セレンディピティ日記

読んでいる本、見たドラマなどからちょっと脱線して思いついたことを記録します。

名古屋市嘱託職員不正採用問題の報告書

2013-06-20 23:13:42 | 名古屋

しばらく書いていなかったので努力して書いてみよう。書いてなかったのは書きたいテーマがなかったからではない。数週間前に映画の『県庁おもてなし課』を見た時これについて思いついたことを書きたくなった。だが映画ではよくわからないこの物語の世界の背景を原作小説を読んで知ってから書こうと思ってすぐ書けなかった。でもそれだけが原因でなかなか書けなかったのではない。実は家にいる時はいつも見ているテレビの時間以外は本をスキャナーにかけるのに忙殺されている。将来的には謀反、ちがった、無本の家を目指しているのだがなかなか終点が見えてこない。本の解体とスキャナーがけばかりやっていると本を読む時間がほとんどないまま死んで行くのではという恐怖もある。でもたとえ一万冊あったとしても一日30冊処理すれば一年つまり365日で終わるはずだと思うと途中でやめられないのだ。

それで長い間の空白ができた。そこで今日はスキャナーを休み休みして書いてみよう。といっても『県庁おもてなし課』についてではない。旬な話題は気付いた時に書かないと書き時を失うから、インターネットで見かけた名古屋市の「嘱託員不正採用問題にかかる中間報告書」を読んだ感想だよ。

http://nagoya.ombudsman.jp/data/130403nagoya.pdf

この「嘱託員不正採用問題」というのは名古屋市役所の健康福祉局が国民健康保険料滞納整理嘱託員を採用するにあたって採用選考試験を行ったが、市議会議員から圧力を受けた市職員が特定の受験者の答案用紙を改ざんして不正に採用としたもの。のちに「市長ホットライン」への匿名電話により判明したもの。名古屋市は関係した3人の職員を刑事告発したが不起訴(起訴猶予)となった。しかし名古屋市の処分は2名が懲戒免職で1名が停職6カ月となった。

この専門調査委員(弁護士)の中間報告書は僕が見たのは今日だけど、文書自体の日付は「4月3日」となっている。関係職員の処分は最近だからこの中間報告書が処分の判定に使われたのは明らかだ。

さて気がついたことを書いてゆこう。刑事告発された市職員は3名だがなお数名の市職員が関係者として中間報告書にでてくる。停職処分となった丙(文書上の仮名)の職務上の後任者の丁もその一人だ。採用選考試験は主査が担当らしい。主査というのは係長級の役職だがラインではなくスタッフだ。一般に主査から係長にキャリアが進むと思われている。22年3月時点での主査丙は上司の保険年金課長(乙)から不正を指示されているが4月1日の異動で同じ課内の保険料係長になった。そうすると4月24日に行われる採用選考試験の担当者は新任の主査丁となる。丁は丙から議員案件として付箋の付いた二通の募集申込書を渡されたが、課長の乙のところまで行き「議員要請には応じない」「試験は公正にやる必要がある」と言った。乙が「局長から言われている」と言ったところ、丁は「私が局長に言います」といったので、乙は「それには及ばない」と止めた。丁はこの案件はこれで解決したと思った。かくして再び丙にお鉢が回ってきて丙は試験日の昼休み中に会場にもぐりこんで答案用氏を改ざんすることになる。

丁は立派だ、丙はバカだという意見に僕も100%同意する。しかし僕が気にかかるのは丙の対応の仕方だ。誰しも不正なヤバイことはしたくない。だから丙も当然に最初は断った。でもその断り方が悪かったので付け込まれたのだ。丙は乙から最初に頼まれた時「他の人に頼んだらどうか」と言った。これがよくない。本当は「不正なことだから出来ない」と言うべきだった。こう言うと乙は話を続けられなかったはずだ。(自分でなく)「他の人」ならいいようなことを言うから、「他の人に頼めないからお前に話している」とつけ込まれるのだ。『八重の桜』ではないが「ならぬことはならぬのです」と突っぱねるのが正しい。

オット、でも凡庸な公務員がよく言う「規則ですからできません」とは違うぞ。「規則ですからできません」の多くは能力不足かめんどくさいからやりたくないということが多い。

あ、そうそう乙課長は丁に「局長から言われている」と言ったね。局長が知っていたかどうか疑念があるが、経過からして局長が直接乙と話した場面がないし話す必要があったと思えない。だから局長云々は乙の作り話しだと思う。僕は以前(2012-12-22)に部長は懲戒免職で課長と係長は停職と予言したが、課長が懲戒免職になったのは局長の名前を出して嘘を言ったことも関係しているかもしれない。

ちなみに係長丙は実行犯なのに停職6カ月なのはやはり通報者なのだろう。しかし停職6カ月というのは停職の最大ではないのかな。停職は3カ月がよく聞くが、停職1年は聞いたことがないからないのだろう。しかし停職中は給料がでないから貯金が相当なければ生活できないぞ。若い人なら海外へ放浪旅行してきますもいいが。50を過ぎていてはね。あ!そうだ停職中に四国四十八箇所巡礼したらよい。そうすれば市長や人事当局の受けがよくなるかも。

えーっと、あと一人の当事者の生活福祉部長の甲だけど、議員から話しを持ち込まれた段階でキッパリ断らなければならないので一番罪が思いと思う。でもここでの考察は最初の議員とのやりとり内容。議員が「局長に言えば良いのか」といったところ、「自分の『部』内で処理しなければいけないと考えた。」と報告書に書いてある。これはどういうことだろう。一般に公務員は上司をよべとか言われても「どうぞどうぞ」というところ。あまり上の方を呼べと言われても困るけど一階級や二階級上ならよい。生活福祉部長から局長は一階級か二階級だけ上だもの。僕なら「どうぞ局長とお話ください。でも結論はかわりませんので、あまり大ごとにすると議員自身のお立場によくないと思います」と言うね。

この場合の甲の問題は、局長とあまり関係がよくないので、局長のところまでいかれると、あとで局長から「なんで自分のところで処理しなくて厄介な問題を俺のところまで持ち込むのか」とお目玉を喰らうと思ったのだろう。まあ「厄介なことは自分のところまで持ってきなさい」なんていう役職者はあまりいないけどね。



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