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ソニーも想定外 LED電球スピーカーが売れた理由

2016年10月15日 20時51分02秒 | 市場動向チェックメモ
http://style.nikkei.com/article/DGXMZO08296170T11C16A0000000?channel=DF260120166491&style=1

ソニーも想定外 LED電球スピーカーが売れた理由
 
シェアツイートクリップ2016/10/15

新モデルLSPX-103E26(左)と前モデルLSPX-100E26J(右)のデザイン比較。新モデルの拡散グローブが乳白色に替わっている点以外はほぼサイズもデザインも同じだが、改良によって中身はまったくの別物に生まれ変わった
日経トレンディネット

 LED電球とBluetoothスピーカーの融合。そんな斜め上の発想からソニーが生み出したLED電球スピーカーの新モデル「LSPX-103E26」(実売価格2万5000円前後)が、好調な売れ行きを見せている。2016年夏には一時売り切れ状態になっていたほどの人気ぶりだ。

 一般的なAV製品とはかなり毛色の異なる製品ながら、なぜここまで人気になったのだろうか?

■光の色を自由に変えられる

 LSPX-103E26は、「明かりと音楽が一緒になった新体験を提供する」というコンセプトで開発された前モデル「LSPX-100E26J」の後継機。空間が持つ価値を生かしながら新しい体験を生み出すソニー「Life Space UX」シリーズの製品で、ポータブル超短焦点プロジェクター「LSPX-P1」やグラスサウンドスピーカー「LSPX-S1」なども同シリーズの製品となっている。

 最大の特徴は、一般的な電球と同じE26口金(市販の変換コネクターを使えばE17口金にも装着可能)のソケットに取り付けて照明として利用できるとともに、そのままBluetoothスピーカーとして音楽も楽しめるということ。通常のLED電球とほぼ同等のサイズ感やデザインを踏襲しつつ、新モデルではさまざまな改良を施し、明るさと音質を向上した。

 新機能として、LEDの光の色を自由に変更できるカラー点灯機能、ウエークアップタイマー機能、スマホの着信お知らせ機能、2台利用で音がステレオになるモードなどに対応。前モデルの機能を改良しただけでなく、幅広い機能を追加しているのがポイントだ。


指定した時間に点灯して音楽を再生する「ウエークアップタイマー機能」の設定画面。Android版のみ利用できる

スマホに着信があると指定した色で点滅する「着信お知らせ機能」のイメージ。この機能も専用アプリが必要なほか、利用できるのはAndroid版のみ
■小さな組織で開発

 開発したソニー TS事業準備室 3Project エレクトリックテクニカルマネジャーの四本直樹氏によれば、2015年に発売した前モデルのLSPX-100E26Jは、ソニーが初めて開発した照明器具ということもあり「LED電球としてのデザイン性に注力した」。これに対して新モデルのLSPX-103E26は「より実用性を高める方向で開発した。とくに機能面では、前モデルのユーザーから寄せられた意見に極力対応した」(四本氏)という。

 前モデルは、LED電球とスピーカーを合体させるという尖った製品ながら、電球のソケットに付けるため電源の心配がなく場所を取らないことがユーザーに支持され、想定以上に好調な売れ行きだった。そのため、わずか1年で後継機を発売できた。また「Life Space UXの製品を生み出している部署が社長直轄の小さい組織だったからこそ、スピーディーな意思決定ができた」(四本氏)という背景も後継機開発に大きく影響している。


ソニー TS事業準備室 3Project エレクトリックテクニカルマネジャー 四本直樹氏
■明るさは約1.4倍に

 LSPX-103E26の進化ポイントのうち、LED電球として見た場合にまず外せないのは光量(=明るさ)の強化だろう。

 LSPX-103E26の明るさは、前モデルの360ルーメンから約1.4倍にあたる500ルーメンにアップした。しかも、前モデルとサイズが変わらないだけでなく、消費電力を0.4W削減している。

「供給電力を上げれば電球の明るさをアップできるが、発熱の問題も起きてしまう」(四本氏)。サイズや消費電力を変えずに明るさを約1.4倍も高めることがいかに大変か分かるだろう。


新モデルLSPX-103E26(左)と前モデルLSPX-100E26J(右)の明るさの比較。明るさが増したことで、より広い範囲を明るく照らせるようになった
 LSPX-103E26では「新しいLEDや乳白色の拡散グローブを採用したほか、放熱設計やパーツの配置を変更した」(四本氏)ことで明るさや消費電力の課題をクリア。さらに前モデルでは光の中心にわずかに影が残ったのだが、新モデルでは拡散グローブやレンズカバーに手を加えることでまったく影が出なくなった。

