伏線や隠喩のまとめ その1
※数が多すぎるため全部の把握はできていない。
羅列するのは野暮天極まりないが、こういったことに気を付けると面白いよということで。
●散る桜
青春の一過性と季節は巡ることの暗示。桜は散ってしまう儚さがあるが同時に散るぞ美しき、という日本人の美意識がある。桜が散る描写は中村監督作品に多く登場するもので特徴と言ってもよい。桜は散ってしまうが、季節が廻ればまた咲く。これはエンディング後の展開を暗示してもいる。
●ケンジのヘッドフォン
後にリョウイチが指摘するが、音声言語をシャットダウンしていても伝わるものがある。
●リョウイチの立ち位置
リョウイチは高確率で左側(アニメでいう上手)に立つ。
●タイトルロゴ
タイトルロゴは光の記号が含まれている。全体を通して過剰ともいえるレンズフレアの使用があるが、それと同じく青春の煌びやかさを示している。
●職員室の様子
大人が登場するほぼ唯一の場面と言ってよい。この作品に大人は耕児と斉藤先生ぐらいしか役目は負わされていない。一応ナツキの家族なども登場するが徹底的と言っていいほど排除されている。これは超能力の導き手として耕児、旧来のコミュニケーションの導き手として斉藤先生が置くための意図ととれる。
●リョウイチの出身地と格好
花巻市は宮沢賢治ゆかりの地であり、宮沢賢治の代表作の一つに風の又三郎がある。リョウイチの存在は風の又三郎とも取れる。またケンジたちの学校の男子生徒の制服はブレザー。転校生というマレビトの存在を示すためにリョウイチは詰襟となっているが、詰襟の超能力者と言えばバビル2世だろう。
●曽我はるかと神野ゆうの会話
原作を知っている人にはわかりやすい会話かもしれないが、これからの学校で起こる事件の暗示となる内容。しかし、主役4人の恋の示唆でもある。自分の気持ちというものは自分の中にあるものだが、他人とのふれあいでも生まれる。これは人が流されやすいということとも取れるし、人と人が触れ合うことにより生まれる感情も確かにあるということを示す。
●リョウイチ「好きなんだ、月が」
リョウイチが月出身だからと流しやすい告白ではあるが、彼の身の上や彼は初めて地球にやってきたことを考えると途端に意味深な言葉になる。はたして故郷だから好きだと言ったのか。
●人のいない江ノ電
こんな状況は現実にはまずない(桜やきれいすぎる星空も同様だが)ので、ここはカホリの心情を表していると考えるといいかもしれない。
●満月と桜
満月がまるで舞台のスポットライトのように描写される。これも監督の前作と似ている使用法。『魍魎の匣』では二人の少女が舞うときには月が巨大化すらした(そのあと現実的な大きさに戻る)。
●ライサンダーのセリフ
リョウイチとカホリ、ナツキとケンジの未来を暗示しているような内容。『夏の世の夢』でも四角関係が描かれている。
●斉藤先生の話
この時点ではリョウイチはテレパシーがあるのだから口頭での会話に意味があるのか疑問を抱いている。これがのちのDパートでのセリフに生きる。また、演劇とは演ずることで自分自身を見つめなおすことである。相手に思うことを簡単に伝えられるからと言っても、自分自身を見つめない限り本当に伝えたいことは伝わらない。『ねらわれた学園』という作品を鑑賞するうえで重要なテーマの一つである。
●ナツキのケンジの呼び方
2人称としてはしばらく「アンタ」が多い。3人称だと「ケンジ」が多い。後に「ケンちゃん」に戻る。
●トンビ
ナツキが先に好きだった相手はカホリに、ケンジが好きだった相手はリョウイチに恋をした。まるでトンビのようである。
●テレビの超能力者
3回にわたりリョウイチの状況を示唆する謎の番組
●ケンジの妹
良く見ていると箸をまだうまく使えないようで交差箸になっている。しまいにはご飯をうまく口に運べず肩を落とす。余裕があったら見てみよう。ちなみに次の夕食ではスプーンを使うようになる。
●耕児
原作の主人公なので超能力に関してもよく知っている。
●ケンジとナツキの家の配置
最初は左がケンジの家、右がナツキの家。次に左がナツキの家、右がケンジの家。最後に左がケンジの家、右がナツキの家。二人のコミュニケーション(ドングリや枕含)の方向性を考えると上手下手の関係がつかみやすいだろう。
