インターネット徘徊

世界中のインターネット・ホームページを覗いて歩くつもり。覗いた先の言語が日本語とは限らない。その言語が理解できれば幸い。

広告

※このエリアは、60日間投稿が無い場合に表示されます。記事を投稿すると、表示されなくなります。

オーストリアのチロルなどでは山の賛歌はどうなっているのか

2009-04-25 21:05:50 | 社会
春が過ぎれば、夏のことが気に掛かるが、日本では夏が来る前に梅雨の季節が控えている。梅雨がないヨーロッパなどでは夏山シーズンの始まりとなり、その気分を駆り立てるのは、山の賛歌だが、最近、日本ではこのような山の賛歌が歌われているのを聞くこともなくなった。このような曲のLPレコードをかつて買い集めていたが、LPレコードは取扱いが面倒なのでお蔵入りとなっていた。CD化されたものもあるが、日本では全滅状態の感もする。そこでインターネットで探して見ても先に挙げたファールン・ベルガー姉妹のように消滅したものが少なくない。

30年一昔と云うが、そのころに購入したLPレコードに「Great Sprit Of JODEL グレート・スプリッツ・オブ・ヨーデル」というタイトルのもの(TEICHIKU RECORDS)がある。これに収められている曲に「Im Tirolerlandl :チロルのツィラータール」というタイトルの曲がある。この曲名は日本語の方は問題ないが、ドイツ語の方はIm Tirolerlandl liegt das Zillertalを簡略化したのではないかと思う。

Wikipedia : Zillertal
http://en.wikipedia.org/wiki/Zillertal

日本の信州についても云われていることだが、谷(タール)は谷毎に風習や方言が微妙に異なると云われており、チロルがあるアルプス地方の谷も例外ではない。交通手段が足と馬の時代では、交易が谷筋に沿って行われていた。直線距離が幾ら短くとも、高山の向こうは断絶された別世界であり、トンネルなどで至近距離で結ばれ、通信も発達した今日の常識は通用しない。この曲名:Im Tirolerlandl liegt das Zillertalはチロル全般のことではなく、「チロルにはツィラータールと云う素晴らしい所があると云う意味」が込められている。

レコードの曲目解説によると、歌っているのは「クレマー・ヴィルツ・トリオ:Kremer Wirt Trio」とある。この人の歌い方は普通の民謡歌手が歌うのとは異なり、クラシックのソプラノ歌手が歌っているような見事な歌い方であり、これを聞けば、ツィラータールに行ってみたいという人もいるだろう。

ツィラータールとはどのような所か、手っ取り早くウィキペディアを参照すると、残念ながら日本語版は投書されていないので、英語版を見ると、「ウーデルンスの眺め」(Blick_auf_Uderns)と云う美しい風景写真が掲載されている。ここはインスブルックからインの谷を東へ約70Km行くとヴィージング(Wiesing)がある。ここから南に伸びる谷:ツィラータールに入り、約12Km行くとウーデルンス(Udrns)がある。この写真はここから北を見た光景のようだ。つまりウーデルンスから、ヴィージングとその背後のホッヒス(Hochiss 2299m)などがあるカルヴェンデル(Karwendel)山塊を見た光景だった。

Wikipedia : Blick_ auf_ Uderns
http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/dd/Blick_auf_Uderns.jpg

夏のツィラータールは緑の谷となり、空気も澄み渡り、風光明媚な土地なので、夏は休暇村として、冬はツィラータールが南北に開けた谷なので、北風が吹き抜けて寒いが、スキーなどのウィター・スポーツ地として適地だろう。カルヴェンデル山塊の北側にはドイツ・バイエルン地方のガルミッシュ・パルテンキュルヘンがあり、ここも風国明媚であり、ウィンタースポーツなどが盛んな地域だ。

YouTubeを覗くと、

Hansi Hinterseer - Karwendel-Lied 2008 (カルヴェンデルの歌)
 http://www.youtube.com/watch?v=XHz5k8ruSIs

Hansi Hinterseer –Tirol Medley 2009 (チロル・メドレー2009)
 http://www.youtube.com/watch?v=hXa0LxL5CIA
 http://www.youtube.com/watch?v=5yC4CQIAp2Y&feature=related

Hansi Hinterseer - Tiroler Berge 2007 (チロルの山2007)
 http://www.youtube.com/watch?v=m4mTysmJsTY&feature=related

Hansi Hinterseer–Es grüßt der Wilde Kaiser 2007 (ヴィルデ・カイザーが御挨拶2007)
 http://www.youtube.com/watch?v=m4mTysmJsTY&feature=PlayList&p=2A3D88EE66032307&playnext=1&playnext_from=PL&index=23

HansiHinterseer–Wenn hell die Sonne lacht 2007(太陽が明るく輝けば2007)
  http://www.youtube.com/watch?v=1-QprOmyNWM&feature=related

Hansi Hinterseer Tiroler Berge 2008(チロルの山)
    http://www.youtube.com/watch?v=Bw6P5B_vRLU

など、盛りだくさんに投書されており、殆どがチロルの光景をバックにしてチロル賛歌となっている。しかも外国の観光客相手に歌っているではなく、地元チロルなどの観客が多いようだ。

“Hansi Hinterseer-Tirol Medley 2009”でハンシ・ヒンターゼーア(標準語ではハンシでなくハンジ)が最初に歌っているの曲は、「チロル、チロル、チロル、お前は我が故郷」(Tirol, Tirol, Tirol du bist mein Heimat Land )であり、LP時代に日本に紹介されていた。ハンシ・ヒンターゼーアは冬季オリンピックやワールドカップにオーストリアの大回転選手として何度も出場し、何度もメダルを獲得している。富良野のワールドカップ大回転にも参加していた人物だが、その後、シュラーガ(民謡や流行歌などを含む)の歌手に転向し、今ではベテラン歌手になっている。

これらYouTube投書の背景映像はチロルの谷や山の光景であり、ハンシ・ヒンターゼーアがスキー滑降の選手であったことからか、リズムも何やら大滑降のターンのタイミングを連想させるリズムになっている。YouTube画面の右脇欄には、ヒンターゼーアが歌うリストが並んでおり、その多さに驚く。

少し趣向を変えたものとして今人気絶頂のスイスの女性ヨーデル歌手:エッツュ(Melanie Oesch)と共演しているものもある。

Hansi Hinterseer - Weihnachtsgeschichte Teil 1 2008
  http://www.youtube.com/watch?v=qhcZR0nUaLY&feature=related

更にドイツには歌手のエーベルト・ヘルテル(Eberhard Hertel)と、その娘にも歌手になるように幼児教育をした結果、期待にこたえて見事に美人歌手となったステファニー・ヘルテル(Stefanie Hertel)とのデュエットで歌う山のさすらい( Bergvagabunden)もある。

Stefanie & Eberhard Hertel – Bergvagabunden
http://www.youtube.com/watch?v=4uoqHYEBT7Y

最近の日本では山の歌は全くもって聞くこともなくなったが、チロルは勿論、地域性の違いがかなり強いオーストリアの他の州ににおいも、この投書数の多さから推察されるように、山の歌が廃れてはいないようだ。
ジャンル:
文化
この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 忽然と姿を消した民衆歌手の... | トップ | 南チロル »

あわせて読む