(投稿者:そらん)
ダンジョンクエスト…それは、人類の浪漫…
なんていうセリフは置いておいて、概略から。このゲームは大雑把にいえば、ダンジョンに潜り、罠や怪物をうまくかわして、あるいは撃退して、最深部に存在する宝物を集め生還するというゲーム(1~4人用)です。どうです、面白そうでしょう? しかし、同好会内の評判は非常に悪く、このゲームを持ってきてくださったチェバさんと新入生ぐらいしかメンバーが集まらないという謎の状況に陥ってしまいます。ダンジョンクエストの面白さを布教するのも一つの目的でしたので、リピーターだけで卓を囲むのは少々避けるべきであり、その観点からはよかったといえるのですが。
…確かに、同好会メンバーがダンジョンクエストをここまで悪く評する理由には心当たりがあります。一つは苛烈なブービートラップが存在すること、もう一つは戦闘の難易度が高いことです。少し細かい話になりますが、両方について詳しく見てみましょう。
前者の例としては「落とし穴の部屋」「振り子の刃」に代表されるような即死系トラップです。これを引いた場合、六面体サイコロを2つ振り、その和が能力値(ほとんどのキャラクターが5や6)よりも大きいと死亡するという極悪なものです。このほかにも「毒ガス」(サイコロ1つの出目-3ターンの間休む、※ゲーム開始から30ターンほどでキャラクターは強制的に死亡してしまう)や、「影」(毎ターン開始時にサイコロを2つ振り、1ゾロが出ると死亡する)、「ヴァンパイア」(サイコロ2つの和が能力値よりも大きいと、毎ターン1ダメージを受けることになる、※もっともHPの高いプレイヤーのHPは20)といった凶悪な罠が待ち構えています。運悪くこれらのカードを引き、またまた運悪く回避判定に失敗してしまうと、大きなペナルティ(死亡・大ダメージ・休み)を負ってしまいます。この理不尽さに対して異議を唱える方もいらっしゃるというのにもうなずけます。
後者の話。なかなか説明はむずかしいのですが… 戦闘は普通のじゃんけんと普通のバトルゲーム(出したカードの数字の大小のみが戦闘の結果に影響を与えるゲーム)を組み合わせたような頭脳プレーです。カードにはじゃんけんでいう「手」に相当するマークと数字とが設定されています。自分の出したカードの数字が相手の出したカードのものよりも大きければ相手にダメージを与えられ、勝利が一歩近づきます。これだけならば普通のバトルゲームなのですが、このゲームは一味違う。じゃんけんに勝利すると相手の数字を上回るまで同じ種類の「手」のカードを出すことができるというルールがあるのです! さらに、「手」に応じてダメージにボーナスが付くこともあります。プレイヤー・モンスター役両者ともに、そのターンにおけるダメージボーナスの具体的な値を知っているので、ダメージボーナスも勘案してどの手を出せばよさそうか、相手がどの手を出しそうかを考える必要がありますね。また、当たり前のことですが、手札に応じて出せるカード=「手」の種類は限られてしまう(例えば手札には「グー」ばかりで「グー」しか出せない)ので、これを考慮にいれる必要もあります。
まあ、簡単に言えば、じゃんけんに勝ち、相手のカードの数字を上回ればいいのです。このじゃんけん要素と足し算要素が戦闘に頭脳プレー感を与えます。つまり、相手の攻撃を読み、上手くじゃんけんとバトルゲームで勝利すれば格上の強敵にだってノーダメージで勝利できる、というゲーム性が生まれるのです。
しかし、現実はそんなに甘くはありません。手札が悪ければぼろ負けします。たとえ相手の攻撃を読み、じゃんけんに勝利しても、同じ種類のカードの数字の総和が相手のカードの数字と同じ(=引き分け)ということは多々あります。それどころか、すべての攻撃を読み、的確にじゃんけんに勝利しても引き分けばかりでダメージを与えられない、挙句の果てにカードの数字が足りずにHPを大幅に上回るダメージを受けてゲームオーバー…ということだってあります(経験談)。流石にこのようなことは理不尽ですね。これを嫌うという考えも理解できます。
客観的に見ると、「ダンジョンクエスト」は前述のようにゲームバランスの厳しい点が多々あります。サイコロ・手札のランダム性に命が左右されることもしばしば。ゲームをロジカルに遊びたい人にはこのゲームは向いていないでしょうね。しかし、このゲームにはそれを補って余りあるすばらしさや楽しさがあります。ブービートラップを運よく回避した時の喜び、強敵をノーダメージで撃退した時のカタルシス…あるいは、トラップで死亡した時の悔しさ、強敵にノーダメージでやられた時の衝撃…プレイすればするほどその感動を発見していくでしょう。
噛めば噛むほど味が出るスルメのようなゲーム、私はダンジョンクエストをこう表現したい。みなさん、死ぬことを恐れず、とりあえず一回やってみませんか?
