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FBI前長官の解任理由文書を入手 特別検察官

2017年09月02日 19時13分35秒 | 市場動向チェックメモ
https://www.nikkei.com/article/DGXLASDC02H1K_S7A900C1EA3000/?dg=1&nf=1

FBI前長官の解任理由文書を入手 特別検察官
2017/9/2 18:54

 【ワシントン=永沢毅】米大統領選へのロシアの干渉疑惑「ロシアゲート」を巡り、コミー前連邦捜査局(FBI)長官をトランプ大統領が解任した理由を記述したとみられる文書を、捜査を指揮するモラー特別検察官が入手していることが分かった。トランプ氏が側近と協力して書いた草案段階の文書で、解任が司法妨害にあたるかどうかを示す証拠となる可能性がある。

 米主要メディアが1日伝えた。この文書はコミー氏に解任を通知するのが目的だったが、ホワイトハウスの法律顧問が内容に「問題がある」と判断。司法省が作成した別の文書がコミー氏に送付された。

 トランプ氏は5月にコミー氏を解任した際、その理由について、コミー氏によるヒラリー・クリントン元国務長官の私用メール問題への対応に問題があったためと説明。司法省の勧告に基づいて解任するとしていた。ただその後に説明を一転させ、自身が解任を求めたと主張。コミー氏が指揮するロシアゲートの捜査を妨害するために解任したとの見方が広がった。

 米紙ワシントン・ポスト(電子版)は1日、草案にはトランプ氏本人はFBIの捜査対象外であることをコミー氏が公にしないことへの不満が記述されていると報じた。捜査の妨害を意図して解任したことを示す内容が明記されているとすれば、トランプ氏の弾劾につながる司法妨害の根拠となる可能性もある。
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70歳以上の医療費、まず世帯合算で負担減らそう 年間上限も新設

2017年09月02日 19時11分21秒 | 市場動向チェックメモ
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO20381590V20C17A8PPD000?channel=DF280120166591&style=1&n_cid=DSTPCS020

70歳以上の医療費、まず世帯合算で負担減らそう
年間上限も新設
2017/9/2

 病院や薬局の窓口で1カ月に支払った医療費が一定額(上限額)を超えた場合、超過分の還付を受けられる高額療養費制度。その上限額が8月の診療分から、70歳以上の人を対象に引き上げられ、負担増になるケースが出ている。来年8月には上限額が一部でさらに上がる。高齢者が家計を守るには「世帯合算」など、負担を少しでも減らせる仕組みを理解し、加入する医療保険制度に申請することが大切だ。

■1400万人が対象

 国全体の医療費は2016度、14年ぶりに減少に転じたが、高齢者の医療費は増加が続く。医療費膨張に歯止めをかけようと、70歳以上の中高所得者約1400万人を対象に今年と来年、高額療養費の負担上限額が上がる(表A)。

 所得区分が一般の人の場合、外来の個人ごとの負担上限は従来、月額1万2000円だったのが今年8月から1万4000円となり、来年さらに1万8000円に上がる。世帯ごとの上限(外来+入院)も5万7600円(従来4万4400円)になった。所得が現役並みの場合は、外来上限が5万7600円(同4万4400円)に上がり、来年には上限自体がなくなる。



 ファイナンシャルプランナーの浅田里花氏は「不安を募らせるだけでなく、制度をよく知ることが大切。知っておくとよい細かな変更点もある」と強調する。

 例えば一般区分の外来には新たに14万4000円という年間ベースの上限が設けられた。慢性的な病気で年中ずっと通院するような場合、1年間でみた負担上限は今年7月までと変わらない計算だ。

 一般区分でもう一つ新設されたのが「多数回該当」。過去1年以内に3回、上限額に達すると、4回目以降の上限額が下がる仕組みだ(表A)。外来や入院の負担が世帯で5万7600円を超えた月が3回(外来上限のみの適用月は対象外)あれば、4回目以降は上限が4万4400円に下がり還付額が増える。

■申請は2年内に

 高額療養費について特に忘れてはならないのが「世帯合算」だ。家族が同じ医療保険制度に加入している場合、それぞれの負担を合算でき、世帯負担上限を超えた分が還付される。手続きとしては多数回該当と同様、加入する制度の窓口に申請する。



 75歳以上の人が加入するのは後期高齢者医療制度。国民健康保険(国保)など他の制度の加入者とは合算できないが、例えば夫婦ともに75歳以上なら夫婦の合算は可能だ。

 図Bは72歳・70歳の夫婦(一般所得)が、45歳の息子(年収区分約370万~770万円)とともに国保に加入しているという前提で、現行の世帯合算の流れを示した。

 少々複雑だが、(1)まず夫婦それぞれで外来の超過分が還付(2)次に夫婦で外来・入院の負担を合算し、超過分が還付(3)さらに息子の負担も合算し、3人合計の負担額が、息子の年収区分に適用される世帯負担上限(算式省略)を超えた分が還付――というのが基本的な流れだ。

 「改正で70歳以上の自己負担額は増えたが、70歳未満と世帯合算することでトータルの負担額が変わらない場合もある」(浅田氏)。図Bの試算でも合算効果により最終的な払戻額は改正前とほぼ同じという結果になった。高額療養費の申請期間は治療を受けた日の翌月1日から2年間だ。過ぎると時効になる。不明な点は加入制度の窓口に問い合わせたい。

(手塚愛実)
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役者は何でもできないといけない(井上芳雄) 第5回

2017年09月02日 19時09分35秒 | 市場動向チェックメモ
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO20545950Q7A830C1000000?channel=DF120720172677&style=1&n_cid=DSTPCS020

役者は何でもできないといけない(井上芳雄)
第5回
日経エンタテインメント!

2017/9/2
 井上芳雄です。前回までラジオ、ナレーションと今年からしゃべりの仕事が増えたことを話しました。僕はミュージカル俳優が本業だと思っていますが、それだけやっていればいいという考えではありません。松本幸四郎さんがよく「役者は何でもやる必要はないけど、何でもできないといけない」とおっしゃっています。僕もその通りだと思っていて、とても好きな言葉です。今回は、それについて話そうと思います。


 今はミュージカル・ブームといわれています。チケットが完売するような公演が増えましたし、人気作のロングランや再演も盛んです。映画でも『ラ・ラ・ランド』や『美女と野獣』が大ヒットして、歌や踊りに世の中の関心が高まっているように思います。

 ですが振り返ると、あまり注目されない時期も長かったのです。6~7年くらい前だと、ミュージカル舞台の宣伝をしようにも、できるメディアは限られていました。記者会見には、演劇を扱う媒体の人たちが来てくれるだけで、カメラも1、2台あるかどうか。情報は広く発信されなくて、人知れず静かに上演して、舞台写真もあまり残らずに終わり、見た人だけが「よかったね」と言ってくれるような作品もありました。

 僕は17年前、東京藝術大学の学生のときに、『エリザベート』というミュージカルの皇太子ルドルフ役でデビューして、そのままプロになり、ミュージカル俳優としてキャリアを重ね、主役をやらせてもらえるまでになりました。子どものころからミュージカルが大好きでプロをめざし、ミュージカルの舞台で育ててもらった身としては、素晴らしい舞台の数々が世の中に知られないのは、悲しいことでもあります。

 そうした状況のなかで、ミュージカルの魅力を知ってもらえるように、自分にできることはなんでもやろう、それが自分の役割でもあるという考え方が強くなりました。

■ミュージカルに興味を持つきっかけに

 もちろん俳優の仕事として、演技力や感性を磨くことが第一であると思っています。特に主役はそれが大事で、俳優としての実力に引かれてお客さまが来てくれるのだと思います。それだけで劇場がいっぱいになれば言うことはないのですが、そうではないことも多いので、まずは公演があることを知ってもらい、舞台の魅力にふれてもらわないといけない。僕の存在を知ってもらえることが、ミュージカルに興味を持つきっかけになれば、という思いで、活動の幅を広げるようになりました。勝手にミュージカル界の「広報部長」のようなつもりでもあります。

 だから、「何でも屋です」というつもりは全然ありません。でも、引き受けた仕事で「こうしてください」と言われたら、何でも対応できるようになりたい。

 ストレートプレイの舞台にも出て、トークショーなどにも積極的にかかわり、映画やドラマといった映像や、コンサートやCD制作といった音楽の仕事にもチャレンジしているうちに、活動の場がどんどん広がりました。新しい仕事で得たものが、舞台やほかの仕事に生かされるという好循環も体験しました。そんな自分の経験をふまえて、「役者は何でもできないといけない」。そう思います。

 最近は、ミュージカルを取り上げていただけるメディアも増え、以前よりもはるかに注目されているのをひしひしと実感します。ネットの時代になって、情報が広がりやすくなったことも大きいでしょう。僕らミュージカル俳優が、ドラマやバラエティーにひんぱんに呼んでもらえるようにもなり、ありがたく思っています

 僕も、今年はNHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』に出たり、ラジオやナレーションを始めたりと、また仕事の幅が広がりました。だからこそ、原点であるミュージカル俳優としても、さらに成長していかなければならないと思っています。

■歌うことで違う自分を見せられる

 ミュージカル俳優は、歌が歌えるのが一番の強みです。一種の変身みたいなもので、歌うことによって違う自分を見せられるのが武器になります。

 だから若いころは、僕は歌さえ歌えばいい、歌えば一目置いてくれるはずだというのを心のよりどころにしていたところがあります。でも、今はそう思っていません。歌ってほしいと言われれば、必要なら歌いますが、歌えるからほかのことはできなくてもいいとは全然思わなくなりました。歌えるのは当たり前で、さらに僕にしかできない何を表現できるのかが大事だと考えています。それは演技でありトークであり、歌にしても一層深い表現力です。

 ミュージカルの魅力は、理屈じゃない楽しさや感動です。歌やダンスはアピールする力が強いので、初めて生歌を聴いた人は「うわー、すごい歌声だ」となるでしょう。そうやってミュージカルに興味をもってくれた人が、2回、3回と歌を聴いたときに、今度は何に感動してもらえるのか。「この人の歌はこういうところが特徴で、そこがいいんだ」とか「こういう表現をするんだ」といった、奥の深いものも感じてほしいと思っています。

