京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

雪大文字

2017年01月17日 | 日々の暮らしの中で

朝方は昨夜からの雪もかなり積もっていましたが、日差しも出始めて、雪解けの水が道路の端を歩く頭にぽっつん!

今日は、光田和伸先生の『おくの細道』の補講日でした。
140日ほど費やした旅の費用は、今に換算して約300-500万円ほど。それを負担したスポンサーは、水戸藩3に対して大垣藩が7かとお話でした。ゴールは大垣です。曾良は伊達藩の内情を調べるという仕事も終えて、体調の回復を待って一足先に大垣へ。曾良と分かれた芭蕉は加賀から越前の国に入り、今日は永平寺、福井、敦賀と旅してきました。旅の真実に迫る講座のゴールももうすぐです。

てんこ盛りを嫌い、最小限のもので読者に提供する工夫。無駄を省く。しかし、潤いが無くならないように歌枕など多く引用した漢文調の文体がテンポよくて、その意味ではとても気に入った段でした。和漢の数多い文学作品を背景にしたり、引用の豊かさなど、素晴らしい教養人なのだと改めて痛感する芭蕉です。


終了後は京都御苑を蛤御門へと抜けるように歩いてみました。雪大文字を見てみたかったからです。     

          雪大文字に千切りを炊く匂い      

西野文代さんにこんな一句があります。厳しく冷え込む雪の日の夕餉のおかずなのでしょうか。狭い路地(?)のどこからか切り干し大根を炊く、あの独特な匂いが漂ってくると想像するのも、つつましやかでも温かな生活が好ましいです。


コメント (6)
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