に近い糖尿病を発症していたのだ。

 男性患者は緊急入院となった。血糖値をコントロールするためにインスリンの投与を続けると症状も落ち着き始める。

 もともとこの男性患者は聖マリアンナとは別の病院の患者。肺がんを患い抗がん剤治療を受けていたが、際だった改善効果が表れなかった。

 そこでオプジーボで実績のある聖マリアンナを紹介された。今年2月下旬からオプジーボによる治療を開始、その後病状は安定していた。

 ただ今回、その肺がんとは全く関係のない場所で異変が生じた。膵臓(すいぞう)だ。糖を分解するインスリンの分泌がうまく行かずに血液中の血糖値が異常にあがってしまっていたのだった。緊急入院から約2週間後にはオプジーボの投与を再開、4月中旬には紹介元の病院に戻った。

 男性患者の危機を救ったのは専門チーム。免疫薬投与による副作用に備えるため15年6月に結成された。総数は十数人だ。メンバーは腫瘍内科、呼吸器内科、皮膚科、消化器内科、眼科といった医師に加え看護師や薬剤師などで、この専門家集団を「スーパーバイザー」として臨床腫瘍学講座の中島貴子教授が束ねる。

 今のところオプジーボ投与による「重篤な副作用が起きるケースはごくまれ」(中島教授)。しかし「これまでの抗がん剤を投与した場合とは全く別のことが患者に起こる可能性があることが分かった。これに対応するには総合力を持つチームが必要」と話す。

 臨床試験(治験)を除くと、今秋までに同病院でオプジーボとヤーボイのがん免疫薬を投与した患者の数は42人。この間、チームに対して23回の相談があった。最も多かったのは糖尿病関連で10回。肝機能障害、皮疹、肺炎などもある。ただ、重篤な副作用は現段階では少ないという。

 病院内で免疫薬に対しての勉強会も定期的に開き、経験や知識を共有するよう積極的な取り組みも進めている。

 「この場合、どのような治療法が適切だろうか」

 「治療薬の前にまず抗体を測定した方がいいのでは」――。九州大学病院の会議室。毎月1度、治療や検査に対する活発な議論が飛び交う会議が開かれる。

 参加者はいずれも専門分野が異なる診療科のメンバーたち。神経内科、呼吸器、消化器、がん、糖尿病といった複数の診療科から医師、薬剤師、看護師らが50~60人集まる。

 医療チームの名称は「チームiCI」。今年1月、九大病院が立ち上げた。オプーボの適正使用が目的で、患者への説明や投与スケジュール、それに副作用への対応を担う。発起人の1人である中西洋一主幹教授は「がん治療にあたる医療従事者にとって、何より防がなければならないのが副作用による患者の死だ」と強調する。

 腸炎が起きている場合に考えられるリスク、抗菌薬の決め方、糖尿病を発症しかけている場合の前兆のつかみ方……。特に心不全、不整脈、高体温などをともなう致死的な免疫副作用「クリーゼ」をどうやって防ぐか。医師だけでなく看護師、薬剤師、患者を交えて常に情報共有を欠かさない。

 月に1度は定例の対策会議を開きオプジーボによる副作用の死者を減らす取り組みを続ける。

■マニュアル提供

 今秋にはオプジーボの治療の治療開始前の検査項目、リスク、判定手法などを独自にマニュアル化した。血液、免疫、ホルモンなどの状況を数値化し、疑いのある副作用の項目を設定する。副作用が起きた際、重症度合いによってどんな対処や治療をすべきか、医師が一目で分かるようにした。

 同様のマニュアルを分かりやすい表現に書き換え患者向けにも提供する。患者に自覚症状を書き込んでもらったうえで、医師や看護師、薬剤師などが一体となり患者も含めた新たな「チーム」で副作用対策を考え、他の医療機関などにもマニュアルなどを提供する。全国レベルで副作用対策、情報共有を進める計画だ。

 一般的な抗がん剤の場合、脱毛や吐き気、下痢のほか、肺の間質という部分が炎症を起こす間質性肺疾患などの副作用が起きることが分かっている。

 しかしオプジーボは何が起きるかはっきりしない。重症筋無力症、劇症1型糖尿病……。まだまだ未知の分野が多い。その白地をこれからどう埋めていくのか。チームの「和」の力が試されている。

(井上孝之、高田倫志)
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