 聴くたびに、新しい感動を与えられる表現者になりたい。ミュージカルに注目が集まっている今だからこそ、それを肝に銘じて、歌にも芝居にも取り組んでいます。

井上芳雄
 1979年7月6日生まれ。福岡県出身。東京藝術大学音楽学部声楽科卒業。大学在学中の2000年に、ミュージカル『エリザベート』の皇太子ルドルフ役でデビュー。以降、ミュージカル、ストレートプレイの舞台を中心に活躍。CD制作、コンサートなどの音楽活動にも取り組む一方、テレビ、映画など映像にも活動の幅を広げている。著書に『ミュージカル俳優という仕事』(日経BP社)。自身初のシングル『風のオリヴァストロ』を10月4日に発売。10月12日に「井上芳雄 by MYSELF スペシャルライブ」を東京国際フォーラムにて開催。
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美貌の女性に「マジックマン」 世界の騎手の素顔

2017年09月02日 19時08分23秒 | 市場動向チェックメモ
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO20541370Q7A830C1000000/?n_cid=DSTPCS005

美貌の女性に「マジックマン」 世界の騎手の素顔
(1/2ページ)2017/9/2 6:30

 今週末で夏競馬も終了、いよいよ来週からは秋競馬です。G1の前哨戦が次々に行われ、ファンの気分も高まる季節になります。また同時に、“世界”も楽しめるのが、今の日本競馬。先日、10月1日の仏G1、凱旋門賞の馬券が2年連続で発売されると発表されたように、日本にいながら、世界のビッグレースに馬券で参加できる、本当にありがたい時代になりました。昨年は初の海外発売となった凱旋門賞を皮切りに、メルボルンカップ、ブリーダーズカップ(BC)フィリー&メアターフ、香港国際競走と、暮れまでに計7競走が発売されました。さて今年の秋は、どれだけのビッグレースに参加できるのでしょうか。

参加14騎手が勢ぞろいしたWASJ開会式

■札幌で世界の技満喫

 日本にいながらにして世界を感じられると言えば、8月26、27の両日、札幌競馬場でワールドオールスタージョッキーズ(WASJ)が行われました。今から30年前の1987年、暮れの阪神開催で始まった前身のワールドスーパージョッキーズシリーズ(WSJS)が、15年、夏の札幌競馬の目玉の一つとして、WASJに改称されて今年で3回目。WSJSには以前、仕事で何度も携わりましたが、札幌に舞台を移してからは初めて、直接取材する機会を得ました。各日2競走ずつの計4戦の獲得ポイントで勝者を決める同シリーズ。結果はもう、皆様ご存じと思います。今回は、現地での様子を、少しお伝えしたいと思います。

 シリーズは8月25日(金)、札幌市内のホテルで行われたレセプションパーティーから始まります。出場騎手、関係者、そしてメディアが集まり、盛大に開かれました。ステージ上での騎手紹介に加えて、合間には個別に招待騎手の囲み取材も設定されました。

■「美しすぎる騎手」腕もアピール

モデルのオファーを受けたこともあるというマリヨン騎手

 今年も海外招待騎手は6人。最も注目を集めたのは、オーストラリアのケイトリン・マリヨン騎手(23)だったと思います。祖父、両親、兄、いとこが騎手という家庭環境で育ち、米国からモデルのオファーがあったのに、断って騎手になったといいます。実際、その美貌から、“美しすぎる騎手”と言われているそうです。私も彼女を見て、「本当に騎手?」と驚いてしまいました。「これだけのメンバーの中で、唯一の女性ですが、私はパワーがありますし、十分にやれるところをお見せしたい」と、意気込みを語っていたマリヨン騎手。実際、第2戦で8番人気の伏兵ゲッカコウで2着に入り、“腕”で存在を十分にアピールしてくれました。

 次に、今年のオークス馬ソウルスターリングの父として、改めて日本競馬界に存在を強くアピールした、史上最強馬の1頭と評されるフランケルの主戦だった英国のトム・クウィリー騎手(32)。自身も、やはりフランケルの子の走りが気になっていて、ソウルスターリングの走りもVTRでチェックしたとのこと。「素晴らしい馬」と評していました。プライベートについても色々と明かしてくれました。料理も含めてアジアが大好き。はしの使い方を中国の友人から褒められるそうです。好きな食べ物を聞かれると、「おすしも好きだけれど、(ご飯を食べてしまうと)体重管理に影響するため、罪悪感を覚えるので、できればお刺し身の方がありがたい」と、騎手ならではの食との付き合い方も話してくれました。やはり騎手という職業は、何かと大変なのですね。

 一昨年のシリーズ優勝者で、日本でもすっかりおなじみ「マジックマン」ジョアン・モレイラ騎手(33=香港)。本音か冗談かはわかりませんが、実は「目立つことはそれほど好きではない」という話も飛び出しました。今年もわずか2週の札幌滞在で12勝の荒稼ぎ。レース後の取材でも、彼が騎乗して勝った馬を管理する調教師からは、その騎乗に対する称賛の声が本当に多く聞かれました。腕が腕、本人の意思とは別に、自然と目立ってしまいますね。

逆転でシリーズ優勝を決め、夫人と喜ぶダシルヴァ騎手

■最終戦で大逆転、夫人と大喜び

 第4戦の勝利で、大逆転の優勝を決めたカナダのユーリコ・ダシルヴァ騎手(42)。これが日本初勝利。レース後のインタビューでは、素直に喜びを爆発させ、ファンに対し、何度も歓喜の雄たけびをあげてアピールしていたのが、非常に印象的でした。カナダ不動のナンバーワン騎手で、年齢も42歳。パーティーでの振る舞いなども見て、勝手に落ち着いた大ベテランというイメージを持っていたのですが、実はまるで違いました。シリーズ総合表彰式終了後も、取材陣のリクエストに応じ、奥様とのツーショット撮影に何度も応じ、ここでも喜びを爆発。今年のWASJ、この人の大逆転優勝で、最後に大いに盛り上がったと感じました。

 今回は、現地で触れた海外からの招待騎手数人にスポットを当ててご紹介しました。暮れに行われていた前身のWSJSと違い、夏の札幌の爽やかな空気の下で行われるWASJ。初めて体験してみて、久々に担当した騎手名入り実況を含めて、素直に楽しかったです。ただ、海外からの招待騎手6名というのは、WASJと銘打っている割に、やや少ない感があります。難しい問題もいろいろあるのでしょうが、もう少し多くの招待騎手が集まれば、国際色も華やかさも増すのでは、と感じました。過去3回を踏まえて、来年以降、WASJがより発展したイベントになることを期待しています。そして、まだ現地で観戦したことがないという方、来年はぜひ、真夏の札幌でWASJを楽しんでください!

(ラジオNIKKEIアナウンサー 中野雷太)
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ISDN終了で受発注50万社影響 通信網に2024年問題

2017年09月02日 19時03分15秒 | 市場動向チェックメモ
https://www.nikkei.com/article/DGXKZO20463860Y7A820C1X11000/?n_cid=DSTPCS003

ISDN終了で受発注50万社影響 通信網に2024年問題
(1/2ページ)2017/8/29付日本経済新聞 電子版

 NTT東西が2024年初めから固定電話網をIP化する計画を発表してから5カ月近く、日本の産業界では波紋が広がっている。固定電話網の移行に伴い企業の受発注や決済などで使われる「総合デジタル通信網(ISDN)」サービスも終了し、その対応が難しいことが明らかになってきたからだ。世界に先駆けたIP化により日本の通信網は進歩するとされたが、ISDN問題という「落とし穴」にはまれば、企業活動に深刻な影響をもたらしかねない。

■ISDNサービス終了

 「全国でおよそ50万近い企業がISDNを使ったEDI(電子データ交換)で商品の受発注などをしている。対応が遅れれば、小売店の店頭から商品が消えるなど大きな混乱が起きかねない」――。情報システム企業の業界団体、情報サービス産業協会(JISA)の藤野裕司氏は8月1日、都内で開いたセミナーで100人を超える企業のシステム担当者らを前にこう語った。

 藤野氏は1980年代から通商産業省(現経済産業省)などでEDIの普及を進めてきた。現在はJISAが発足させたEDI問題のタスクフォースチームの座長を務めており、NTTがサービスを終了するISDNの対応を円滑に進める司令塔の役割を担う。

■足りぬ準備期間

 国内では小売業のほか、自動車、電子・機械など日本の多くの企業が商品や部品の受発注などでISDNを使っている。藤野座長は「非常に便利なために別のシステムになかなか移行できない。本来なら10年の準備期間が必要だ」と語る。

 エレクトロニクス関連の業界団体、電子情報技術産業協会(JEITA)ECセンターの佐藤広隆情報技術委員会委員長もISDNサービスの終了について「(対策が遅れれば)家電などの生産ラインが止まりかねない」と指摘する。今年秋にも会員企業に警鐘を鳴らすガイドラインを公開し対策を進めていく。

 銀行と企業の間で給与や振り込みなどを担うエレクトロニックバンキング(EB)でもISDNが使われている。

 全国銀行協会の決済システム部門担当者は「現在も3メガバンクと契約する企業だけで約10万社もあり、月間取引件数は約1億件ある」と指摘する。地方銀行などでもISDNを使ったEBが普及している。「おカネの流れ」という重要な「血管」の役割を果たしており、サービス終了後の対策は急務だ。

 NTTがISDNサービスを終了するのは24年初めを予定しており、6年以上の移行期間がある。それでも混乱が起きかねないと関係者が危惧するのは「落とし穴」がいくつもあることが分かってきたからだ。まさに国内の基幹通信にとっては「2024年問題」ともいえる事態だ。

 EDIやEBに使うISDNの契約数は17年3月末時点で約234万件だ。ピークの2001年度から大幅に減少したが、その多くはEDIとEBの基幹システムとして利用している。

 ただ、問題なのはNTT側も認めているが、契約者が受発注などでISDNを使っているという認識が予想以上に乏しいことであり、対策が後手に回りかねないことだ。NTT東西は10月からサービス終了などについて説明を始める計画だ。ダイレクトメールや電話など手段を分けて複数回の周知を行う。費用は数十億円にものぼる見込み。それでもISDNの契約者の多くは中小企業とされ、こうした顧客に周知徹底させることは容易ではない。

 また、受発注などで代替システムに移行するのは多額の資金や準備期間がかかる。新しいインターネットを使ったEDIに移行する際には、サプライチェーン全体で足並みをそろえて新システムを導入する必要がある。自動車業界では下請けを含めれば、数万社規模の企業が対象となり、相当長い期間がかかる。