●落ちるゆりこ
1回目のパンチラ。ナツキに比べると大人っぽいデザインのようだ。
●リョウイチとゆりこの位置関係
やはりリョウイチは左側にいる。加えて満月がスポットライトの役目を果たし後光となる。ゆりこにとってリョウイチが神秘的に映る描写。
●ナツキの夢
浴衣に花火なのでこちらがメインと思われがちだが、実は糸電話の方が重要。この糸電話の会話後ケンジが落下する。そのごナツキが過去を改変し今に至る。
●ゆりこが登校した朝
外で見ているのは勝木、平田、(おそらく)根津の三人。ゆりこはナツキにあいさつするがリョウイチにはあいさつをしない。それをナツキはいぶかしがる。
●ナツキ「すぐ卒業ってことになっちゃうよ?」カホリ「いいの。私は」
このときナツキは思いを伝えられないカホリを見て自分自身を重ね合わせている。
●カホリ「こんなにきれいだったっけ」
恋をすると世界はきらめいて見える。
●ナツキの横顔を見るカホリ
思っていることと表現していることの違い。演劇につながる一描写。むろん、この時カホリはナツキの思いを察していると思われる。
●飛び跳ねるナツキ
2回目のパンチラ。ナツキはシンプルな下着のようだ。
●東京の高校へ
夢の内容とは違う。ナツキがケンジを諦めようとしている一端が見える。
●第80回演劇祭のポスター
ずいぶんと歴史のある学校のようだ。
●ナツキの鼻歌
後のカホリに比べるとあまり上手くはない……。
●使い魔の攻撃を受けるナツキ
ここで非能力者を攻撃しているのは使い魔の方である。ゆりこは悦に入っているだけ。また、このときナツキは「助けてケンちゃん!」と叫ぶ。どんなに隠そうともとっさの場合はケンジに助けを求めてしまうのが彼女の乙女なところである。
●舌を出すカホリ
リョウイチがいなくてちょっと残念だったようだ。
●カホリがサーフィンをする理由
父はいなくても、会話ができなくてもサーフィンを通じて心を通わせることができる。ナツキの糸電話や、リョウイチが参拝した母の家の墓などと同じ要素。テレパシーに比べ旧来のものだが、物を通じてでも人は心をつなげることができる。
※数が多すぎるため全部の把握はできていない。
羅列するのは野暮天極まりないが、こういったことに気を付けると面白いよということで。
●散る桜
青春の一過性と季節は巡ることの暗示。桜は散ってしまう儚さがあるが同時に散るぞ美しき、という日本人の美意識がある。桜が散る描写は中村監督作品に多く登場するもので特徴と言ってもよい。桜は散ってしまうが、季節が廻ればまた咲く。これはエンディング後の展開を暗示してもいる。
●ケンジのヘッドフォン
後にリョウイチが指摘するが、音声言語をシャットダウンしていても伝わるものがある。
●リョウイチの立ち位置
リョウイチは高確率で左側(アニメでいう上手)に立つ。
●タイトルロゴ
タイトルロゴは光の記号が含まれている。全体を通して過剰ともいえるレンズフレアの使用があるが、それと同じく青春の煌びやかさを示している。
●職員室の様子
大人が登場するほぼ唯一の場面と言ってよい。この作品に大人は耕児と斉藤先生ぐらいしか役目は負わされていない。一応ナツキの家族なども登場するが徹底的と言っていいほど排除されている。これは超能力の導き手として耕児、旧来のコミュニケーションの導き手として斉藤先生が置くための意図ととれる。
●リョウイチの出身地と格好
花巻市は宮沢賢治ゆかりの地であり、宮沢賢治の代表作の一つに風の又三郎がある。リョウイチの存在は風の又三郎とも取れる。またケンジたちの学校の男子生徒の制服はブレザー。転校生というマレビトの存在を示すためにリョウイチは詰襟となっているが、詰襟の超能力者と言えばバビル2世だろう。
●曽我はるかと神野ゆうの会話
原作を知っている人にはわかりやすい会話かもしれないが、これからの学校で起こる事件の暗示となる内容。しかし、主役4人の恋の示唆でもある。自分の気持ちというものは自分の中にあるものだが、他人とのふれあいでも生まれる。これは人が流されやすいということとも取れるし、人と人が触れ合うことにより生まれる感情も確かにあるということを示す。
●リョウイチ「好きなんだ、月が」
