二条河原の楽書

京都サンガF.C.を中心にJリーグを楽な感じで綴るサッカー忘備録(予定)

2016明治安田生命J2リーグ第41節 京都vs愛媛

2016-11-13 | 蹴球

京都サンガF.C.0-1○愛媛FC
           69'瀬沼優司
            (↑表原玄太)

[警告・退場]
・京都
4'石櫃洋祐(C2ラフプレー)
79'エスクデロ競飛王(C3異議)
・愛媛
なし


【全体の印象】
 立ち上がりから両者気合い乗りがなく、ゆったりペース。次第に愛媛の積極性か増し、京都陣内は表原にドリブルで切り裂かれるようになった。京都も30分前後からようやく球際の激しさが出るようになったが、愛媛の精度の低さにも助けられた。後半、京都は奪って速いカウンターも繰り出したり、細かいパスを敵陣で回すシーンもあったものの、決定機は作れず。60分ごろからは再三林堂にクロスをあげられるなど完全な愛媛ペースとなり、表原のスルーパスを瀬沼に決められ失点。京都は出番の少ない戦力(有田・国領・矢島)を投入するテストモードに切り替えたが、運動量も闘志も衰えたまま、最後までチャンスらしいチャンスも作れず。ぽかぽか陽気にぴったりのゆる~いホーム最終戦だったが、逆にいい薬になったと考えるようにしよう。


【雑感】
■薬
「何も残らないようなゲームをしてしまい、本当に申し訳ない気持ち」という監督のコメントの通りで、このゲームについて特筆するようなことはない。激戦のJ2、上位3チームや下の方3~4チームが胃が痛くなるようなギリギリの戦いを繰り広げている中、京都は前節プレーオフ進出が確定。長いシーズン戦ってきてようやくひと息付くような格好となり、一度緊張感がほどけてしまうのも致し方ない。建前では「プロならば全試合、全力!全身全霊!」なのだろうけど、建前は建前である。より高い集中力を得るためには、緩めることにだって効果はある。
 今のチームは、得点ランキング上位の点取屋もいなければ、「残念そこは○○だ!」と叫びたいような屈強なCBもいない。攻守ともにある程度献身性や運動量を補完し合って成り立っている部分がある。そういうチームなのに、気合いがオフになって積極性が担保できない状態になれば、当然ながらチーム力は激減するのだ。「気を抜けばこうなるぞ!」というのを思い知って、再び気を引き締めて前に進むための“薬”としたい。

■よみがえる不死鳥
 昇格プレーオフがきわめて不条理な大会方式であることは、身を以て知っている。年間通じて培った総合力があるチームが勝てる訳でもないし、強いチームが勝ち抜ける訳でもない。たった2試合、ほんの2週間、その時点で最も状態のいいチームに仕上げることができれば、(たとえ実力が一枚落ちていても)“下剋上”を巻き起こすことができる。それを理解した上で考えれば、どこでチームのピークを持ってくることが大事なのかはおのずと見えてくる。
 すなわち準決勝の11月27日。ここに持てる力の全てを集中させることがプレーオフを勝ち抜く唯一無二の戦略。そのためには、最終節・長崎戦が持つ意味合いは大きい。ここできっちり気合いを乗せ、勢いを付けられれば、それがそのまま「ピーク」に向けた助走となる。さらに逆算していけば、この愛媛戦の敗北は一度緊張を解いて気持ちをリフレッシュし、チームをもう一度引き締めるという意味でプラスにとらえることもできる。いずれにしろ大切なのは次節。ここでプレーオフに視界が開けるような気持ちの入ったゲームができれば、今節の不甲斐ない試合内容にも意味があったことになるし、そうでなければ本当に「何も残らないようなゲーム」になる。失敗から学んでこそ、より高く飛び立てるのだ。…そう。よみがえる不死鳥なのだから(不死鳥と書いてサンガと読む、とのこと)