これで合宿編は終わり、次回からは平常の運営に戻ります。ここまで読んで下さり、ありがとうございました。
…あれ? 筆の赴くままに書いていたら勧誘形になってしまったぞ。
ダンジョンクエスト…それは、人類の浪漫…
なんていうセリフは置いておいて、概略から。このゲームは大雑把にいえば、ダンジョンに潜り、罠や怪物をうまくかわして、あるいは撃退して、最深部に存在する宝物を集め生還するというゲーム(1~4人用)です。どうです、面白そうでしょう? しかし、同好会内の評判は非常に悪く、このゲームを持ってきてくださったチェバさんと新入生ぐらいしかメンバーが集まらないという謎の状況に陥ってしまいます。ダンジョンクエストの面白さを布教するのも一つの目的でしたので、リピーターだけで卓を囲むのは少々避けるべきであり、その観点からはよかったといえるのですが。
…確かに、同好会メンバーがダンジョンクエストをここまで悪く評する理由には心当たりがあります。一つは苛烈なブービートラップが存在すること、もう一つは戦闘の難易度が高いことです。少し細かい話になりますが、両方について詳しく見てみましょう。
前者の例としては「落とし穴の部屋」「振り子の刃」に代表されるような即死系トラップです。これを引いた場合、六面体サイコロを2つ振り、その和が能力値(ほとんどのキャラクターが5や6)よりも大きいと死亡するという極悪なものです。このほかにも「毒ガス」(サイコロ1つの出目-3ターンの間休む、※ゲーム開始から30ターンほどでキャラクターは強制的に死亡してしまう)や、「影」(毎ターン開始時にサイコロを2つ振り、1ゾロが出ると死亡する)、「ヴァンパイア」(サイコロ2つの和が能力値よりも大きいと、毎ターン1ダメージを受けることになる、※もっともHPの高いプレイヤーのHPは20)といった凶悪な罠が待ち構えています。運悪くこれらのカードを引き、またまた運悪く回避判定に失敗してしまうと、大きなペナルティ(死亡・大ダメージ・休み)を負ってしまいます。この理不尽さに対して異議を唱える方もいらっしゃるというのにもうなずけます。
後者の話。なかなか説明はむずかしいのですが… 戦闘は普通のじゃんけんと普通のバトルゲーム(出したカードの数字の大小のみが戦闘の結果に影響を与えるゲーム)を組み合わせたような頭脳プレーです。カードにはじゃんけんでいう「手」に相当するマークと数字とが設定されています。自分の出したカードの数字が相手の出したカードのものよりも大きければ相手にダメージを与えられ、勝利が一歩近づきます。これだけならば普通のバトルゲームなのですが、このゲームは一味違う。じゃんけんに勝利すると相手の数字を上回るまで同じ種類の「手」のカードを出すことができるというルールがあるのです! さらに、「手」に応じてダメージにボーナスが付くこともあります。プレイヤー・モンスター役両者ともに、そのターンにおけるダメージボーナスの具体的な値を知っているので、ダメージボーナスも勘案してどの手を出せばよさそうか、相手がどの手を出しそうかを考える必要がありますね。また、当たり前のことですが、手札に応じて出せるカード=「手」の種類は限られてしまう(例えば手札には「グー」ばかりで「グー」しか出せない)ので、これを考慮にいれる必要もあります。
まあ、簡単に言えば、じゃんけんに勝ち、相手のカードの数字を上回ればいいのです。このじゃんけん要素と足し算要素が戦闘に頭脳プレー感を与えます。つまり、相手の攻撃を読み、上手くじゃんけんとバトルゲームで勝利すれば格上の強敵にだってノーダメージで勝利できる、というゲーム性が生まれるのです。
しかし、現実はそんなに甘くはありません。手札が悪ければぼろ負けします。たとえ相手の攻撃を読み、じゃんけんに勝利しても、同じ種類のカードの数字の総和が相手のカードの数字と同じ(=引き分け)ということは多々あります。それどころか、すべての攻撃を読み、的確にじゃんけんに勝利しても引き分けばかりでダメージを与えられない、挙句の果てにカードの数字が足りずにHPを大幅に上回るダメージを受けてゲームオーバー…ということだってあります(経験談)。流石にこのようなことは理不尽ですね。これを嫌うという考えも理解できます。
客観的に見ると、「ダンジョンクエスト」は前述のようにゲームバランスの厳しい点が多々あります。サイコロ・手札のランダム性に命が左右されることもしばしば。ゲームをロジカルに遊びたい人にはこのゲームは向いていないでしょうね。しかし、このゲームにはそれを補って余りあるすばらしさや楽しさがあります。ブービートラップを運よく回避した時の喜び、強敵をノーダメージで撃退した時のカタルシス…あるいは、トラップで死亡した時の悔しさ、強敵にノーダメージでやられた時の衝撃…プレイすればするほどその感動を発見していくでしょう。
噛めば噛むほど味が出るスルメのようなゲーム、私はダンジョンクエストをこう表現したい。みなさん、死ぬことを恐れず、とりあえず一回やってみませんか?
これで合宿編は終わり、次回からは平常の運営に戻ります。ここまで読んで下さり、ありがとうございました。