ツタヤの半額クーポン・セールだったのでトゥパックの「レザレクション」と一緒に借りてきました。
現在、DVDで再販されている「ケネス・マクミランのロミオとジュリエット−英国ロイヤルバレエ−」。(日本版、タイトル長すぎ

。)
1984年収録
キャスト
ジュリエット…Alessandra Ferriアレッサンドラ・フェリ
ロミオ…Wayne Eaglingウェイン・イーグリング
マキューシオ…Stephen Jefferies
ティボルト…David Drew
ベンヴォーリオ…Mark Freeman
パリス…Julian Hosking
キャピュレット卿…Drek Rencher
キャピュレット夫人…Sandra Conley
以前にも書きましたが、「ロミオとジュリエット」はすばらしい。
演劇で見ても良し。バレエでも良し。オペラは…まあ、良し。
他愛もない話、といえばそれまでだけれども、10代の少年少女が自分たちとは無関係な社会と不条理によって、命を絶ってしまうという哀しさが、人々を惹きつけてやまないのかもしれない。
と、まあ大層な前置きをしてしまいましたが
好きです。バレエ版「ロミジュリ」。
以前にも書きましたが、最初に見たのが、バーミンガム・ロイヤル・バレエの公演でした。
バレエって、これほど演劇性が高いものなのかと感心し、この作品を作り上げたケネス・マクミランという振付家にも興味を持つきっかけになりました。
この公演自体はいずれ書くとして、とにかく最初の公演のイメージが強烈で、このマクミラン版を映像で見るのには少し抵抗感がありました。
また、後にDVDで見たヌレエフ版が、マクミランとは異なる強い色彩をおびたものだったので、マクミラン版に失望してしまうのではないか。あるいは、完璧といわれるフェリのジュリエットを見たら、バーミンガムの思い出も霞むのではないか・・・などなど。
結論から言えば、一連の不安は杞憂でした。とにかく細かい動きで感情を表現するヌレエフ版と対照的に、ゆったりとした動きを多く取り入れて暗い情緒を表現するのが、マクミラン版。彼の作品は常々、妖艶なものがあると思うのですが、魅力にあふれています。
ロミオ達に絡んでくる娼婦達(大爆笑のでか鬘着用)の猥雑さとか、舞踏会の女性達の視線や動きが妙にアンニュイな雰囲気が強いです。
やはりすばらしいのがフェリのジュリエット。
ヌレエフ版のルディエールのジュリエットが友達と遊びまわる溌剌としたお転婆なのに対して、こちらのジュリエットはお人形遊びが大好きな、少し夢見る女の子。ロミオに対しても、ふわあっと恋に落ちていく感じでうっとりしてしまう。初めての恋に対しての戸惑いやら歓喜やら、ありとあらゆる感情が渦巻いているさまが出た表情がとても印象的。
そんな彼女が、パリスとの結婚を強要されて、行き詰っていくシーンは切なかった。
派手に泣き叫ぶのではなく、じわりと追いやられてゆくような演出がすごいです。
それにしてもこのパリスは何だかロリコンに見えてちょっと・・・

。ノーブルが足りなかったと思います。足長いけど。
アレッサンドラ・フェリは当時、20代そこそこなのかな?美しさと可愛らしさが同居していて素敵。今度、プティの「こうもり」で来日しますね。もうチケットのこってないのかな?いつか見てみたいです。
ロミオ役のイーグリングは現在、
イングリッシュ・ナショナル・バレエの芸術監督です。
映像が収録された時点で、すでにかなりのベテランですが、見ていると彼が本当に、10代の少年に見えてくる。じわりと感情が出てくる子なんだな。ラストはやっぱり切ないよ〜。
ただし、最初の登場シーンで「あ、トム・ベイカー※1みたい。」と思った私はバカだった。すごい巻き毛頭で鼻筋が似ているんですもの。
とたんに頭に浮かんできたベイカー氏の面影を追い出すのに少なからず苦労しました。
いや、でもいいキャストですよ。これ必見です

。
ただ、本当に微細なことですが、バーミンガム版は少し演出を変えたのかな?と思うシーンがいくつかあったので、これについては後述します。
※1
トム・ベイカー…イギリスの俳優。長い下積みを経て、1974年から81年にかけて、BBCのSFドラマ「ドクター・フー」の四代目ドクター役で一躍有名になる。彼の演じた“ドクター”は歴代で最もファンの人気が高い(らしい…。)。最近では、これもBBCで放映されたコメディ番組「
リトル・ブリテン」のナレーションを担当していた。ダークな児童書も書いていて、代表作は「
ブタを蹴っ飛ばした少年」。翻訳が出ています。因みにわたくし、あちらで「リトル・ブリテン」にはまり、帰国するとき、2シーズン分のDVDを買ってきて、見てました。ちょー下品だけど、お勧めですよ。これ。