今朝は午前3時半に目が覚めてしまった。
午前零時を回って寝ていて、いくらなんでももう少し寝ておきたいと思ったが、ダメ。
スタンドをつけて、『よこまち余話』(木内昇)を読み終えた。
「この世の中にある次元というのは、ひとつきりじゃないんだろうね」
という言葉があるが、この世とあの世を往き来する人たちがいる作品世界も違和感ない論理に表現力だ。
能の幽玄的世界を背景に編み上げたものらしい。昭和の初めごろ、東京の下町を舞台に、終わってほしくないような、余韻の残る物語だった。
『漂砂のうたう』『櫛挽道守』『よこまち余話』、木内作品のファンの一人。かみしめたい表現が随所にある。
「コトバはてめえの食いものだもの。」
「コトバは口福でなくちゃいけない。」
こんな一節を長田弘の詩「コトバの揚げ方」の中に見つけた。
ウォーキング途中、各所で盛りのクチナシの花の甘く濃厚な匂いに足を止めて…。今夜はぐっすり眠りたい。