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空色騎士 その2

2017-05-07 01:11:00 | 物語・小説

就職活動2日目。
何か無いか。
何かあって欲しい。
何か自分でも可能なものが――。
と言うリッターの願いが叶うなら、この世に、苦悩や苦労と言う2文字は無いだろうとリッターは思ったし、この世にあぶれ者もまたいないだろう。
情報収集をしてみても、リッターにとって、相応しいというのものはあったとしても、そこで続けていけるかは別問題であるし、相手から、リッターならOKでしょう、と納得されるくらいのものがないから、これ良いかもな――でもダメだろうな、で終わり行くのは言うまでもない話であった。

そんなままに、時間と日数だけが過ぎて行き、リ初心者の館と憩いの場と自宅の通いと言う面白味の無いリッターの日常が完成された。
日に日に、もうどうにでもなれ、と言う気持ちが先行し、リッターの就職意欲は低下の一途だった。

(今日も無駄足だったな)
いつもの憩いの場で、リッターは、青い空を見上げた。今日も快晴の空であり、何の悩みもなく、希望だけを吸い込み大きくなる無邪気な心の象徴の様だなとリッターは思った。
「何か空にありますか?」
突然声がして、リッターは驚いた。
「よくここに来て、空を見上げてますよね?」
リッターに声をかけてきたのは、リッターと年齢は同じような男だった。
「ああ。別に。他にみるものないからで」
リッターは、そう答えた。
「興味深(おもしろ)い事、言われますね。ああ、私はエスパーダです。よろしく」
エスパーダは、リッターに右手を差しだしてきたので、リッターはその手を握って挨拶をした。
「見たところ、休職中か探し中ですよね?」
エスパーダがリッターに問うた。
「休んでは居ないですよ。探し中なんですわ。でももう諦めてまして。エスパーダさんも探し中か何かで?」
さらっとリッターは訊き返した。
「ええ。探しています。この探求に同行してくれる人を」
と言ってエスパーダは、リッターに求人記事を差し出した。
「探求レベル1空色騎士。それか。ブラックな探求で評判な」
空色騎士探求。
誰でも出来、簡単に探求を終わらせられるが、簡単なだけで、結末は骨折り損のくたびれ儲け。ただ、称号だけ与えられて、次の探求もその調子で行こう、的な誉め言葉をかけられて終わるみたいなものとリッターは聞いていた。
「これを私と2人でやってもらえませんでしょうか?」
「2人で?正気ですか?。それ4人探求物ですよ?」
いくら簡単とは言え、探求の基本は4人でやるものであり、最小2人は無謀とされた。
「簡単なんです。2人でやりましょうよ。普通には例外がつきものですし」
エスパーダの「例外」と言う二文字にリッターは、少し心をひかれた。
「普通ではない探求。どうです?挑戦してみる価値はあると思います」
リッターは、その時、何のあての無い直感で、エスパーダの誘いを承諾した。
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