goo

空色騎士 その1

2017-05-07 01:12:00 | 物語・小説


「お前、使えないから俺らのパーティから外すわ。居ると厄介なだけだからな」


リッターは、これで4度目の戦力外通告を所属していたクエスト集団から受け、ひとりになった。
お宝入手、魔王討伐、謎解き名誉取得、世界開拓探求――とリッターはやってみたが、パーティ内での戦力には成れず、また、パーティでの対人トラブルもあった。

リッターは、騎士と言う職を選び、この世界での訓練を始めたが、そこでも鳴かず飛ばずで、落第。そこで、魔術使いへの道へ職を変えて、訓練を受けたものの、最低ランクでの修了であったのとそれすらも資質に欠けると言う事を言われたのだった。

剣の道も術の道も人並みの能力に至らずも、この世のしきたりで、何らかの組織またはパーティに所属して、この世界での活きなければならないのは、リッターにとってはきつかった。その上、4度もの転属が、さらなる苦難をリッターに与えたのだった。

(さて、これからどうしようか)
4度目の初心者の館への出戻り。
初心者の館で、この世界で活きる為の探求事(クエスト)を探し、何らかの組織またはパーティに所属すると言う、就職活動を行うと言う基礎・原点に立ち返るのだった。
リッターは、それに、もう飽き飽きしていた。この自分の能力のなさと背負った離脱のハンデが重くのしかかり、この世界から離脱したい――人生を辞めたいとさえ思っていた。
(色々あっても、みんな、やり手か癖のついていない本当の初心者対象のものでしかないな)
4度目の就職活動初日で、早くもリッターは心が折れた。
(またやめるんじゃないか、使えないんじゃないか、は、求める者同士同じか)
リッターは、深いため息をつき、街の憩いの場で足を止めた。
(空は今日もきれいで蒼いで、無垢だよなー)
羨ましい、とリッターは見上げた快晴の空をみて、そう呟いた。
(何でもいいから、1個でも満足にいける探求事あって欲しいな)
世の中、そう都合良くはいかないが、他の誰かには都合良く物事は進んでいるように、リッターは感じていた。

goo | コメント ( 0 ) | トラックバック ( 0 )
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。
数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。