 もともと、NTTは20年度後半にISDNサービスの終了方針を打ち出していたが、多くの業界団体からの批判で24年初頭に先送りした経緯がある。それでも藤野座長らが主張した「準備期間10年」よりは大幅に短い。新システムへの移行費用も「2000億~3000億円は必要」(JISAの藤野座長)とされる。中小企業ではシステム導入費の負担などが重くのしかかる。

■決済遅れる恐れ

 こうした批判を受けてNTTはIP網上で新たなサービスを提供することにした。ただ、IP化に伴い送受信の際に様々なデータを変換する作業が必要になる。このため、NTTの代替サービスは現在のISDNと比べて最大10倍も通信の遅れが発生することが判明している。

 通信の遅れはEDIやEBにおいて重大な問題だ。「これまで1時間かかっていた送信時間が4時間に伸びたとすると、場合によっては決済が翌日に持ち越される恐れもある」(全銀協の担当者)。決済の遅れは企業の信用問題に発展しかねない。製造業大手による部品の発注でも同様のことが起きれば、通常の生産業務に影響しかねない。

 それだけに、JISA、JEITAや全銀協などもNTTの代替サービスを使わない方針を固めており、それぞれが独自にIP対応の新システムを導入していく考えだ。ただ、代替のシステムを開発、普及させていくことは一筋縄ではいかないことは確かだ。

 日本の産業界の日々の業務が円滑に進むように動脈のような役割を果たしてきた仕組みがISDNの終了で大きく変わらざるをえない。NTTが100年以上の歴史のある固定電話網を、先進国の中でいち早くIP化する上で、これが失敗の許されない最大の挑戦だといえそうだ。

■NTT、IP軟着陸の重責

 NTTにとって赤字続きの固定電話網の移行は長年の悲願だった。NTTの局舎に設置される交換機などの維持コストは膨らみ、補修部品の調達も難しくなっており、IP化への移行は避けられない課題だった。ただ、業界から批判された「総合デジタル通信網(ISDN)」問題などへの対応を誤れば、日本の通信インフラの中枢を担う公的な企業として社会的な責任を問われる可能性もある。

 「これまで数多くの曲折があった固定電話網のIP化の議論だが、ようやく大筋が固まった」――。NTTグループのある首脳は安堵の表情を見せる。NTTが2010年に固定電話網の移行方針を打ち出してから調整に長い時間がかかったが、今年6月に総務省の有識者会議によって24年からの移行の大枠がまとまったからだ。NTTが求めてきた主張におおむね沿った内容だった。

■「認識甘かった」

 「交換機の保守寿命を迎えることから25年に固定電話網をIP化したい」。NTTが固定電話網の移行の考えを最初に打ち出したのは10年11月のことだ。

 固定電話網はNTTだけでなく、KDDIなど競合する国内通信事業者も利用する。NTTは他社との協議の場を設けて議論を進めようとしたが、圧倒的な優位性を発揮するNTTへのアレルギーも強く一部の合意が得られただけで、ほとんど進展しなかった。

 これに業を煮やしたNTT経営陣は15年11月に再び仕掛ける。NTT持ち株会社の鵜浦博夫社長が記者会見を開き、「固定電話網のIP化による、新たな固定電話サービスは距離に依存しない全国一律料金も実現したい」と語った。固定電話のIP化により、特に遠距離の電話料金が大幅に低下することをアピールし、消費者らからの支持を得ようとしたわけだ。

 NTTが指摘したように国内の通信機大手が交換機の生産の縮小・撤退に動いていることもあり、固定電話網のIP化への議論が再び動き出す。総務省が16年2月から有識者会議を開催し、関係事業者間の意見調整が一挙に進むことになった。

 その中であぶり出された問題がISDNサービス終了に伴う影響だった。NTT幹部も「認識が甘かった」と率直に認めたが、当初はISDNサービスを20年度後半に打ち切ることを目指していた。多くの業界団体から「あと3年で他のシステムに移行することは不可能」などと激しい批判を招いた。

 総務省もNTTに対してISDNの終了時期を見直すように「行政指導に近い要請」(業界関係者)をした。この結果、NTTは17年4月に、ISDNの終了時期を24年初頭に後ろ倒しすることを表明。関係者の要望に譲歩する格好となった。

 NTT幹部は固定電話網のIP化について「地上放送のデジタル化のような難事業」と語る。11年にテレビの地上波放送をデジタル化した際には総務省が中心となりテレビなどを使った宣伝をして周知徹底した。テレビ局も全面協力した。

■地道な周知こそ

 ただ固定電話網のIP化は、固定電話の利用ではほとんど問題が生じない。固定電話の顧客はメタル回線につないだこれまでの電話機を、変更することなくIP網を使った固定電話サービスに移行できる。混乱が起きかねないのがISDNを使ってEDI(電子データの交換)などを利用している法人顧客だ。それだけに業界団体を通じて地道に告知活動を進めていくしかない。NTTにはISDNサービス終了の周知徹底でより積極的な関与を求める声は強まりそうだ。

 NTTは固定電話網のIP化により大きなメリットがあり、通信業界での競争力が一段と強まる可能性がある。例えば、距離の区分で固定通信事業者を自由選択できる「マイライン制度」も廃止の方向となったことだ。

 マイラインの登録数はピーク時から約6割減った。とはいえ、2017年3月末時点で距離区分ごとの合算で約7000万件もある。KDDIは総務省の有識者会議で「固定通信事業者を顧客が選ぶ機会がないがしろにされる」として、IP化後もマイライン同様の機能を備えるように強く訴えた。だが、最終的にコスト面で非効率という意見が大勢を占め、KDDIの意見は退けられた。

 NTTはマイラインの代替えとして他の事業者にIP網を使った固定電話サービスを卸す方向だ。「NTTの利ざやを抜いたビジネスしかできない」と競合事業者の反発は強い。

 NTTとして年間400億円とされた赤字の固定電話網をIP化できることは大きい。それだけにISDN対応を含めて重い責任も負っている。そこで信頼を失うような事態になれば、かつてのように顧客軽視の独占企業といった強い批判を再び招きかねない。

(企業報道部 堀越功)
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パナの新型タフブック、零下20度の冷凍倉庫で検証 フリーライター 片田 貴之

2017年09月02日 18時58分39秒 | 市場動向チェックメモ
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO20395190V20C17A8000000/?n_cid=DSTPCS003

パナの新型タフブック、零下20度の冷凍倉庫で検証
フリーライター 片田 貴之
(1/4ページ)2017/9/2 6:30日本経済新聞 電子版

 過酷な環境での使用を想定したパナソニックのノートパソコン「タフブック」シリーズに、液晶サイズが12型の「CF-33」が追加された。液晶部分を取り外しタブレットとしても使えるデタッチャブルノートだ。米国防総省の調達基準「MIL-STD-810G」に準拠しており、120センチメートルからの落下に耐えうるほか、防じん・防滴や耐振動など圧倒的なタフさが売りである。基本性能はCPUがCore i5-7300U(vPro)、メインメモリーは8ギガバイト、容量256ギガバイトのSSDを装備している。OSはWindows 10 Proだ。

パナソニックの頑丈設計パソコン「タフブックCF-33」。発売は9月下旬予定で、価格は43万6200円(税別)

 昨今、ノートパソコンやスマートフォンの頑丈さの基準として、軍用スペックである「MIL-STD-810G」準拠をうたう製品を目にする機会が増えた。だが、それら製品の多くは日常生活や一般的なビジネスシーンでの落下や水没を想定している。一方、今回試したタフブックシリーズは、建設現場や、物流の冷凍倉庫など過酷な現場を想定した特殊なマシンである。外観や装備類は普通のノートパソコンと設計思想からして大きく異なる。一般ユーザーを対象とした製品ではないため店頭では販売されておらず、法人向けの販売チャネルに限られている。さらに、個々の使用環境に合わせた特殊なカスタマイズにも対応している。

 今回は、実機を細部まで調べて使い勝手を検証した。さらに、過酷な「現場」での性能もチェックするため、実際にマイナス20度で稼働している冷凍倉庫に本機を持ち込み、耐久性や動作の実力を試した。

■普通のノートパソコンとは異なる発想

 まずは頑丈設計のボディーから見ていこう。カラーは、従来モデル同様にシルバーのボディーをブラックのフレームが囲むデザインを採用している。見た目からも頑丈さが感じられる。本機は、取り外すと単体で動作するタブレット部と、ノート機として利用するためのキーボード部の主に2つのパーツで構成されている。タブレット部にはCPUやストレージ、バッテリーといった主要機能が搭載されており、重さは約1.53キログラム。キーボード部とドッキングすると約2.76キログラムとなる。12型のノート機としては重い部類といえる。厚さも、タブレット部のみで21.6ミリメートル、キーボード部とドッキングすると計46.1ミリメートルとかなり分厚い。パソコンバッグに入れて手軽に持ち歩けるサイズではないが、本体後部に可動式のキャリングハンドルを内蔵しているので、かばんに入れなくても持ち運びできる。約46ミリと厚みがあるので、本体を縦にした状態で自立可能だ。使わないときや充電時は、縦状態にしておけて便利である。

タブレット部とキーボード部の2つに分離できる構造

キャリングハンドルを搭載。持ち運ぶときはバッグに入れなくてもよい

タブレット部は背面向きに取り付けて、ビューアーモードとしても使える

 ノートPCおよびタブレットとして使える一般的な1台2役のモバイル機は、マグネットなどで固定されたキーボード部を手軽に着脱してタブレットとして利用できる。一方、頑丈さを重視している本機は簡単には分離しない。そもそも画面が簡単に開かない仕様になっている。画面を開くには、手前側にあるディスプレーラッチのロックを解除し、画面を起こすという操作が必要だ。画面部を取り外してタブレットとして利用する場合も、ロックを解除しリリースレバーを引いてようやく取り外せる。操作にひと手間かかるが、予期せぬタイミングで画面が開いたり、外れたりといった事態を回避するための配慮だ。

 タブレットを支えるガイド部分も分厚く、タブレットをロックするフック部分も独自のダブルフック機構を採用しており簡単には外れない。キーボードとタブレットそれぞれに凹凸のパーツを備え、それら凹凸がかみ合うことで閉じた状態がしっかりと保持される。タブレットの取り付けはガイド部分にはめ込むだけなのだが、かなり硬いのでロックするには少し強く押さなければならない。しっかりはまると、ガイド部にあるオレンジのサインが黒に変わる。

