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郊外より駅近 大阪「うめきた」に見る新産学交流

2017年05月15日 20時53分11秒 | 市場動向チェックメモ
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO16185180Q7A510C1000000/?dg=1

郊外より駅近 大阪「うめきた」に見る新産学交流
(1/2ページ)2017/5/15 6:30日本経済新聞 電子版

 大阪市の繁華街・梅田の北側、通称「うめきた」にある産学交流拠点「ナレッジキャピタル」が注目を集めている。関西で活動する民間企業や大学、ベンチャー企業などが相次いで進出。JR大阪駅に直結する「駅近」の好立地を生かして人脈などが広がり、新規事業や資金獲得につなげている。iPS細胞の研究者などによる一般向けの講義も定期的に開かれ、外部の知識を積極的に取り入れて研究開発を加速する「オープンイノベーション」の成功例としても期待が膨らむ。

ナレッジキャピタルがあるグランフロント大阪(大阪市)

■地下2階~地上13階を利用 複合ビルの中核施設に

 「都市の中核としてモノからナレッジ(知識)を消費する生活スタイルを示すことができた」。4月下旬に開かれたナレッジキャピタルの開業4周年を記念した記者会見で、同キャピタルの宮原秀夫代表理事(元大阪大学学長)はこう自信をみせた。

 ナレッジキャピタルはJR大阪駅北側のJR貨物駅跡地を再開発して13年に開業した複合ビル、グランフロント大阪内にある。40階前後の高層ビル2棟からなる北館の地下2階から地上13階を占め、研究室やラボだけでなく会員制サロン、講演会場などで構成。グランフロント大阪の中核施設のひとつと位置づけられている。駅前の大型複合ビルは多いが、産学交流施設が中核となるのは珍しい。

 開業前からコンセプトづくりに携わった野村卓也総合プロデューサーは「知的創造と交流の場を目指した」と語る。乗降客数が1日250万人と全国3位を誇るJR大阪駅から徒歩5分、周辺に阪神電鉄などの私鉄や地下鉄の梅田駅も集中し、阪急百貨店やヨドバシカメラなど大型小売店も多い。買い物や通勤の帰りに気軽に足を運べる立地を生かし、科学者やクリエーター、アーティストなどの専門家が、学生や家族連れ、サラリーマンなどの一般市民との交流で面白い出来事を生み出すことを狙った。

 しかし計画当初は反対意見も少なくなかった。特に7階に設けた会員制サロンは会費が年間10万円。カフェのようなスペースが自由に使えるものの「大阪人はケチだから会員が集まるはずがない」と懸念する声もあった。ところが募集を始めると定員2000人はすぐに満杯になり、空き待ちの状態が続く。

ナレッジキャピタルの概要
場 所 グランフロント大阪北館
主な施設 オフィスや研究室、会員制サロンなど
参 画 者 民間企業70、大学12、行政など11
来館者数 延べ2300万人

 宮原代表理事は「大阪も捨てたもんじゃないと感じた」と漏らす。ラボなどにもパナソニックやダイキン工業、大阪ガスなど大手企業に加え、大阪市立大学や関西大学などの大学も進出。新しい刺激を求めるビジネスマンや研究者が大阪にも眠っていたということだ。

■地の利を生かしてベンチャー企業が人脈づくりに活用

 成功例として上がるのは、ベンチャー企業の支援だ。2階と3階にある「TheLab.」は入居した企業が試作品を展示できるスペース。制御機器メーカーのマッスル(大阪市)は試作した介護ロボットをここに展示した。

 同社はモーターなど部品生産が主力だったが、新規事業としてロボット事業への進出を狙っていた。TheLab.に訪れる人の意見を取り入れながら改良を重ね、寝たきりの高齢者などをベッドから簡単に運ぶ介護ロボット「SASUKE」を昨年発売。全国の介護施設などに数百台納入した。玉井博文社長は「ナレッジキャピタルを通じて人脈が広がり事業化につながった」と語る。同社のTheLab.を積水ハウスの和田勇会長が訪れたのをきっかけに、介護機器を使った住宅の共同開発が始まったこともある。

 京都大学発のベンチャー企業で電気自動車を手掛けるGLM(京都市)も13年の開業時から進出する企業の一つ。TheLab.には伝説のスポーツカー「トミーカイラZZ」の電気自動車を展示した。ナレッジキャピタルを通じて交流が広がり、国内外のファンドから約30億円の資金獲得に成功した。人脈や資金が乏しいベンチャー企業が拠点を設けることで知名度が高まり、成長戦略を描けるようになった。

「超学校」では最先端で活躍する研究者の講演が聞ける(大阪市)

 最先端の科学技術でも「駅近」の利点を生かした活動を手掛ける。それが1階にあるカフェスペースで開く「超学校」だ。第一線で活躍する研究者が、サラリーマンや主婦、学生らに語りかける講演会。難しい内容をかみ砕きながら説明するスタイルで、ビールやコーヒーを片手に話を聞ける。これまでに約130の講義が開かれ、約5500人が参加した。

 京大iPS細胞研究所も過去4回の講義を開き好評だった。同研究所国際広報室の中内彩香さんは「研究者のモチベーションも上がる」と参加する狙いを語る。

 今年5月からはノーベル物理学賞受賞者の梶田隆章東京大学教授らが企画した連続講義がスタート。世界で評価される研究者が続々と登場する予定だ。超学校を企画する辻邦浩シニアディレクターは「ノーベル賞の受賞が今後期待される研究者に来てもらえそうだ」と語る。買い物や通勤の帰りに最先端の科学技術に触れる。贅沢(ぜいたく)な企画で、知的好奇心を刺激するのは間違いない。

 ほかにも人工知能(AI)や文化、アートなどの展示会も多い。超学校を含めれば週に1回はイベントが開かれる計算だ。

■俗世を離れた郊外から様々な刺激を受ける都心部へ

 国内外からの視察も絶えない。海外からは延べ53カ国・251団体が来訪し、人的交流などの連携協定も結んだ。国内で駅前再開発を計画する地方自治体や不動産業者の見学も多く、新しい駅前再開発のモデルとして注目を集める。開業から4年間で、グランフロント大阪には延べ4億人、そのうちナレッジキャピタルには2000万人以上が訪れた。

 大阪ではほかにも市内に最先端の研究拠点を設ける動きは相次ぐ。市中心部の中之島では大阪府や大阪市、大阪大学が協力して再生医療と文化の研究拠点を設ける計画が進む。またグランフロント大阪の西側跡地を再開発する「うめきた2期」の計画もある。23年度に一部が開業する予定で17ヘクタールの敷地に「みどり」と「イノベーション」を生む融合拠点が整備される予定だ。大阪市都市計画局は「ナレッジキャピタルの成功を生かしていきたい」と語る。

 これまでの産学交流拠点は郊外にある大学や研究所などが多かった。研究者が静かに研究に打ち込む環境としてはよかったが、俗世を離れた研究も目立った。駅前に交流拠点を設ければ、研究者は気軽に足を運べるうえ、外部から様々な刺激を受けられる。「駅近」の産学交流は新たなイノベーションを生み出す可能性を秘めている。

(大阪経済部次長 竹下敦宣)
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