 実際に寝室で使ってみたが、テーブル周りやベッドサイドを照らすのであれば明るさは十分。問題なく本が読めるレベルなので、寝る前の読書が日課の人にはかなり使い勝手が良さそうだ。

 ちなみに、明るさを調整できる調光機能を備えているのもLSPX-103E26の特徴だが、一番暗い状態にしても常夜灯としては明るすぎると感じた。寝るときは消灯したほうがいいだろう。


新モデルLSPX-103E26(左)と前モデルLSPX-100E26J(右)の影の比較。新モデルでは中央の影がまったく出なくなっていることが分かる
■見た目は前モデルとほぼ同じだが……

 Bluetoothスピーカーとしての機能については、振動板の厚みを最適化することで高音域の音質を向上。さらに、スピーカーボックス容量の増加や空気の流れの改善などによって低音域の音質や音圧を底上げしたほか、音の広がりや音抜けなども改善している。音質に関しては前モデルで「物足りない」という声も一部で出ていたが、新モデルは「前モデルのユーザーからもおおむね好評を得ている」(四本氏)という。

 また、ユーザーの要望に応える形で追加した新機能が、ステレオモードとダブルモード。ステレオモードは一般的なスピーカーのように、2台でステレオサウンドを実現。ダブルモードは2台が同じ音を再生するので、広い場所での利用に適している。こうした音質・使い勝手の向上が前モデルユーザーの買い替えにもつながっている。

 明るさや音質を向上するため、LSPX-103E26では多くの点で改良を施している。四本氏は「見た目は前モデルとほぼ変わらないが、内部的にはまったくの別製品といっても過言ではない」と力説する。

■音楽に合わせて色が変化

 今回の新モデルは、192色に変更できるカラー点灯機能も大きな特徴だ。感覚的には無段階に近いイメージで、自由に発光色を変えられる。カラー点灯の際は明るさを変えられないが、淡い色から濃い色までを付属リモコンや専用アプリでスムーズに調整できるのはちょっと気持ちがいい。


カラーの変化イメージ。リモコンのトルグを回転させれば、赤→紫→青→緑→黄色→橙色→赤といった流れで色を変更できる
 専用アプリには、再生する音楽のリズムや音量に合わせてカラーを変化できる音楽連動モードを搭載する。例えば音が大きくなったら赤く光り、音が小さくなるにつれオレンジや黄色に変わっていく、といった具合だ(色の変化具合はアプリで設定できる)。カラーを変更できるLED電球は既にいくつかあるが、電球とスピーカーを組み合わせたLSPX-103E26だからこそ実現できるこの新しい音楽体験は、他にはマネのできないポイントだ。

 ちなみに四本氏によれば、このカラー点灯はユーザーから要望があったわけではなく、開発チームがプラスアルファとして追加した機能。「コンシューマー向け製品なのでエンターテインメントをより訴求したい」と考えて挑んだそうだ。


専用アプリでのカラー点灯機能の画面。音楽連動モードはアプリでの設定が必要となるが、光る色合いを暖色系・寒色系から選べたり、色の変化パターンを音量やリズムで選べたりする
■「新居祝いに選ばれている」

 光量・音質の向上といったマイナーチェンジにとどまらず、カラー点灯機能などが追加されたことで、LED電球スピーカーの利用シーンはより広がった。音楽に合わせた光の色の変化を楽しむ以外にも、気分に応じて光の色合いを調整し、静かな音楽とともにリラックスするといった使い方もありだろう。

 もともと「電球を換えるだけで簡単に使えるうえに調光機能もプラスできる」というメリットを備えているので、仮に音楽をあまり聴かない人であっても、純粋な照明器具としての利便性は高まったと感じた。

 また、リモコンが標準で付属し、だれでも基本的な機能を使えるのも隠れたメリットで「新居祝いなどにも選ばれている」(四本氏)という。筆者も実際、プレゼントとしてこの製品を贈った。少々値は張るが、特別な相手への贈り物として喜ばれそうだ。


付属リモコンではON/OFF、明るさやカラーの変更、再生する音楽の操作が可能。LSPX-103E26を2台利用するステレオモードなどの設定も、付属リモコンだけで対応できる
(スプール 近藤寿成)
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