画面を開くには、まず中央のラッチを解除しなければならない

キーボード部。タブレットを支えるガイド部分は大きく、しっかりとしている

タブレットを取り外すにはロックを解除し、リリースレバーを引く。写真ではタブレット部がリリースされているのでヒンジの左側にオレンジのサインが出ている。ドッキングするとオレンジから黒に変わる

 タブレット部の画面は、12型の静電容量式マルチタッチパネルを採用しており、表面に抗反射フィルムが装着されている。解像度は2160×1440ドット(QHD)と高く、輝度も1200cd/m2と明るい。通常のタッチ操作のほかに、デジタイザーペンにも対応している。手袋を着けたままでのタッチ操作や水滴が付いた状態でのタッチ操作も可能だ。このほか、液晶の下部には電源や音量、ウィンドウズボタンなどがあり、任意で設定できる機能ボタンも配置され、使い勝手は良い。

タブレット部分。いかにも頑丈そうに見える

液晶下部には機能ボタンやスピーカーを内蔵する

オプションの「回転式ハンドストラップ」。取り付けることで保持性が飛躍的に向上する

 タブレット部は約1.5キログラムなので、実際に手にしてみるとやはり重い。手で持つというより、腕に載せて抱えるように使った方が疲れずにすみそうだ。タブレット部の持ちにくさについては、オプションのストラップを併用することで大幅に軽減される。とくに「回転式ハンドストラップ」は手をタブレット中央部分で固定できるので、重量バランスが取れて使いやすかった。検査や検品などの用途で、タブレット部を長時間保持する場合はストラップの併用をお勧めしたい。

■マイナス20度の環境でテスト

庫内の気温はマイナス20度。当初はマイナス15度で行う予定だったが、撮影スペースの関係からより過酷な環境を選ぶこととなった

 本機の耐久性能で気になったのが、動作環境の「温度」だ。カタログスペックには「マイナス10度~50度」とある。アフリカの砂漠などでは日中に40度を超える場所もある。温度の上限は、そうした高温環境も想定内ということだろう。むしろ、気になったのは下限の方だ。冬の北海道など国内でもマイナス10度以下になる場所はある。冷凍食品などを扱う倉庫では、マイナス15度以下になることもあるという。物流関係者に取材したところ、「もし、冷凍庫内でも問題なく動作するなら、検品などに本機を活用できる」とのことだった。そこで今回は、実際に使っている冷凍庫内で、本機がどのように動作するか検証してみることにした。検証場所はマイナス20度に設定された冷凍庫。満充電状態のCF-33を冷凍庫に持ち込み、撮影用機材もマイナス10度ぐらいの環境に耐えられるものを用意した。

 まず、電源を入れた状態で庫内に入り、基本的な操作を行った。動作は通常時と変わらず、キーボードもタッチ操作も問題はなかった。液晶は手袋を着けたままでもタッチ操作ができるので、こういった環境では非常にありがたい。むしろ問題が発生したのは撮影用機材の方で、カメラの電源が入ったまま動作不能になってしまった。冷凍庫内に人が入ったことで一時的に温度が上がり、マイナス20度に保つため冷却装置から噴き出した冷風がカメラとCF-33を直撃したようだ。カメラは予備機と交換になったが、この状況でも動作しているCF-33に期待は高まった。

キーボードはもちろん、タッチ操作も良好。手袋を着けたままでも操作できる

 次に、シャットダウンした状態で庫内に10分間放置し、その状態で電源を入れてウィンドウズのデスクトップ画面が表示されるまでを計測した。バッテリーは、低温環境で普段の性能を発揮しにくい。そうした影響があるかをチェックするのが目的だ。冷凍庫の外(約27度)におけるOSの起動時間が6.5秒ほどだったのに対し、冷凍庫内に10分間放置した後に起動してもタイムは変わらなかった。再び本機をシャットダウンし、さらに10分間放置してみた。庫内に入れてから20分が経過した後に電源をオンにしたところ、起動時間は9.29秒と若干遅くなったが問題なく利用できた。本体の表面温度は金属部分がマイナス4.5度まで冷えていた。素手で持つのを尻込みするレベルである。

庫内で20分経過し、表面はマイナス4.5度。起動は問題なく行えた
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庫内で20分経過し、表面はマイナス4.5度。起動は問題なく行えた
 さらに10分間、冷凍庫内に計30分間置いたところ、バッテリーランプが通常のグリーンからオレンジ色に変化し、異常を知らせる「プレヒート画面」が表示された。それでも電源オンから約43秒後には起動画面に切り替わった。低温で電圧が下がるバッテリーの特性とプレヒートが影響したのだろう。起動に時間がかかったものの、その後は何事もなく動作していた。

 金属部分の表面温度はマイナス12度まで下がっていたが動作は良好。画面のタッチ操作も問題なく動作する。ただし、手袋をしているので指が太くなり細かいタッチ操作はしにくい。そこで活躍するのが付属のデジタイザーペンだ。ペンを使えば細かいポインティング操作を正確に処理でき、ストレスなく操作できた。

30分経過し、表面はマイナス12度になっていた

バッテリーランプがオレンジになり、プレヒート画面が出た。時間はかかったが、それでも起動した
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バッテリーランプがオレンジになり、プレヒート画面が出た。時間はかかったが、それでも起動した

 テストを終え、冷凍庫の外に本機を出したところ、結露で表面が白くなった。このときの庫外の気温は27度である。空気中の水分が本機で冷やされ、あっという間に水滴だらけの状態になった。一般的なパソコンなら、内部に水分が入り込み故障してしまうところだが、防滴性能を備えている本機は問題なく動作した。画面に多数の水滴が付いた状態だが、タッチ操作も問題なくできる。これも本機ならではの特徴である。

 先述したが、メーカーの使用環境条件は「温度がマイナス10度~50度、湿度が30%RH~80%RH(結露なきこと)」となっている。今回のテスト環境は保証対象外ということになる。それでも、冷凍庫内への持ち込みから退出の過程で大きな問題は起こらず、寒冷現場での作業も十分耐えた。同社は本機の発表会場で氷漬けの状態から本機を起動するデモンストレーションを行っていた。実際のところ、カタログ値のマイナス10度以下でも動作すると考えられる。今回、マイナス20度の環境で1時間程度テストした結果、調子が悪くなったのは撮影用カメラと実験を行った筆者だけで、CF-33は起動が遅くなったこと以外は不審な挙動を見せることはなかった。暑さはもちろん寒さにも耐えうるタフなマシンであると実感した。

検証後に表に出すと結露で所々白くなった。普通のパソコンなら故障してもおかしくない状況だ

発表会でのデモンストレーション。氷漬けの状態でも起動している
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発表会でのデモンストレーション。氷漬けの状態でも起動している


■あらゆる環境に対応する豊富なインターフェース

 本機の特徴の一つが豊富なインターフェースだ。タブレット部だけでもUSB3.0、HDMI端子、ヘッドセット端子、LAN端子、microSDカードスロットを搭載している。キーボード部にはUSB3.0×2、USB2.0、LAN端子、シリアル端子、アナログRGB端子、HDMI端子、SDカードスロットと新旧インターフェースがそろっている。それら全ての端子がカバーで保護されており、むき出しになっている端子はない。まさに鉄壁の守りである。

 さらにタブレット部にはオプションの端子エリアが設けられており、USBやシリアル、バーコードリーダーなどを選んで取り付けられる仕組みだ。背面には、スマートカードリーダーや指紋認証センサー、非接触ICカードリーダーライター、SIMフリーの通信モジュール(受信時最大300Mbps/送信時最大50Mbps)なども追加できる。

 インターフェース類を減らせば、本機はもう少し薄く、軽くできたかもしれないが、それでは「現場」で活躍するマシンでなくなってしまう。一般的なオフィスはUSB端子さえあれば済むケースが多いが、工場などでは旧世代の周辺機器が現役で稼働していることも多い。まさに、現場を意識した端子設計といえよう。

タブレット部の右側面のカバーをスライドさせてから開くとインターフェースにアクセスできる。HDMI、USB3.0、ヘッドセット端子、microSDカードスロット、LAN端子を装備

キーボードの左側面。左から電源コネクター、SDカードスロット、HDMI、USB2.0、アナログRGB端子が並ぶ

キーボードの右側面。左からシリアル、LAN、USB3.0が2つ並ぶ

液晶上部には顔認証対応の赤外線カメラを搭載

 液晶上部には200万画素の赤外線カメラを搭載している。これはWindows Helloに対応した顔認証を行うものだ。リアカメラは、オプションで800万画素のカメラを搭載できる。このほか、セキュリティー面ではセキュリティチップ(TPM)を搭載しており、インテルvProテクノロジーによる遠隔管理機能にも対応している。

■キーボードやペンもタフ設計

 日本語に対応したキーボードは、6列配置でキーピッチは縦横ともに19ミリメートルを確保している。本体同様に防じん・防滴仕様だ。キートップは「レッツノート」でも採用されているリーフ型を採用しており、タイプミスを軽減してくれる。打鍵感は良好でパナソニック製のモバイルノートならではの使いやすさを感じた。一方、タッチパッドはレッツノートのような円形ではなく角形を採用している。クリックボタンが独立している点は使いやすいが、パッド部分の縦方向が4センチメートルしかなく、タッチ領域が狭く感じた。パッド自体が周囲より数ミリへこんでいるため、端をタッチすると指が当たり、あまり快適とはいえなかった。

キーボードは19ミリピッチのリーフ型を採用しており、入力操作は快適。タッチパッドは小さめだ

 付属のデジタイザーペンは、細身の角形でグリップしやすいとはいえないが、本体側面にペンを収納できる点は評価したい。ペン尻にはスリットが開いており、付属のストラップを取り付ければ本体から離れないようにできる。実際、点検や訪問営業などで使われているタブレットは本体とストラップでつないでいることが多い。もちろん、このペンも防水仕様だ。試しに水に落としてみたが、ペン尻を上にして浮くようになっていた。こだわる人は少ないかもしれないが、プールや水槽にうっかりペンを落としてしまったときに拾いやすくて便利だろう。