リョウイチが月出身だからと流しやすい告白ではあるが、彼の身の上や彼は初めて地球にやってきたことを考えると途端に意味深な言葉になる。はたして故郷だから好きだと言ったのか。
●人のいない江ノ電
こんな状況は現実にはまずない(桜やきれいすぎる星空も同様だが)ので、ここはカホリの心情を表していると考えるといいかもしれない。
●満月と桜
満月がまるで舞台のスポットライトのように描写される。これも監督の前作と似ている使用法。『魍魎の匣』では二人の少女が舞うときには月が巨大化すらした(そのあと現実的な大きさに戻る)。
●ライサンダーのセリフ
リョウイチとカホリ、ナツキとケンジの未来を暗示しているような内容。『夏の世の夢』でも四角関係が描かれている。
●斉藤先生の話
この時点ではリョウイチはテレパシーがあるのだから口頭での会話に意味があるのか疑問を抱いている。これがのちのDパートでのセリフに生きる。また、演劇とは演ずることで自分自身を見つめなおすことである。相手に思うことを簡単に伝えられるからと言っても、自分自身を見つめない限り本当に伝えたいことは伝わらない。『ねらわれた学園』という作品を鑑賞するうえで重要なテーマの一つである。
●ナツキのケンジの呼び方
2人称としてはしばらく「アンタ」が多い。3人称だと「ケンジ」が多い。後に「ケンちゃん」に戻る。
●トンビ
ナツキが先に好きだった相手はカホリに、ケンジが好きだった相手はリョウイチに恋をした。まるでトンビのようである。
●テレビの超能力者
3回にわたりリョウイチの状況を示唆する謎の番組
●ケンジの妹
良く見ていると箸をまだうまく使えないようで交差箸になっている。しまいにはご飯をうまく口に運べず肩を落とす。余裕があったら見てみよう。ちなみに次の夕食ではスプーンを使うようになる。
●耕児
原作の主人公なので超能力に関してもよく知っている。
●ケンジとナツキの家の配置
最初は左がケンジの家、右がナツキの家。次に左がナツキの家、右がケンジの家。最後に左がケンジの家、右がナツキの家。二人のコミュニケーション(ドングリや枕含)の方向性を考えると上手下手の関係がつかみやすいだろう。
●落ちるゆりこ
1回目のパンチラ。ナツキに比べると大人っぽいデザインのようだ。
●リョウイチとゆりこの位置関係
やはりリョウイチは左側にいる。加えて満月がスポットライトの役目を果たし後光となる。ゆりこにとってリョウイチが神秘的に映る描写。
●ナツキの夢
浴衣に花火なのでこちらがメインと思われがちだが、実は糸電話の方が重要。この糸電話の会話後ケンジが落下する。そのごナツキが過去を改変し今に至る。
●ゆりこが登校した朝
外で見ているのは勝木、平田、(おそらく)根津の三人。ゆりこはナツキにあいさつするがリョウイチにはあいさつをしない。それをナツキはいぶかしがる。
●ナツキ「すぐ卒業ってことになっちゃうよ?」カホリ「いいの。私は」
このときナツキは思いを伝えられないカホリを見て自分自身を重ね合わせている。
●カホリ「こんなにきれいだったっけ」
恋をすると世界はきらめいて見える。
●ナツキの横顔を見るカホリ
思っていることと表現していることの違い。演劇につながる一描写。むろん、この時カホリはナツキの思いを察していると思われる。
●飛び跳ねるナツキ
2回目のパンチラ。ナツキはシンプルな下着のようだ。
●東京の高校へ
夢の内容とは違う。ナツキがケンジを諦めようとしている一端が見える。
●第80回演劇祭のポスター
ずいぶんと歴史のある学校のようだ。
●ナツキの鼻歌
後のカホリに比べるとあまり上手くはない……。
●使い魔の攻撃を受けるナツキ
ここで非能力者を攻撃しているのは使い魔の方である。ゆりこは悦に入っているだけ。また、このときナツキは「助けてケンちゃん!」と叫ぶ。どんなに隠そうともとっさの場合はケンジに助けを求めてしまうのが彼女の乙女なところである。
●舌を出すカホリ
リョウイチがいなくてちょっと残念だったようだ。
●カホリがサーフィンをする理由
父はいなくても、会話ができなくてもサーフィンを通じて心を通わせることができる。ナツキの糸電話や、リョウイチが参拝した母の家の墓などと同じ要素。テレパシーに比べ旧来のものだが、物を通じてでも人は心をつなげることができる。