かっぱblog

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2017年05月22日 | 鍼治療

自分と他人の行動を識別する新たな神経機構を解明
-運動中の『感覚ゲーティング』がになう新たな機能-

 

鍼灸やマッサージの鎮痛効果を説明するためによく出てくる「ゲートコントロール理論」。

専門学校の教科書にも載っていた。

途中で修正されたりしているが簡単に言えば、

触刺激(触圧覚)による太い神経線維からの情報が入ることで、痛みを伝える細い神経線維から入る情報が抑制されて(細胞のゲートが閉じて)、痛みの感覚が減るというもの。

だから痛みがあると手を当てたり、さすったり、マッサージしたり、(痛くない)鍼刺激をすると鎮痛作用が生じるなどと説明されている。

そして痛みは末梢から中枢というだけでなく、情動や価値判断なども痛みと関連しているとされる。

 

この発表は筋肉の固有受容(運動)と皮膚感覚との関係におけるゲートについて。

 

“本研究グループは、手の運動を行っているサルの感覚応答を脊髄で測定する方法を新たに開発しました。その結果、皮膚からの感覚入力は予想通り運動中に低下していましたが、驚くことに筋肉からの感覚入力は反対に高まっていました。このことは、従来報告されてきた感覚ゲーティングとは異なる新しい発見でした。”

 

“皮膚感覚と筋感覚が全く異なるコントロールを受けていたことは、自分の行動の認識が、脳が末梢感覚の種類に応じて、きめ細かなコントロールを行った結果であることが示唆されました。”

 

とのこと。

 

 

自分自身がどのような姿勢をしているか、どのように力を入れているか、よくわからなくなって固くなっている場合、運動をするとよくなる(ほぐれる)ことは多い。

それは単に心拍数を上げて血流をよくするというだけでなく、運動することで自分の身体の位置や状態(固有受容)情報が高まり、不要な筋緊張が解消されやすくなるのだろう。

そしてたぶん、ゆっくり動く運動の方が効果的だろう。

あとは、変化の確認(自覚)も大切。

 

 

しかし、運動しても解消できない慢性的な筋緊張もある。

もし慢性的な筋緊張自体をある種の運動とするなら、それは固有受容器からの情報を高めて皮膚からの情報を閉じる(低下させる)ことになるのだろうか?

そして筋緊張が慢性的になってくると、次第にそれを意識できなくなっていく。

元の記憶を忘れ、筋緊張も皮膚感覚も意識できず、痛みや動作制限が残されることになる。

身体を動かしても不要な筋緊張を持続させたまま運動をしてしまうことになり、無理が生じて偏った疲れや怪我につながる。

そういった状態に対して皮膚に鍼をして筋緊張が解ける時、ゲートにどういった作用が生じているのだろうか?

 

特に気になったのが以下の部分。

 

“今回の研究成果は、自他の行動識別(自分の行動と、他人の行動により受け身で起こった運動の識別)に用いられている脳機能を反映していると考えられ”

“例えば統合失調症など精神疾患の患者さんの一部はこの感覚ゲーティングに異常があることが知られ、それが自他混同などの病態の背景にあるとする考えがありました。”

 

とのことだが、自他境界や識別など中枢と感覚ゲーティングの関連は興味深い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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