付属のデジタイザーペン。クリックボタン付きだ

ペンは本体側面に収納できる


■ホットスワップ対応のバッテリー

 バッテリー駆動時間はカタログ値で約12.5時間(JEITA Ver.2.0)。バッテリーはタブレットの背面のカバーを開くことで簡単に取り外せる。バッテリーは計2個搭載しているので、1つずつ交換することでホットスワップ可能だ。この点は、ほかのタブレットではできない特徴である。なお、オプションで大容量バッテリーも選べる。背面カバーを専用のものに交換しなければならないが、約25時間という長時間駆動が可能となる。

タブレット背面のカバーを開けると2つのバッテリーにアクセスできる。ホットスワップも可能

 試用してみて不満はほとんどなかったが、あえて気になったことを挙げるなら、ノートスタイルで使用したときの重量バランスだ。キーボード部よりもタブレット部が重いこともあり、液晶を倒しすぎるとそのまま後ろにひっくり返ってしまう。机の端に置いた状態で不用意に液晶部を開くと、誤って机の下に落ちてしまうこともあり得る。重量バランスについては改善の余地がありそうだ。

 今回、冷凍庫のテストに立ち会った関係者からは、本機の実力を目の当たりにして「欲しい」という声が上がった。一般的なビジネス向けノート機と比べると大きく重いが、本機のような特殊用途のノート機はタフさを優先して選択するのも一手だろう。なお、12型のCF-33が登場したことで、タフブックは10型のCF-20とともにデタッチャブルノートのみとなった。12型の本機も、約3キログラムのノートスタイルより、約1.5キログラムのタブレットスタイルの方が機動性が増し、新しい国内ユーザーを開拓するかもしれない。

 今回の「現場」検証では、極寒環境の挙動を確認する予定だったが、結果としてタッチの操作性や防滴機能まで確認できた。バッテリーも持ちはしたが、その特性から低温では消耗が速くなるので、交換機能の有用性も実感できた。一見すると本機の装備はオーバースペックに思えるが、実際に使ってみると「これら機能がなかったら困るところだった」と痛感した。タフシリーズは初代の「CF-25」から20年以上が経過したが、今後もどのような進化を遂げるか楽しみだ。

片田 貴之(かただ・たかゆき)
 1971年東京生まれ。朝日新聞社「サイアス」専属ライターからフリーランスライターとして独立。読売新聞社、朝日新聞社、日経BP社などの媒体で製品レビューや解説記事を執筆。先端技術から子ども向け科学記事まで、わかりやすく読みやすくが信条。
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小学生も仮想通貨に熱中… いまどきのマネー教育

2017年09月02日 18時55分41秒 | 市場動向チェックメモ
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO20505300Z20C17A8000000/?dg=1

小学生も仮想通貨に熱中… いまどきのマネー教育
2017/9/2 5:30日本経済新聞 電子版

 若年層へのマネー教育が変化している。資産運用のイロハを学ぶ従来型教育の広がりに加え、仮想通貨や投資の疑似体験が人気だ。一方、多重債務などお金にまつわるトラブルが増えていることから、若年層から金銭感覚を学ぶ必要性も高まっている。マネー教育の最前線を取材してみた。

■「仮想通貨」で実社会のお金体験

 東京都江東区のショッピングモール内の子供向け職業体験施設「キッザニア東京」。ハンバーガー店から旅行会社やガソリンスタンドまで施設がひしめく子どもの街だ。施設内で通用する「キッゾ」とよばれる仮想通貨を使ったお金の疑似体験が人気の一端を担っている。

キッザニア東京のATMでキッゾの入出金や残高確認を行う子どもたち(東京都江東区)

 「銀行口座を開いてください」――。7月中旬、キッザニアを訪れた筒井総一郎くん(5)は、バナナ農園での収穫体験で得た5キッゾをこども銀行に入金し、キャッシュカードを手に入れた。一緒に来た相良一慶くん(6)が「銀行に預金するとキッゾが増える」と教えたためだ。キッゾを預けると半年ごとに5%の利息が付くという。

 キッザニアで子どもたちは働きたい仕事場を選び、各店舗で30分程度働いた報酬としてキッゾを手に入れる。来場2回目の金子暖佳さん(9)はキッゾの貯金残高を確認して「40キッゾもたまった」と笑顔をみせる。実社会同様にキッゾをチャージする電子マネーの仕組みもあり、最新の金融システムを定検できる。「働くことを学ぶだけではなく、労働で得たお金の流通も学ぶ場にしたい」(キッザニア東京)という。

■早期の資産形成の重要性

 貯蓄から投資への流れを促したい民間金融機関も、教育を通じて未来の顧客基盤を広げるのに躍起だ。全国銀行協会の岩永典之金融リテラシー推進室長は「若者に早期から家計の資産形成の必要性に気づいてほしい」と話す。

 野村証券は夏休みを利用して首都圏などの支店で小中学生の親子向け講座を開いた。専用の株式投資を学ぶ教材も開発した。人気キャラクター「秘密結社 鷹の爪団」が立ち上げた上場ベンチャー企業の株主として疑似の株券を手に入れ、新製品発売などで企業が成長したり、一転して業績が悪化したりすることでの株価の変動を体験する仕組みだ。

 野村は社員が小中高と大学に出向いて株式投資の仕組みなどを説明する出張授業も実施。16年度の実施校は約350校と過去2年で3割増えた。三菱東京UFJ銀行も昨年5月から役員が首都圏や関西の大学に出向いて学生たちに投資や為替取引などの金融事情を説明する講座を開く。企業や学校などからの要請でマネー講座を開いているファイナンシャルプランナーの八木陽子さんは「今は預金しても利息はほとんどない。株式や投資信託への投資の仕組みも教えており、お金の運用の意味も知ってもらいたい」と話す。

 だが、こうしたマネー教育は道半ばで、投資家層は広がりに欠ける。「若年層の投資への関心を高めたい」(金融庁)として昨年4月に始まった未成年向けの少額投資非課税制度(ジュニアNISA)は3月末時点の口座開設数が21万口座程度と、14年から始まった成人向けNISA(約1077万口座)の2%弱にとどまる。「学校教育では幼いときからお金について学ぶことをタブー視する傾向は根強い」(金融関係者)。

■広がる貧富の格差への対策も

 投資を学ぶ機会が増える一方、お金にまつわるトラブルへの関心も高まっている。青山学院大学のライフプラン講座は、全銀協などが派遣した講師がローンや投資、消費者金融を利用することで陥る多重債務まで教えるため学生の人気が高い。講座を担当する経営学部の亀坂安紀子教授は「学生の間にも将来への漠然とした不安があるようだ」と話す。

 若年層の金融教育に詳しい東京学芸大学の松川誠一教授は「格差の拡大で貧困層は増えている。貧困が貧困を生む負の連鎖を断ち切るためにも子供の時からカードローンで陥る多重債務の怖さも教えないといけない」というが、教育の現場ではそうした取り組みも追いついていない。

 小中学生で経済状況が厳しい家庭に給食費や学用品代を補助する就学援助制度の支給対象者の割合が全体の34%と全国平均(15%程度)を大きく上回る東京都足立区では、子供の貧困対策に力を入れる。NPOなどと連携した進学支援や食事提供を行っているが、「貧困による現状の問題解決が優先で、お金のトラブルに巻き込まれないような生活設計を教える体制はまだできていない」(同区の子どもの貧困対策担当部)。

 松川教授は「貧困層と中間層以上ではお金について学ぶ内容も違う。多層的な金融教育の仕組みを作らないといけない」と話す。異例の低金利下で子どもの生き抜く力をどう育てるか、教育のあり方が問われている。

〔日経QUICKニュース(NQN) 後藤宏光〕
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「aiwa」復活 秋田の下請け、大勝負

2017年09月02日 18時52分34秒 | 市場動向チェックメモ
https://www.nikkei.com/article/DGXKZO20511960Z20C17A8X11000/?dg=1

「aiwa」復活 秋田の下請け、大勝負
2017/8/30付日本経済新聞 電子版

 かつて世界の音楽好きの若者たちを熱狂させた「aiwa(アイワ)」が9年ぶりに今秋に復活することになった。よみがえらせるのは秋田県小坂町に本拠を置く電子機器の受託製造サービス(EMS)、十和田オーディオだ。同社はかつてソニーの小型ラジオの生産を一手に引き受けていたが、市場の変化に伴い受注が激減。そこでソニーからアイワブランドを取得して独り立ちへの賭けに出る。

 「ラジカセはもう少しレトロ感のある色の方が今の若い人には受けるのでは」――。8月上旬、ソニーの旧本社があった東京都品川区の東五反田にあるアイワ本社。設計業者やデザイナーなど約20人が集まり新製品開発に向けて熱い議論が繰り広げられていた。多くはアイワの黄金期を知り尽くすメンバーたちだ。

 十和田オーディオが今年2月にソニーからブランド使用権を取得し、4月に設立した株式会社アイワ。電機部品大手から転職して社長を任された三井知則氏は「アイワブランドは日本の宝だ。海外勢に奪われるのではなく、日本企業として復活させたい」と強調する。旧アイワ出身で音質に詳しいベテラン技術者も在籍するが、社員はわずか7人。商品開発やマーケティングなどでは外部とも連携していく。

■手ごろな価格で
 11月にも4Kテレビや、アイワの象徴だったラジカセをまず発売する。高音質のハイレゾリューション対応の携帯音楽プレーヤーや、近距離無線「ブルートゥース」で接続して使える丸形スピーカーのほか、最近のアナログブームに対応してレコードプレーヤーや、空気清浄機など白物家電も投入していく。

 三井社長は「手ごろな価格で発売したい」としており、CDラジカセは税別5980円、55型テレビは税別13万8000円の予定だ。アイワらしいデザインなどを強みにオールドファンの取り込みを狙う。三井社長は「(アイワを知らない)若者層向けの製品も出していきたい」と貪欲だ。

 アイワ復活を仕掛けたのは蒲生雅一社長が率いる十和田オーディオだ。現在84歳の伊藤忠夫氏が61年にソニーの協力工場として創業、77年にソニーから自主出荷工場の認定を得た。部品調達から品質検査まで任される優秀工場の証しであり、ソニーが全世界で生産する小型ラジオの99%を請け負った時期もある。本社工場にはソニー幹部からの感謝状が数多く飾られている。

■社長が直談判
 93年に海外拠点を設けてソニーの「ウォークマン」なども生産し、最盛期の2009年には中国広東省の工場だけで約7000人の従業員を抱えた。ピーク時の売上高は年500億円だ。

 それから8年。スマートフォンの台頭で電子辞書など多くの電子機器市場が縮小したほか、ソニーの構造改革に伴い、十和田オーディオの受注の多くが打ち切られた。ソニーはコスト削減で自社関連会社やODM(相手先ブランドによる設計・生産)に切り替え、現在十和田オーディオが製造するソニー製品の比率は約3割。中国工場の従業員は200人にまで減少した。

 難局を乗り切るため「製造ノウハウを生かして自社ブランドを持つべきだ」と考えた蒲生社長。そうして行き着いたのが、知名度が高いのに塩漬けにされていたアイワブランドの復活だ。十和田オーディオが生き残るための苦肉の策であり、一世一代の賭けだった。

 「アイワをください」。16年11月。蒲生社長は旧知のソニーの高木一郎執行役EVPに恐る恐る直談判した。AV事業統括の高木執行役は十和田オーディオとの長年の信頼関係もあり快諾した。

 蒲生社長がアイワで勝負に出るのは勝算があるからだ。アイワは80年代からアジアや米国でヒット商品を次々に生み、AV機器では屈指のブランド力を誇っていた。

 80年発売のヘッドホンステレオ「カセットボーイ」は「世界最小・最軽量」であり、自己録音・再生も可能という世界初の機能も盛り込んだ。音楽テープの両面が自動で切り替わる世界初のオートリバース機能も搭載。90年代前半は先行した海外生産拠点を活用、競合他社の半額にした5万円台のミニコンポも売れに売れた。だが、その後は価格競争の激化などで業績が悪化。02年にはソニーに吸収合併されて会社が消滅、08年にはブランドまで消えた。

 ただ、蒲生社長は「大手メーカーがラインアップを高級路線に絞る中、しっかりした性能で中価格帯のアイワ製品を出せば、大きな需要がある」と語る。国内のAV機器市場では二極化が進んでおり、その中間帯を攻める作戦だ。21年3月期にはアイワで年100億円の売上高を狙う。

 製品展開を支えるのはソニーとの長年の取引で鍛えてきたものづくり力だ。防犯カメラや医療機器――。十和田湖にほど近い山あいの本社工場では、約30の生産ラインで多品種少量品の受託生産を数多く手掛ける。

 本社工場の佐藤英幸工場長は「電子機器ならつくれないものはない」と語る。16年度に製造した432品目の6割は生産量500台以下だ。ソニー幹部も「機動的な生産に対応でき、安心して任せられる」と太鼓判を押し、新規事業の製品の試作を任せる。アイワの新製品でも4Kテレビなど量産品は中国工場が担うが、小型ラジオや空気清浄機などは本社工場が受け持つ。

 アイワ復活が今年6月に公になった際、SNS(交流サイト)では「懐かしい」「欲しい」という声が多く上がった。レコードなど最近のアナログ再ブームも追い風だ。だが、過去の栄光というノスタルジーやオールドファン頼みでは一時的なブームで終わる。

 アイワはスタートアップのように外部のリソースを活用し、時流に乗った製品を展開していきたい考え。そうしてアイワを知らない若年層の心をつかめるかがカギになりそうだ。

 大手電機メーカーの苦戦に伴い、パソコンなど電子機器の国内下請け企業にとっては厳しい時期が続いている。大企業からブランドを取得するという十和田オーディオの異例の賭けが成就すれば、アイワだけでなくものづくり企業の再興のヒントになるかもしれない。

(企業報道部 中藤玲)
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ソフトバンクCS進出決定 4年連続、両リーグ一番乗り

2017年09月02日 18時51分51秒 | 市場動向チェックメモ
https://www.nikkei.com/article/DGXLSSXK60305_S7A900C1000000/?dg=1&nf=1

ソフトバンクCS進出決定 4年連続、両リーグ一番乗り
2017/9/2 17:23

楽天に勝利し、サファテ(中央)らナインを迎えるソフトバンクの工藤監督(左から2人目)ら(2日、ヤフオクドーム)=共同

 パ・リーグは2日、首位ソフトバンクが楽天に3―1で勝ち、両リーグを通じて一番乗りで、4年連続となるクライマックスシリーズ(CS)進出を決めた。1日に点灯したソフトバンクの2年ぶりのリーグ優勝へのマジックナンバーは2つ減り、14となった。〔共同〕
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ダージリン茶の生産量8割減 政治騒動でスト3カ月 「取引価格2~3割高」

2017年09月02日 18時50分23秒 | 市場動向チェックメモ
https://www.nikkei.com/article/DGXLASGM20H03_S7A900C1NNE000/?dg=1

ダージリン茶の生産量8割減 政治騒動でスト3カ月
「取引価格2~3割高」
2017/9/2 11:46日本経済新聞 電子版
インド

 【ニューデリー=黒沼勇史】紅茶の名産地、インド東部ダージリン地方で茶葉の生産が激減している。現地政府と住民の対立を背景に農園労働者がストを実施し、87ある茶農園全てが6月から生産休止に追い込まれたためだ。約3カ月が経過した今もストは続いている。年初来の生産量は前年同期比で8割減少した。混乱が長期化すれば、世界の紅茶ブランドや飲料メーカーの原料調達に影響を与える恐れもある。

政治騒動によりダージリンの茶農園に危機が訪れている=ロイター

 ダージリン茶協会のビノッド・モハン会長は「6月9日以来、全87農園が止まり、再開のメドは立っていない」と話した。茶摘みは3~11月に可能だが、最盛期の6月に生産が止まり、損失は25億ルピー(約43億円)を超えると推定される。

 発端は新州設置を求める政治騒動だ。ダージリン地方はインド東部の西ベンガル州に属するが、ネパール系住民が多く、以前から独立を求める騒動がたびたび起きてきた。同州政府がベンガル語教育の義務化を決めたことに反発した住民らが、6月に大規模なストライキに踏み切った。茶農園の労働者7万人超もストに加わった。

 2017年3月期のダージリンの茶葉生産量は850万キログラム。輸出は半分を占め、7割が欧州向けだ。ドイツの老舗紅茶ブランド「ヘルセン&リヨン」の営業担当者は「当社のサプライチェーンに深刻な影響を及ぼしている」と話した。スリランカなどで代替調達先を探す方針という。

 日本の関連業界も影響を注視している。キリンビバレッジは「午後の紅茶おいしい無糖」など一部商品で、ダージリン産の茶葉を使用。年内の茶葉は確保したという。

 外資系ホテルにも紅茶を卸しているマカイバリジャパン(東京・中野)は、6月中旬のストライキ以降にダージリン産茶葉の輸入が止まったままという。同社の石井道子専務によると、隣国ネパールなど周辺産地に代替需要が集中し「従来より取引価格が2~3割高くなった」(石井氏)という。

 8月末、ストを起こしている住民側と州政府とが約3カ月ぶりの協議に臨んだ。次回協議は9月中旬になる見通し。生産が再開されるか、協議の行方が注目される。
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シャラポワ、3年ぶり16強 全米テニス

2017年09月02日 18時49分37秒 | 市場動向チェックメモ
https://www.nikkei.com/article/DGXLSSXK60262_S7A900C1000000/?dg=1&nf=1

シャラポワ、3年ぶり16強 全米テニス
2017/9/2 16:37

全米テニスで3年ぶりのベスト16入りを果たしたシャラポワ=ロイター

 【ニューヨーク=共同】テニスの全米オープン第5日は1日、ニューヨークのビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニスセンターで行われ、女子シングルス3回戦でマリア・シャラポワ(ロシア)がソフィア・ケニン(米国)を7―5、6―2で下し、3年ぶりにベスト16入りを果たした。

 ともに主催者推薦出場。元世界ランキング1位で現在146位のシャラポワはミスが多かったが、139位のケニンを振り切った。
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「足元を見れば人間が分かる」 靴磨き世界一に日本人

2017年09月02日 13時15分27秒 | 市場動向チェックメモ
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO19175030U7A720C1000000?channel=DF060420172343&style=1&n_cid=DSTPCS020

「足元を見れば人間が分かる」 靴磨き世界一に日本人
靴磨き専門店「ブリフトアッシュ」代表 長谷川裕也氏
2017/9/2

 革靴の手入れに気を使う男性たちが世代を超えて増えている。靴のつま先やかかとをピカピカに仕上げる「鏡面磨き」などの技を紹介する書籍や雑誌も後を絶たない。こうした人気を反映するかのように、英国で5月に開かれた「ワールドチャンピオンシップ・オブ・シューシャイニング(靴磨き世界大会)」で、初めて日本人が世界一に輝いた。大会で優勝した靴磨き専門店「ブリフトアッシュ」(東京・港)の代表、長谷川裕也氏(34)にその極意を聞いた。

 ――世界大会での競技内容を教えてください。

 「スウェーデンの靴情報サイト『シュー・ゲイジング』が主催して開いた大会で、競技参加者はまず、経歴と自分の磨いた靴の写真をインターネットで送ります。最初の選考で英国代表、スウェーデン代表、自分の3人に絞られ、5月の大会では、同じライトブラウン色の靴、同じ靴クリームを使って審査員4人の前で実際に磨いてみせました」

 「採点は(1)光沢感(2)色の深み(3)磨いている時の所作――の3ジャンルの総合で決まります。磨き具合は光の反射具合で採点します。ここで一番シャープに光沢を出せたことが優勝につながったようです。あえて色も他の2人より濃く仕上げたことが高得点につながりました」

 ――靴磨きについての関心が高まっています。ノウハウ本も出ていますがプロとアマの違いは何でしょうか。

 「自分も1冊出版していますが、靴磨きは自宅でも熱心にマスターすれば90点まではいきます。ただその先はアマチュアでは難しい。卑近な例ですが、チャーハンはプロがつくってもアマがつくってもチャーハンです。しかし、味は違います」

 「一番難しいのは、『鏡面磨き』の最後のパートです。靴の皮革は人間の肌に似ています。どこまで靴の表面を磨き上げるのがベストなのかは、指の感触が教えてくれます。これは言葉では表現しにくいです。素材の革も子牛か成牛かで必要なクリームの量や水の量が違いますが、皆同じ水準に仕上げなければなりません。アマチュアならば自分のお気に入り1足だけ注意すればいいですが」


世界大会の決勝で靴を磨く長谷川氏(右)
 ――カウンター式の靴磨き専門店「ブリフトアッシュ」を2008年に開いて10年目に入りました。

 「カウンター越しに顧客と向かい合って靴を磨くサービスは私たちが始めたものです。約40分かけて靴の汚れを落とし、水分とクリームを含ませ、自分の顔が映るまで磨き上げます。基本コースで1足4000円と安くはありませんが、これまで順調に売り上げを伸ばせてきました。女性の靴磨き職人も1人いて、きめ細かい仕事をしてくれています」

 「顧客名簿に登録しているのは約1万人。中小企業の経営者が約3割、外資系、金融、広告代理店といった業種の顧客が約4割、靴愛好家の方が約3割です。相手の足元をチェックしている方は自分の靴も大事にしています(笑)。良い靴を長く使いたいというニーズに支えられています」

 ――ブリフトアッシュ設立までどのような苦労がありましたか。

 「高校卒業後は最初に製鉄会社、次に英語教材のセールスをやりました。成績は優秀でしたが(笑)、働き過ぎて体を壊してしまいました。まだ20歳の頃でした。元手ゼロでできる商売として、路上靴磨きをJR東京駅前で始めました」

 「最初はテクニックなんて全然ありません(笑)。客になりすましてベテランの技術を盗んだり、東京都の皮革技術センターの研修を受けたりして自分のレベルを上げていきました。中古の靴を使っていろいろな実験もしてみました」

 「だんだんと会社経営者などの出張靴磨きなども手掛けるようになりました。そうした常連客と話しているうちにカウンター式の専門店を思いつき、手元資金100万円に公的資金の支援も受けてスタートさせました。顧客は自分でも靴を磨く人が圧倒的に多いです。自宅での参考用に写真などを撮る人もいます」

 ――自宅で磨く際に注意すべき点は何でしょうか。

 「あまり磨きすぎないことです。8~10回履いた後にケアすることをお勧めしています。あまり磨きすぎると革の質感が衰えやすいのです」

 ――欧米と違って高温多湿な日本では革靴のケアに気を使います。


世界1位の喜びに笑顔をみせる長谷川氏
 「靴の大敵は雨です。日本ではゴム底の靴を2~3足は用意しておきたいですね。それでも濡(ぬ)らしてしまったときは、(1)ぬるま湯などで表面を均一に濡らす(2)新聞紙で靴の中の水分を吸い取る(3)日陰で干す――の処置を取りたいですね」

 「濡れたままだと表面にむらができてしまいます。新聞紙は2、3回素早く替えてください。丸めて中に押し込んだままだとカビの原因になります。扇風機などに当てながら干せればベストです」

 「実は消臭の問題は私もまだ完全に解決できていません。きめ細かく消臭スプレーを使うことはもちろんですが」

 ――20歳代のビジネスマンが1足購入するにあたって、何かアドバイスするなら。

 「靴は履き潰すのではなく10年使う気持ちで購入してほしいですね。『ちょっと高いかな』と思う価格の2倍の靴を目安に。パーツの修理・交換に備えて、甲革や裏革をきちんと縫い付けた高級靴を買えば、長い目で見れば割安になります」

 「踏まれたくないから日ごろの所作にも気を付けて自然にきれいな振る舞いができるようにもなります。足元を見ればその人の人間性が分かるというのが持論です。少なくともその人が日ごろ何に優先順位をつけているかは見えてくると思います」

 ――今後、事業をどのように展開させていきますか。

 「これからはシンガポールや香港などへの展開も検討していきたいですね。『足元から革命を』をキャッチフレーズにしていきたいと思っています」

(聞き手は松本治人)
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タイ前首相の逃亡歓迎した投資家、政治リスクは消えず

2017年09月02日 13時14分05秒 | 市場動向チェックメモ
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO20582880R30C17A8000000/?n_cid=DSTPCS007

タイ前首相の逃亡歓迎した投資家、政治リスクは消えず
2017/9/2 5:30日本経済新聞 電子版

 8月25日以降のタイは、インラック前首相の国外逃亡を巡る話題で持ちきりとなった。前首相を支持するタクシン元首相派とそれを敵視する軍事政権の対立の行方が盛んに語られるなか、投資家も敏感に反応した。タイ総合指数はアジアの主要株式の中で突出した値動きを見せ、過去2年以上も破られていなかった1600の壁をあっさり突破。前首相の逃亡を投資家が歓迎したのは明らかだった。

 8月25日、バンコク北部のタイ最高裁判所前は、朝から前首相支持者とその行動を監視し、不測の事態に備える警官隊でごった返していた。「コメ担保融資制度」と呼ばれた農民支援策を巡り職務怠慢の罪に問われたインラック氏の判決公判が予定され、数千人の支持者が激励に集まった。だが開廷予定の午前9時をすぎても前首相は姿を見せない。「いったいどうなっているんだ」。100人を超える報道陣に戸惑いが広がりつつあった午前10時ごろ、事態は急変した。

 「前首相は耳の不調を理由に判決公判への欠席を通告」「最高裁は逃亡の恐れがあるとして、逮捕状の発行を決定」「判決公判は9月27日に延期」――。被告不在の法廷で判事が読み上げた声明の内容が伝わると、最高裁前は蜂の巣をつついたような大騒ぎに。肩すかしを食らった支持者にも動揺が広がり、ショックのあまり言葉を失う人もいた。

国外逃亡したとみられているインラック前首相(8月1日、バンコクの最高裁前)

 前首相はこの日までにひそかにタイを離れ、カンボジアとシンガポールを経てアラブ首長国連邦(UAE)のドバイに逃亡したとの見方が有力。現地に住む兄・タクシン元首相と合流したとも伝わっているが、プラユット暫定首相が率いる軍政、タクシン派、前首相の家族らのいずれも行方を正式には確認していない。軍政が公式に事実として認めているのは「前首相が判決公判を許可なく欠席した」ということだけだ。

 株式市場が大きく動いたのは29日。1586.68で取引が始まったタイ総合指数は約2時間後の午前11時55分までに1600に到達。午前の取引が終わる午後0時半までに1610.66まで上げた。午後2時の取引再開後は一時反落する場面もあったが持ち直し、2015年2月以来の高値となる1614.14でこの日の取引を終えた。前日比の上昇率は1.8%。普段動きの少ないタイ総合指数にとっては異例の値上がりだ。

 投資家は何を考えて買い急いだのか。この日、地政学リスクの分析などを手がける調査会社ユーラシア・グループが出したリポートにヒントがあった。「国外に逃げるというインラック前首相の先週の判断は、25日の判決公判で禁錮刑を言い渡されたときに生じたかもしれない社会の不安定化リスクを取り除いた」。裏を返せば、投資家は有罪判決を契機としてタクシン派が何らかの抗議行動を起こし、軍政と衝突するといった事態に身構えていたということだ。

 「もし前首相が執行猶予のない実刑判決を受け、ただちに収監された場合、拘置所の周辺にタクシン派支持者が集結し、緊張が高まる恐れがあった」。あるジャーナリストはこう指摘する。前首相が逃亡したことで、判決の言い渡しはいったん先送りされ、衝突リスクはなくなった。9月27日の次回公判で厳しい判決が出ても、その場に前首相がいて収監される可能性は限りなくゼロだろう。

 これでタイの政治リスクは解消したのか。恐らくタイの実情を知る人に「イエス」と答える人はいないだろう。

 東北部や北部の農民らを中心とするタクシン派と、軍人、官僚、富裕層ら伝統的な政治支配層らが影響力を持つ反タクシン派を隔てる溝は深い。タクシン派は社会格差やエリート支配に不満を持ち、反対派は自分たちが取り仕切ってきた統治のあり方を数の論理で覆そうとするタクシン派の再台頭を防ぎたい。反対派にとって都合が悪いのは、数では歯がたたない点だ。だから軍事クーデターや民主化に逆行する憲法、時に独立性に疑問符が付く司法など、あらゆる手段を動員する。

 インタ-ネットの交流サイト(SNS)を飛び交う国民の声が分断を映し出す。25日以降に投稿された意見は国外逃亡について落胆派と歓迎派に真っ二つに分かれた。

記者会見するタイのプラユット暫定首相(8月29日、バンコクの首相府)

 前首相支持者からは落胆の声が相次ぐ。テレビ司会者ジョム・ペットプラダッブ氏は「インラック氏と(タクシン派の)タイ貢献党は民主化と正義への唯一の希望だったのに」と投稿した。前首相を長く支持してきたという若い女性は「がっかりした。無罪と言うならなぜ逃げたの。あなたは我々の心を傷つけた」とつづった。反対派は歓迎ムード一色だ。ニュースサイトのある投稿者は「あなた(前首相)は内戦を阻止したかもしれない」と書き込み、前首相の逃亡で政情が安定するとの期待を示した。「チナワット(タクシン元首相とインラック前首相を輩出した一族)時代の終幕だ」との投稿もあった。

 だが、支持者の落胆は必ずしもタクシン派からの離反を意味しない。ユーラシア・グループは、反対派がタクシン派からのプレッシャーが完全に消えてなくなると期待しているなら「失望することになる」と指摘。タクシン氏やインラック氏の人気が根強いことを踏まえ、「タイ政治の中で(2人が)役割を終えたとの主張は度が過ぎている」とした。

 分裂が消えないなら政治リスクも当然残る。タイでは2018年末に民政復帰に向けた総選挙が実施される見込み。軍政は総選挙後もタクシン派を抑え込むためのメカニズムを新憲法などに盛り込み、民政復帰を骨抜きにしようとしてきた。だがいったん市民意識に目覚めた多数派がそれを黙って受け入れ続ける保証はどこにもない。投資家は今後もタイの政治リスクと常に向き合う必要がある。(バンコク=小谷洋司)
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労働力の不足に拍車 薬物依存の患者増で 非常事態宣言の現場(下) オハイオ州北東部

2017年09月02日 13時12分45秒 | 市場動向チェックメモ
https://www.nikkei.com/article/DGXLASGN26H01_S7A900C1000000/?dg=1

労働力の不足に拍車 薬物依存の患者増で
非常事態宣言の現場(下) オハイオ州北東部
2017/9/2 5:31日本経済新聞 電子版

 【ニューヨーク=清水石珠実】米労働省が1日発表した8月の雇用統計で失業率は4.4%だった。一般に「完全雇用」とされる水準(4.6%)を下回り、全米では労働市場の過熱懸念が広がっている。オハイオ州の失業率は5%台前半と全米水準よりは高いものの、11%だった2010年1月当時と比べれば半分以下に低下している。

ルーフ・ライトを経営するビル・クルシガーさん(左)と、息子のクリスさん(オハイオ州ヤングスタウン)

 医療用鎮痛剤「オピオイド」などの薬物依存患者の増加が人手不足に拍車をかけ、経済回復の足かせになっているのでは――。鉄鋼業の衰退とともに街が荒廃して「ラストベルト(さびた工業地帯)」の代表的存在ともいわれる州北東部ヤングスタウン市でも、こんな懸念が広がっている。

 「本当は今の倍ぐらいの人を雇える」。1974年から屋根ふき業のルーフ・ライトを経営するビル・クルシガーさんはこう嘆く。現在の従業員数は約20人。屋根ふき業は高所でペアで働くことも多い。リスク回避のため3年前から薬物を摂取中の人は一切雇用しない方針を固めたところ、人手不足に悩むようになった。

 特に、昨年11月の米大統領選でトランプ氏が当選してから状況が深刻化した。地元の雰囲気が明るくなり、屋根のふき替えの注文が殺到するようになったからだ。

 「3~4年間、しまい込んでいた見積書を引っ張り出してきて、みんなが急に屋根を新しくしたいというようになった」とクルシガーさんは笑う。「さっきも『いつになったらうちの屋根をやってくれるの』という催促の電話を受けたばかりだ」

■トランプ大統領誕生の立役者

 ヤングスタウンといえば、かつて「スチールバレー」と呼ばれた鉄鋼地帯の中心地として栄えた場所だ。その流れで同市を抱えるマホニング郡は労働組合を支持母体に持つ民主党が長年圧倒的に強かった。だが、16年の大統領選では状況が一転、両党候補の支持が拮抗した。

「ラストベルト(さびた工業地帯)」の代表的存在、オハイオ州北東部のヤングスタウン市でも人手不足が顕在化

 12年、民主党候補(バラク・オバマ氏)が63%の支持を集めたのに対して、16年(ヒラリー・クリントン氏)の支持は49%。隣町ウォーレン市を抱えるトランブル郡では、共和党候補が1972年以来初めて勝利した。激戦州として注目されていたオハイオ州をトランプ氏が制するカギとなった地域で「トランプ大統領の誕生の立役者」ともいえる場所だ。にわかトランプ景気に沸く理由も理解できる。

 ルーフ・ライトは今年に入って建設業界雑誌に求人広告を出したり、全国販売の新聞のインタビューを受けたりしている。地元だけでは人材確保が難しいからだ。同社をクルシガーさんと一緒に経営する息子のクリスさんは「『ヤングスタウンに行ったら仕事があるぞ』と知れ渡って、全米や世界から人が集まってきてほしい」と話す。学歴がなくても、屋根ふき専門家としていい仕事をすれば時給20ドル程度を稼げるという。

 現在進行形で薬物を摂取している人は雇用しないが、完全に絶った人は歓迎する。「製造業や建設業に関わる人のなかには、人生のどこかの時期にラフな時間を過ごしたことがある人が多い。大事なのは今。過去は気にしない」とクリスさん。面接に来た人が麻薬の問題を抱えている場合でも、将来性を感じれば「依存症を克服して戻ってこい」と声をかける。

■薬物を絶つだけでは不十分

 労働力不足に対応するため、元依存症でもいい人材なら積極雇用したい――。そんな地元企業の声に応えるように、労働市場から転落している薬物依存患者を「労働力」として取り込もうとする取り組みもある。

 非営利団体フライング・ハイは、支援目的を「薬物依存患者が仕事に就き、金を稼いで、自立できるようになること」と定めている。

 薬物を絶つことを支援する団体は多く存在するが、フライング・ハイ創始者のジェフ・マガダ氏は「依存症を克服するには、薬物を絶つだけでは不十分」と考える。せっかく薬物を絶っても、職に就くスキルがなければ生活費を稼げず、簡単に街角で薬物を売り買いする生活に逆戻りしてしまうからだ。

 悪循環を断ち切るには「短期間で給料を稼げるようにしてあげることが大切だ」。マガダ氏はこう語る。「薬物から足を洗うということは、自分に価値があると思えるようになること。自立できなけらば自分の価値を認識できない」

フライング・ハイ創始者のマガダ氏(左)とコンサルタントのファサノ氏(オハイオ州ヤングスタウン)

 フライング・ハイへの参加資格は「働きたい」との意思を持っていること。約4カ月にわたり、厳しい規則に沿って薬物を完全に絶ち、農作業などを通じて責任感を身につける。カウンセリングで将来やりたい仕事がみえてきたら、溶接工や看護師としての職業訓練を受けることもできる。必要とあれば、高卒認定試験(GED)の取得を支援する。地元のコミュニティーカレッジで学ぶ元患者もいるという。

 気に入った応募者が後の麻薬検査で陽性と分かり、採用に至らない――。こうした求人活動と面接時間のムダを嘆く地元の企業は多い。フライング・ハイは、自らの仕組みのなかで依存症を克服し、尿検査で陰性の候補者のみを紹介する。ルーフ・ライトもフライング・ハイから人材紹介を受けている。「依存症の心配がなく働く意欲の高い人が多い。他の人材派遣会社からの紹介よりもいい」(クルシガーさん)

 フライング・ハイでコンサルタントを務めるロン・ファサノ氏は「最近では企業との関係も深まり、『こんなスキルのある人がほしい』といった要望を受けることも増えてきた」と話す。職業訓練に使えるようにと、工業用素材などを寄付してくれる企業もある。社会復帰を目指す薬物依存患者と地元経済にとって「ウィン・ウィンな関係」が生まれつつある。

■8兆6000億円の経済負担

 ヤングスタウン・ウォーレン地域を統括する商工会議所代表のトム・ハンフリーズ氏によると、同地域は現在1万2600件の雇用が埋まらない状態にある。求人と求職のニーズが一致しない雇用のミスマッチと並び、薬物依存患者の増加が労働力不足の大きな要因のひとつになっている。

ヤングスタウン・ウォーレン地域を統括する商工会議所のハンフリーズ代表

 70年代に主力の鉄鋼業を失って以降、地元に職が少なく人口流出が続いてきた。だが、その後の産業多様化の努力が成果を上げ、今は「仕事はあるが、人手が足りない」という新たな課題に直面するようになっているという。

 ハンフリーズ氏は16年の大統領選で「雇用拡大、犯罪・麻薬対策、家族の大切さ」を訴えたトランプ氏に投票した。同氏の大統領就任以降に管轄地域で新設された工場はまだない。だが、近隣のウィスコンシン州に台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業が大型投資を決めたニュースなどを通じ「地元企業の多くが『俺たちも投資してみようかな』という前向きな雰囲気にあふれるようになった」と語る。「トランプ氏は今後も選挙公約実現のため、最大限の努力を続けてくれると信じている」

 米傷害予防管理センター(NCIPC)が13年のデータを使って試算したところ、オピオイド依存症の拡大による米国全体への経済負担は785億ドル(約8兆6000億円)に上る。うち「生産性の損失」が200億ドルを占める。働き盛りの世代でとりわけ深刻なオピオイド問題の解決は、米経済の今後とも密接に関連してくる。トランプ政権の取り組みには、ヤングスタウンの住民だけでなく、米国民全体が注目している。
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「低インフレ長期化論」が生む楽観 NQNニューヨーク 松本清一郎

2017年09月02日 13時11分44秒 | 市場動向チェックメモ
https://www.nikkei.com/article/DGXLASGN02H0X_S7A900C1000000/?dg=1

「低インフレ長期化論」が生む楽観
NQNニューヨーク 松本清一郎
2017/9/2 7:56日本経済新聞 電子版

 「ゴルディロックス(適温)相場はしばらく続く。株式相場にとってはパーフェクト」。1日発表された8月の米雇用統計を受け、フォートピット・キャピタル・グループのキム・フォレスト氏は声を弾ませた。物価を占う材料として市場が気にする平均時給伸び率は前年同月比2.5%増と7月と同じだった。市場参加者の期待通り、低調な伸びに終わった。

 物価関連を除く経済指標は好調そのものだ。8月30日発表の4~6月期の実質国内総生産(GDP)改定値は前期比年率3.0%増。速報値から上方修正され、9四半期ぶりの大きさだった。1日は米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数が市場予想に反して前月比で上げ、6年ぶりの高さを記録した。

 低調な物価が続けば米連邦準備理事会(FRB)は利上げに動きにくい。金融緩和と好景気が両立し、ワンダーリッチ・セキュリティーズのアート・ホーガン氏は「株を買う材料がそろっている」と話す。1日のダウ工業株30種平均は2週間ぶりに2万2000ドル台を回復する場面があった。

 FRBのイエレン議長はこれまで「物価の伸び悩みは一時的」と説明してきた。労働需給の引き締まりが賃金上昇を招き、いずれ物価に反映されるとの見方だ。だが、最近のFRB高官や市場関係者からは、一時的どころか「低インフレはかなり長期化する」との見方が相次いでいる。

 セントルイス連銀のブラード総裁は8月29日、同連銀のサイトに「失業率が低下しても物価はほとんど上がらない」と分析したリポートを載せた。過去の統計的な相関関係をもとに推計すると、失業率が3.5%に低下しても物価(コアPCEデフレーター)は年1.66%しか上がらないという。FRBが目標とする2%を大きく下回る。

 ウェルズ・ファーゴ証券のエコノミスト、サラ・ハウス氏も物価上昇の加速に否定的だ。「消費者はネットで容易に価格を比較できるため、企業の価格競争を促す。さらに経済のグローバル化で安価な商品が新興国から流入する」。米国の労働需給が逼迫しても物価上昇にはつながらないと主張する。

 レーバーデー(9月4日)を最後に夏休みが終わり、米議会は5日から再開する。市場ではハリケーン「ハービー」が停滞する政治を動かすとの期待が出ている。災害支援予算をまとめる必要から、懸案の債務上限引き上げで議会が合意せざるを得ないとの読みだ。適温相場に政治リスクの低下が重なれば相場には追い風が吹く。

 だが、そううまく進むか。災害対応で減税幅を広げる財政的な余裕はなくなり、トランプ米大統領はメキシコ国境との壁建設にこだわっている。「最終的には合意に至るにしても調整は難航しそう。政治に翻弄され、9月の相場は荒れるのでは」と大和証券アメリカのシュナイダー恵子氏。夏休み中は薄商いで売りが少ないなか、するすると相場が上昇した。参加者が増える9月は違う動きになる可能性にも留意する必要がある。
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